今回は『四方館』の第25話だ。コメディとシリアスがいい感じに混ざってきて、目が離せない展開になってきたぞ。
あらすじとネタバレ
元莫(げんばく)のイタズラと康雲海(こううんかい)の反撃
まず笑ったのが、元莫(げんばく)の康雲海(こううんかい)への嫌がらせだ。焉楽館の前に、自称プリンセスの女性たちを大量に集めて大騒ぎさせるんだ。康雲海をからかうためだけの、壮大なイタズラ。さすが元莫、やることが違うね。
でも、康雲海も黙っちゃいない。偽物だとバレたら一族まとめて罰するぞ、と脅しをかける。すると女性たちは蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。結局、元莫は康雲海に公の場で頭を下げる羽目になる。この二人の子供みたいなケンカは、見ていて飽きないよな。
動き出す裏の計画
その頃、四方館の上層部では別の動きがあった。于得水(うとくすい)たちは、阿史蘭(あしらん)の扱いについて話し合っている。安修義(あんしゅうぎ)の提案で、彼女を手厚くもてなすことにした。プリンセスだと認めもしないけど、否定もしない。何か問題が起きたら、彼女に全部押し付けようっていう、なかなかいやらしい作戦だ。
一方、康雲海は謎の白衣客(はくいきゃく)に問い詰められていた。計画が台無しになったじゃないか、と。追い詰められた康雲海は、馬治文(ばちぶん)の名前を出す。馬治文(ばちぶん)は必死に弁解するけど、白衣客(はくいきゃく)は聞く耳を持たない。あっさりと馬治文を始末してしまう。この冷酷さ、ただ者じゃないのがわかるよな。
王昆吾(おうこんご) の恋、ライバル登場で大ピンチ
さて、シリアスな話だけじゃない。王昆吾(おうこんご) の恋にも大きな動きがあった。阿術(あじゅつ)が元莫の家に戻ってきたお祝いで、王昆吾は鳩のスープを作る。そのスープを、意識が戻った尉遅華(うっちか)に届けに行くんだ。
尉遅府の前で、同じくお見舞いに来た安修義(あんしゅうぎ)と鉢合わせ。どっちの料理が上かで言い争う二人、相変わらずだね。でも、部屋の中にはすでに来客がいた。霍子安(かくしあん)という、尉遅華(うっちか)の元同級生だ。彼は軍事物資を扱う裕福な家の息子で、見た目も爽やかな好青年。王昆吾と安修義が持ってきた庶民的なスープとは格が違う、高級な薬膳スープを尉遅華に飲ませていた。
尉遅華は王昆吾の鳩スープを飲みたがり、料理の腕を褒める。そして、意識が朦朧としていた時に王昆吾が本気で好きだと言ってくれたことについて尋ねるんだ。ここで素直になればいいのに、王昆吾はダメなんだよな。霍子安(かくしあん)の家柄や地位を目の当たりにして、気後れしてしまった。彼は四方館が忙しくて、ずっと外に出ていない。夢でも見たんじゃないかと嘘をついてしまう。切ないよ、王昆吾。
阿術(あじゅつ)、騙される
今回の話で一番ハラハラするのが、阿術と阿史蘭(あしらん)のパートだ。阿術は、豪華な屋敷で暮らす阿史蘭を訪ねる。阿史蘭が自分の身代わりになって苦しんでいると思い込み、叔父に頼んで任務を解いてもらおうとするんだ。阿史蘭は叔父さんに危険が及ぶから絶対にダメと、涙ながらにそれを止める。
このやり取りを見て、元莫は阿史蘭の動機が怪しいと直感する。でも、純粋な阿術は元莫の忠告を聞き入れない。
その夜、阿史蘭の部屋にあの白衣客が現れる。阿史蘭は彼にひざまずき、阿術の信頼を完全に得ました。計画通りに進めますと報告するんだ。やっぱり、彼女は敵だったわけだ。
元莫の疑いは確信に変わる。彼は王昆吾と一緒に阿史蘭を訪ね、カマをかける。叔父さんは郊外に住んでるんだって?阿術に会わせてあげたらどうだ?と。阿術は以前、叔父は繁華街に住んでいると話していた。阿史蘭が何の反応も示さなかったことで、元莫は彼女が嘘をついていると見抜いた。
元莫は急いで家に戻る。すると阿術の姿がなく、康雲海からもらった棋譜が消えていた。ここで全てのピースが繋がる。阿術の言う叔父とは、康雲海のことだったんだ。
阿術は一人で康雲海に会いに行っていた。阿史蘭を解放してほしいと頼むが、康雲海は阿史蘭なんて知らないと答える。そこでようやく、自分が騙されていたことに気づくんだ。その瞬間、白衣客の一味が二人を包囲する。阿術は、康雲海を逃がすために自ら敵の前に立ちはだかった。
感想
いやあ、今回は濃かったな。元莫のコミカルなパートで笑わせておいて、後半で一気に突き落としてくる。この緩急がたまらない。
一番グッときたのは、やっぱり王昆吾のシーンだ。好きな子の前で、つい見栄を張ったり、逆に卑屈になったりする気持ちはよくわかる。霍子安っていう完璧なライバルが出てきて、身分の差を突きつけられた彼の心情を思うと、胸が痛むよ。意識が朦朧としていた尉遅華が、彼の本心を聞いていたっていうのが、また皮肉で切ない。
阿術は本当に人が良すぎる。彼女の純粋さが、今回は完全に裏目に出てしまった。信じていた阿史蘭に裏切られ、叔父だと思っていた康雲海にも梯子を外される。ラストで一人、敵に囲まれてしまうシーンは本当にハラハラした。元莫がどうやって彼女を助け出すのか、そこが次の見どころになるだろうな。
つづく