香雲閣の帳簿に不審な点を見つけた元莫(げんばく)と阿術(あじゅつ)。二人は怪しい取引の証拠を掴むため、商人になりすまして潜入捜査を開始する。だが、店の主人は彼らを警戒し、郊外の地下室へと誘い込む罠を仕掛けていた。絶体絶命の危機に陥る二人。その頃、王昆吾(おうこんご) と尉遅華(うっちか)も二人の行方を追っていた。一方、死んだと思われていたある重要人物の生存が明らかになる。その人物の出現が、膠着していた五邦同盟の行方を大きく左右し、黒幕たちの計画を揺るがしていくことになる。

「四方館」あらすじネタバレ20話

怪しいヘチマと地下室の罠

まず、元莫(げんばく)と阿術(あじゅつ)のコンビが動く。二人は香雲閣の帳簿を調べてたんだ。そしたら、おかしな点を見つける。老段(ろうだん)ってやつが店を仕切るようになってから、白菜の仕入れ量がめちゃくちゃ増えてる。これはどう見ても、店の金を他に流用してる証拠だよな。

もっと怪しいのが、ヘチマたわしの量だ。皿洗い用にしちゃ、ありえない数を仕入れてる。元莫(げんばく)と阿術(あじゅつ)は、帳簿にあった住所に乗り込むことにした。焉楽から来た金持ちの商人のフリをしてね。老段(ろうだん)さんの紹介で、ヘチマを大量に買いに来ましたってな感じで店に入っていく。

店の主人は、もちろん二人を疑う。老段が知らないやつを紹介するはずがないって分かってるんだ。裏口から品物を見せますよなんて言って、二人を郊外の地下室に誘い込む。元莫もバカじゃない。怪しいと踏んで、道中にこっそり目印を残していくんだよ。

絶体絶命!からの大逆転

地下室に着くと、店の主人が本性を現した。手下たちに二人を囲ませて、お前ら、役人だな?って問い詰める。もう絶体絶命のピンチだ。

ここで阿術の頭が冴える。俺たちは焉楽館とズブズブの関係だ。香雲閣が潰されたのに、こうして買い付けに来てるのがその証拠だろ?ってハッタリをかます。元莫もそれに乗っかって、役人の目も厳しい今、俺たちと組んだ方が商売しやすいぜと畳みかける。店の主人はコロッと態度を変えて、笑顔で商品を見せてきた。単純なやつで助かったな。

商品は芙蓉草だった。阿術はそれが栽培されたものだと一目で見抜く。かなりの目利きだ。取引が成立しかけたその時、別の男が現れる。焉楽館から来た馬治文(ばちぶん)だと名乗るそいつに、二人の正体はあっさりバレてしまった。

死んだはずのアイツが生きていた!

結局、乱闘が始まる。元莫と阿術だけじゃ、相手の数に敵わない。もうダメかと思った瞬間、多弥(どみ)の護衛だったナリジが突然現れて、敵をバッタバッタと斬り倒していく。あっけにとられる二人の前に、物陰から現れたのは…なんと死んだはずの多弥(どみ)だった!

元莫はお前が死んだなんて信じてなかったと言う。ずっと探してたらしい。再会を喜び合うのも束の間、どこからか矢が飛んできて、ナリジが殺されてしまう。放ったのは、あの白衣客(はくいきゃく)だ。多弥も危ない!って時に、尉遅華(うっちか)が地下室に突入。続いて王昆吾(おうこんご) も現れて、白衣客(はくいきゃく)と一騎打ちになる。

二人の実力は互角。追い詰められた白衣客は、芙蓉草の粉末を撒き散らす。それを吸い込んだ王昆吾(おうこんご) は幻覚を見て、錯乱状態に。元莫たちが必死で王昆吾を正気に戻したけど、その隙に白衣客は逃げてしまった。

幽霊作戦で黒幕を暴け

多弥は、自分に何が起きたのかを語り始める。老段に川へ突き落とされたこと。お前が死ねば芙蓉草が手に入ると老段が言っていたこと。川の中で揉み合いになり、気を失ったこと。目が覚めたら老段は死んでいて、誰かに助けられたらしい。

話を聞いた王昆吾は、多弥の生存を知らせて同盟を急ぐべきだと主張する。でも元莫は反対だ。無理やり結んだ同盟に意味はない。白衣客の背後にいる焉楽を叩くのが先だと。

そこで元莫が考えたのが、とんでもない作戦だった。多弥の死を悲しむフリをしていた敖大人(ごうたいじん)の前に、死んだはずの多弥を登場させる。敖大人(ごうたいじん)は漠北館で多弥の霊堂まで作って、いい人ぶってたからな。棺桶から多弥が幽霊みたいに起き上がって、なぜ俺を殺そうとしたと問い詰める。敖大人は腰を抜かさんばかりに驚いて、康雲海(こううんかい)の指示だったと全部ゲロった。ご丁寧に、供述書に血判まで押させてる。見事なもんだよ。

この供述書のおかげで、康雲海(こううんかい)も言い逃れできなくなった。ついに大雍と五邦の同盟が、正式に結ばれる。

物語の最後、多弥は元莫と阿術に別れを告げる。国に帰れることになったんだ。去り際に、意味深な言葉を残していく。行方不明の焉楽の公主と、いつか婚約を果たすと。これもまた、新しい波乱の予感がするな。

今回の感想

いやー、多弥が生きてて本当によかった!死んだと思った時はマジで落ち込んだけど、こんな痛快な復活劇を見せてくれるとはな。敖大人をビビらせて自白させるシーンは、最高にスカッとしたよ。元莫の作戦勝ちだな。アクションもすごかった。特に王昆吾と白衣客の一騎打ちは見ごたえがあった。白衣客が使う芙蓉草の幻覚作用が厄介すぎる。あいつの正体も気になるし、背後にいる焉楽の目的もまだまだ謎だらけだ。同盟は結ばれたけど、これで一件落着とはいかないだろうな。多弥が最後に言ってた焉楽の公主との婚約ってのも、絶対何かあるだろ。物語がどんどん複雑に、面白くなってきた。

つづく