長年追い続けてきた白衣の客の正体が、ついに明らかになる。王昆吾(おうこんご) と尉遅華(うっちか)が真相に迫る一方、阿術(あじゅつ)は故郷と仲間たちのために、たった一人で危険な取引に挑む。彼女を救うため、元莫(げんばく)もまた命がけで奔走する。それぞれの覚悟と決意がぶつかり合い、物語は大きく動き出す。阿術が下した未来への決断とは何か。そして、二人の関係はどうなってしまうのか。緊迫した展開が続く回だ。
「四方館」あらすじネタバレ32話
今回の『四方館』はマジで目が離せない展開だったぜ。ついにあの白衣の客の正体がわかるし、阿術(あじゅつ)もとんでもない行動に出る。早速、詳しく話していくから、ついてきてくれよな。
白衣の客、ついに正体が割れる
まず動いたのは王昆吾(おうこんご) と尉遅華(うっちか)のコンビだ。阿福(あふく)の家を調べていた王昆吾(おうこんご) の手が、緑色に染まっていることに気づく。ここでピンと来たんだよな。少し前に青児(せいじ)の母親が服を染めていた、あの色と同じだって。
二人は急いで青児(せいじ)の家に戻る。案の定、家の中は異常事態だった。老婆は毒で意識を失っていて、戸棚の中からは殺された阿福(あふく)が見つかった。これで確定だ。青児こそが、ずっと追っていた白衣の客だったってわけだ。
すぐに後を追おうとした二人だけど、そう簡単にはいかない。家の外は無面の連中に完全に包囲されてた。矢の雨が降ってきて、もうダメかと思ったその時だよ。安修義(あんしゅうぎ)が兵隊を連れて現れて、無面の連中を制圧してくれたんだ。
安修義(あんしゅうぎ)も、独自に真相にたどり着いていた。季明礼(きめいれい)が署名した通行証の筆跡と、青児の筆跡がそっくりなことに気づいたらしい。花灯節で青児が地図を売っていたって話も聞いて、季明礼(きめいれい)への疑いが晴れたんだと。遅いよって言いたいけど、まあ、気づいただけマシか。
その後、安修義は尉遅華(うっちか)に話しかける。林素素(りんそそ)が自分のために死んだことで、本当の気持ちがわかった、と。これからは王昆吾と尉遅華の幸せを願う、もう二人の邪魔はしないってさ。やっと吹っ切れたみたいだな。
阿術(あじゅつ)、命がけの取引
その頃、阿術はとんでもない賭けに出ていた。元莫(げんばく)と食事をした後、まるで別れを告げるみたいに、生活の細かいことを元莫(げんばく)に言い聞かせるんだ。その後、化粧品店に寄ると言って一人で姿を消しちまう。
もちろん、これは罠だ。阿術はわざと一人になって、白衣の客の仲間に捕まったんだよ。そして白衣の客、つまり青児の前に連れて行かれる。そこで阿術は取引を持ちかける。龍突麒(りゅうとつき)を倒す手伝いをしてくれたら、連名の血書を渡すってな。
青児は当然、阿術を疑う。だけど阿術は冷静に説明する。康雲海(こううんかい)の復讐も大事だけど、今は焉楽を牛耳る龍突麒(りゅうとつき)を倒すのが最優先。その力を持っているのは白衣の客、君だけだって。
この交渉中に、阿術は隠し持っていた毒粉を使うんだけど、残念ながら百毒不侵の青児には効かない。万事休すかと思われたその時、元莫が松明と血書を手に現れた!
元莫は猟犬を使って阿術の匂いを追い、ここまでたどり着いたんだ。彼は血書と阿術の交換を要求する。青児が同意して阿術を解放した瞬間、屋根の上から大量の火薬が降り注ぐ。元莫が投げた松明で、部屋は一瞬で火の海になった。元莫は阿術を抱えて、無事に脱出したんだ。
火が消えた後、現場には女の死体が一つあっただけ。またしても青児は逃げ延びた。しぶといにも程があるよな。血書は燃えちまったけど、阿術は全部覚えているって言うから、まあ問題ないか。
元莫の怒りと阿術の覚悟
公主府に戻った二人。元莫は怒りを爆発させる。なぜ一人で危険な真似をしたんだって。阿術は静かに答える。自分のせいで多くの人が死んだ。黄砂村に隠れなければ、村人や阿史蘭(あしらん)、康雲海(こううんかい)は今も生きていたかもしれない。だから、もう逃げずに戦うしかないんだ、と。この時、元莫は気づく。阿術が故郷の焉楽に帰る覚悟を、とっくに決めていたことに。
数日後、焉楽から知らせが届く。龍突麒が操っていた君主が急死し、龍突麒は阿術の帰国を要請してきた。鴻臚寺で意見を求められた元莫は、私情では引き留めたいが、民を救うために帰るのが彼女の責任だ、と答える。そこに阿術本人も現れ、帰国の決意を固く告げた。もう誰も彼女を止められない。
冬が近づき、都には戦乱を逃れた流民が増えていた。龍突麒の悪政のせいで、民は故郷を捨てて大雍に流れてきている。阿術が用意した支援物資も、あっという間になくなってしまう。その光景が、彼女の決意をさらに固くさせたんだろうな。
今回の感想
いやー、今回はマジで濃かったな。ついに白衣の客の正体が青児だって判明したけど、それ以上に阿術の覚悟にしびれたよ。元莫に何も言わずに一人で敵地に乗り込むとか、無茶苦茶すぎるだろ。でも、それだけのものを背負ってるってことなんだよな。彼女の過去を思うと、もう逃げたくないっていう気持ちも痛いほどわかる。
元莫が必死で助けに来るシーンは、やっぱり最高だった。火薬と松明を使った脱出劇は派手で良かったし、何より阿術を思う元莫の気持ちが伝わってきた。でも、その後の口論で阿術の本当の覚悟を知っちゃうんだから、切ないよな。
安修義もやっと自分の気持ちに整理をつけたみたいで、少しだけ見直したぜ。まあ、林素素(りんそそ)の犠牲があったからだけど。とにかく、これで王昆吾と尉遅華の関係も落ち着きそうで何よりだ。物語が最終章に向けて一気に動き出した感じがする回だった。
つづく