明駒(めいく)率いる三万の大軍に包囲され、青州は最大の危機を迎える。城内の兵力はわずか千人足らず。さらに山火事の対応にも追われ、絶体絶命の状況に追い込まれる。慕容璟和(ぼようけいわ)は、援軍を求める使者を送ると同時に、城の守りを固める。その覚悟に応え、武器を持ったことのない民衆までもが、故郷を守るために立ち上がった。圧倒的な兵力差を前に、璟和はすべてを懸けた決死の作戦に打って出る。多くの犠牲を払いながら、彼らが守りたかったもののために戦う、壮絶な攻防戦が始まる。

「春花焔~Kill Me Love Me~」あらすじネタバレ31話

いやー、今回の31話はマジでしんどかった。ちょっと覚悟して読んでほしい。青州を舞台にした、血と涙の総力戦だったよ。

絶体絶命の青州、璟和の策は…

明駒(めいく)が三万の大軍を率いて青州に迫ってきた。こっちの威北軍は千人もいない。おまけに山火事の対応にも追われてる。どう考えても詰んでる状況だよね。

慕容璟和(ぼようけいわ)はすぐに指示を出す。殷落梅(いんらくばい)には、危険を承知で墨州へ援軍を求めに行かせた。清宴(せいえん)と原将軍には城の守りを固めさせる。城内の物資はすべて李解(り・かい)が管理する。もうやるしかないって感じだ。

その覚悟に応えるように、城の民衆たちが次々と兵に志願する。武器なんて持ったこともない人たちが、自分たちの街を守るために立ち上がったんだ。

眉林(びりん)の覚悟

そんな中、眉林(びりん) の体は限界だった。墨脈の毒がまた彼女を蝕み始めていた。璟和も彼女の異変に気づいて医者を呼ぶ。眉林(びりん) は医者に、自分の病気のことは璟和に黙っていてほしいと頼んだ。今は心配をかけられないからね。

医者は、汗を止めるには合谷のツボに鍼を打つしかないと言う。でも、それは常人には耐えられない痛みらしい。眉林は璟和に怪しまれたくない一心で、その治療に耐えた。顔色ひとつ変えずに、平気なふりをするんだ。健気すぎて見てられないよ。

一方、援軍を求めに行った殷落梅(いんらくばい)も壮絶だった。敵陣を少数で突破しようとしたところ、毒矢が左目に命中してしまう。彼女は一瞬の迷いもなく、毒が全身に回る前に、自らの手で短剣を使い目をえぐり出した。副将の絳屠(こうと)は、彼女を逃がすために盾となり、敵の槍を受けて命を落とす。殷落梅は悲しみを振り切って、馬を走らせた。

民の血と、束の間の勝利

明駒は、青州の城門を守っているのがほとんど一般市民だと気づく。城の中にまともな兵は残っていないと確信した。夜になったら一気に攻め込む作戦だ。

その夜、衛老二(えいろうじ)みたいな普通の町の人たちが、必死に戦った。彼らは本当の兵士じゃない。それでも故郷を守りたい一心で、敵に立ち向かっていく。璟和の仕掛けた空城の計もあって、明駒は一度兵を引いた。青州は最初の防衛戦に勝ったんだ。

でも、その勝利の代償はあまりにも大きかった。衛老二たちは帰ってこなかった。ア伽(あか)は、彼が持っていた自分のお守りを見つけて泣き崩れる。眉林もその光景をただ辛そうに見つめていた。

最後の宴と、交わした約束

空城の計は一度しか使えない。山火事が収まれば、こちらの兵力が少ないことはバレてしまう。璟和は、最後の手段に出ることにした。威北軍の先鋒営を率いて、夜のうちに敵の本陣を奇襲する。全滅させるためじゃない。少しでも時間を稼ぐための、決死の作戦だ。

出発前、璟和はささやかな宴を開く。皆に願い事を言わせるんだ。明日死ぬかもしれない状況で、みんな笑いながら夢を語る。家族が平和に暮らせますようにってね。

孤児で、ずっと璟和のそばにいることだけが願いだった清宴。そして璟和は、みんなの前で堂々と言い放った。眉林の婿になりたいって。

周りに囃し立てられて、眉林は照れながらも頷く。彼女の願いはもう一度、青州の雪を見たいだった。この約束が、後からめちゃくちゃ重くのしかかってくる。

あまりにも大きな犠牲

夜襲は、最初はうまくいっていた。でも、すぐに敵に気づかれて完全に包囲される。兵力の差は歴然。先鋒営の兵士たちは次々と倒れていく。

そして、清宴。彼は璟和を守るため、自分の体に火をつけた。そのまま敵の火薬庫に突っ込んで、大勢の敵兵を巻き込んで自爆した。ずっと璟和のそばにいたいという願いは、こんな形で叶えられてしまった。

絶体絶命の璟和に、馬を届けたのは越秦(えつしん)だった。早く行けと彼を逃がす。

璟和は深手を負いながら、なんとか城に戻ってきた。城壁で待っていた眉林に抱きつき、子供のように泣きじゃくる。

雪と、倒れた眉林

その時だった。地響きとともに、殷落梅が五万の援軍を連れて帰ってきた。形勢は一気に逆転。明駒は慌てて逃げ出す。

璟和は清宴や仲間たちの仇を討つため、逃げる明駒を追い、その体に槍を突き立てた。越秦(えつしん)は停戦を命じ、西焉の軍を率いて引き上げていく。

戦いが終わり、青州の空から雪が舞い始めた。眉林の願いが叶ったんだ。民衆は歓声を上げ、勝利に沸く。眉林は璟和のもとへ駆け寄る。でも、彼の腕の中で、彼女は力なく崩れ落ちた。

感想

いや、もう言葉が出ない。今回は本当に息が詰まる回だった。殷落梅が自分の目をえぐるシーンは衝撃的すぎたし、清宴の自己犠牲は涙なしには見られなかった。ずっと璟和の影として生きてきた彼が、最後に命をかけて主君を守る姿は、忠誠心という言葉だけじゃ片付けられない。衛老二たち、名もなき民衆の戦いも胸に刺さったよ。彼らの血の上に、今の平和があるんだってことを突きつけられた感じ。

そして、璟和と眉林。決死の作戦の前に交わした婿になる雪を見たいっていう約束が、あまりにも切ない。つかの間の幸せな未来を夢見た直後に、これでもかというほどの絶望が襲ってくる。やっとの思いで敵を退けて、雪が降ってきたっていうのに、今度は眉林が倒れるなんて。脚本家はどれだけ二人を苦しめれば気が済むんだ。救いと絶望が同時に押し寄せてきて、感情がぐちゃぐちゃだよ。

つづく