今回は『四方館』の第16話だ。事件が片付いた後の、それぞれのキャラクターの動きが面白い回だったぜ。
あらすじ(ネタバレあり)
じゃ、さっそく本題に入ろうか。
元莫(げんばく)と阿術(あじゅつ)のドタバタな日常
まず最初は元莫(げんばく)と阿術(あじゅつ)のシーンからだ。元莫が阿術のために薬を煎じている。でも、やり方が下手くそなんだろうな。部屋中が煙だらけになっちまう。火事だと勘違いした阿術が飛び出してきて、元莫が自分のために薬を作ってくれていたことを知る。その時の阿術の顔、ちょっと嬉しそうだったよな。
ここで元莫が目に灰が入ったなんて言い出す。阿術が心配して顔を近づけて、フーフーしてやるんだ。でも、これ、元莫の芝居だった。ただ阿術とイチャつきたかっただけみたいだ。まったく、ごちそうさまだぜ。
王昆吾(おうこんご) の過去と復讐の誓い
場面は変わって、川辺だ。王昆吾(おうこんご) が一人で亡くなった仲間を偲んでいる。そこに尉遅華(うっちか)がやってくる。王昆吾は重い口を開いて、自分の過去を語り始めた。
昔、無面人の荷物輸送の情報を掴んだらしい。仲間たちと隊商に紛れ込んで奇襲をかけた。一度は成功したかと思った。でも、白衣客(はくいきゃく)っていうヤツに逆襲されたんだ。王昆吾は深手を負い、仲間たちは目の前で殺された。彼はたった一人、砂漠をさまよって生き延びた。その時から、彼の目的はただ一つ、仲間たちのための復讐だ。
話を聞いた尉遅華(うっちか)は、黙って王昆吾を支持する。あんたの望みを叶えるために、私も手伝う、と。この二人、ただの同僚じゃなくなってきたよな。
四方館に渦巻く思惑
一方、四方館の中も色々と動いている。
白衣客(はくいきゃく)の謎
捕らえられた小娥(しょうが)が口を開いた。死んだ陳信良(ちんしんりょう)は、白衣客の庇護を受けて奴隷売買をしていたらしい。ただ、白衣客の正体は誰も知らない。顔も歳も不明だ。最近、陳信良(ちんしんりょう)は白衣客の指示で、騙されてきた焉耆(えんき)の少女たちを探していたという。王昆吾は、焦ることはない、と判断する。まずは流民たちを落ち着かせることが先決だ。
元莫はさっそく、流民をどうやって受け入れるか、過去の資料を探し始める。王昆吾が言うには、問題は二つ。一つは、どうやって彼らに大雍の民としての正式な身分を与えるか。もう一つは、それを周りの国々にどう認めさせるかだ。なかなか難しい問題だぜ。
それぞれの評価
流民救出作戦の表彰式が開かれた。尉遅華は手柄が認められて、京兆府法曹長史に昇進だ。やっぱり家柄もあって、出世が早い。元莫、王昆吾、安修義(あんしゅうぎ)は給料が200文アップ。他の連中はお咎めもなし、褒賞もなし。
この結果に、季明礼(きめいれい)と沈百煉(しんひゃくれん)は焦り出す。手柄がない自分たちはクビになるんじゃないか、ってな。その頃、林素素(りんそそ)は安修義(あんしゅうぎ)の褒賞が少ないと文句を言っている。安修義本人は、手柄の大きさが問題なんだ、と冷静だ。そこに尉遅華が通りかかる。彼女は自分の家柄が良いことは認めつつ、その力を正しく使っているだけだ、と安修義に釘を刺す。この二人、ちょっとピリピリしてるな。
阿術の未来と元莫の決断
元莫は、今回の事件で大活躍した阿術にも褒美がないか、于得水(うとくすい)に掛け合う。阿術は四方館の人間じゃない。正式な身分すらない。でも、誰よりも流民のために動いたんだ。于得水(うとくすい)は言う。元莫が阿術との主従関係を解消すれば、彼女に大雍の戸籍を与えられるだろう、と。
元莫は阿術に尋ねる。戸籍が手に入ったら、ここから出ていくのか?阿術は未来を夢見て、目を輝かせる。その自由への憧れを見て、元莫は決心した。
そんな中、小娥(しょうが)が亡くなった。阿術はずっとそばで彼女を看取っていた。自分の過去と重なったのか、深く悲しむ阿術の姿を見て、元莫の心は完全に決まった。彼は自分の執着を断ち切るように、阿術の戸籍を申請する書類を于得水に渡したんだ。
感想
今回は大きな事件が終わった後の、人間ドラマが濃い回だったな。元莫と阿術の距離が縮まっていく様子は見ていてニヤニヤしちまう。でも、ただのラブコメじゃない。阿術に自由を与えたい元莫の気持ちと、彼から離れたくないかもしれない阿術の気持ちが、これからどうなるのか。切ない展開も待ってそうだ。
王昆吾の壮絶な過去も明らかになった。彼の復讐心が物語の新しい軸になりそうだな。尉遅華がどう絡んでいくのかも見ものだ。彼女の親父さんが結婚の話を持ち出していたのも、伏線になるんだろう。
四方館の役人たちの悲喜こもごもも面白かった。特に季明礼(きめいれい)と沈百煉(しんひゃくれん)のコンビはいい味出してるよな。解雇を恐れて必死になる姿は笑えるけど、彼らなりに真剣なんだ。小娥の死は悲しかったけど、それが元莫の背中を押すきっかけになった。それぞれのキャラクターが次のステージに進むための、大事なエピソードだったと思うぜ。
つづく