あらすじ

まず、何があったかざっくり話すな。前回、嵇煬(けいよう)がヤバい状況だったろ? あれを師匠の孟之光(もうしこう)がなんとかしてくれた。狐妖の仕業ってことに仕立てて、嵇煬(けいよう)を無事に逃がしたんだ。さすがだよな。

でも、嵇煬は南顔(なんえん)に大怪我させたのが相当こたえてる。自分のせいで彼女を危険に晒したって、責任を感じてるんだ。だから、彼女の元を去ることにした。南顔(なんえん)のことは孟之光(もうしこう)に託して、黙って姿を消したんだよ。

ネタバレ

ここからが本番だ。心してくれよ。

嵇煬の決断と南顔の決意

南顔が目を覚ますと、そこにもう嵇煬はいない。首には、前にあげたはずの銀蛟珠が戻ってる。机の上には、彼からの別れの手紙。そりゃ落ち込むよな。いきなりいなくなられたら、誰だって混乱する。

でも、南顔はただの女の子じゃない。すぐに顔を上げるんだ。あいつにまた会う方法があるって。穢谷(かいこく)っていうヤバい場所に行って、霰血金枝(さんけつきんし)を手に入れる。そうすれば、また会えるって信じてる。この切り替えの早さが、彼女の強さだよな。

話を聞いた穆戦霆(ぼくせんてい) は俺も行く!って即答。いいやつだよ、ほんと。ついでに、明日は中秋節だから今日は祝おうぜって提案までしてくれる。

一方、嵇煬は狐族の殷琊(いんや) を連れてた。殺さずにそばに置いて、何か考えがあるみたいだ。その殷琊(いんや) がまた口が悪い。中秋節なのに好きな子と離れ離れでかわいそーみたいにからかうもんだから、嵇煬に法術で鶏ももを粉々にされてた。まあ、自業自得だな。

その夜、南顔は嵇煬を想う。どうして何も言ってくれなかったのって。その心の声が、なぜか遠くにいる嵇煬に届くんだ。あいつも複雑な顔してたよ。

母の死、そして再会

南顔は穆戦霆(ぼくせんてい) と一緒に、お母さんの南娆(なんじょう)に会いに行く。でも、家にいたのは孟之光だけだった。南顔は気づくんだ。孟之光が持っていた墓参りの道具に。

問い詰められた孟之光は、ついに本当のことを話す。南娆(なんじょう)はもう亡くなっていたんだ。

母親の墓の前で泣き崩れる南顔。過去の思い出が次々と蘇ってきて、見てるこっちも胸が張り裂けそうだった。

そこに、嵇煬が現れる。木に寄りかかって眠ってしまった南顔を見つけて、そっと髪についた花びらを取ってやるんだ。その気配で目を覚ました南顔を、彼は強く抱きしめた。南顔は嵇煬の胸の中で、堰を切ったように泣き続ける。このシーンは、言葉はいらないよな。ただ、いてくれるだけで救われる。そういう瞬間だった。

穢谷へ、それぞれの思惑

少し落ち着いた南顔は、覚悟を決める。自分の命の次に大事な銀蛟珠を外して、嵇煬に渡すんだ。穢谷は危険だから、これがあれば身を隠せるって。

あんたは私に借りがある。だから、生きて帰ってきてその恩を返しなさい。

これはもう、ただの贈り物じゃない。絶対に生きて戻ってこいっていう、南顔の魂の叫びだ。嵇煬も、ただ黙ってうなずくしかなかった。

その頃、悪役サイドも動き出してる。天邪道の宗主・厲遅(れいち)は、陰祝の気配が残る蝶綰(ちょうわん)を魔丸っていうヤバいものに練り上げた。自分も穢谷に潜入するためだ。部下を正道の人間に化けさせて、一緒に乗り込む気満々。目的は、七浮造業書を破壊すること。

物語の終わり、南顔は母親の二の舞は演じないと誓う。嵇煬の心臓病を治すため、何があっても霰血金枝を手に入れると。その強い決意に、孟之光も折れるしかなかった。ただ、穢谷の奥には絶対に行くなと釘を刺してな。

感想

いやー、今回はマジで感情のジェットコースターだった。嵇煬との切ない別れから始まって、すぐに南顔が前を向く強さを見せてくれる。穆戦霆の人の良さにもホッとしたよ。でも、やっぱり一番は南娆の死だよな。薄々ヤバいとは思ってたけど、こうもあっさり真実を突きつけられるとキツい。南顔が墓前で泣き崩れるシーンは、本当に胸が痛んだ。

そこに現れる嵇煬!タイミングが良すぎるとか、そういうツッコミは野暮だ。あれは、あそこで彼が現れるから意味があるんだ。抱きしめて慰めるシーンは、セリフがほとんどないのに、二人の気持ちが痛いほど伝わってきた。そして、南顔が銀蛟珠を渡す場面。あれはもうプロポーズみたいなもんだろ。生きて帰ってこいっていう最強の告白だよ。この回で、二人の絆は決定的に深まったと思う。悪役も本格的に動き出したし、物語が大きく動く予感がビンビンする。とにかく、南顔の心の強さに泣かされた回だった。

つづく