愛する者を失った南顔(なんえん)は、すべての感情を背負い、魔を滅ぼす修羅の道を選ぶ。それから3年。南顔は血手修羅としてその名を轟かせ、仲間たちもそれぞれの場所で厳しい修行を積んでいた。修行を終えた殷琊(いんや) は、変わり果てた南顔と再会し、彼女の変貌に衝撃を受ける。一方、血凰釵という神器を巡り、謎の黒袍の男が暗躍を始める。その混乱の中、死んだはずの重要人物が、すべての記憶を失って現れる。彼の登場が、止まっていた運命の歯車を再び大きく動かし始める。

「四海重明~恋が光となる、その時まで~」あらすじネタバレ16話

今回の『四海重明』、とんでもないことになったぞ。まず、話は一気に3年後に飛ぶんだ。このタイムスキップが、物語をめちゃくちゃ面白くしてくれた。

第16話:3年後の世界とそれぞれの道

物語は、南顔(なんえん)が心魔と向き合うところから始まる。七情をすべて忘れれば、最強の力を手に入れられる。心魔はそうささやく。でも南顔(なんえん)は、それを拒否した。嵇煬(けいよう)を忘れたくない。その想いが彼女の答えだった。善悪を知り、世の苦しみを見るためには情が必要だ。彼女はそう言って、すべての感情を背負って戦う、一番いばらの道を選んだんだ。

それぞれの3年間

その頃、他の連中も必死だった。

穆戦霆(ぼくせんてい) が死んだと聞いて荒れに荒れた。毎日酒を飲んで、復讐すると息巻いてた。でも、親父の穆広寒(ぼくこうかん)に一発でやられちまう。お前には義理人情はあっても力がないってね。悔しいけど、事実だ。そこから3年。彼は大日火精を習得するほど強くなった。親父はそれを喜んだけど、まだ復讐は許さなかった。

殷琊(いんや) も修行漬けの毎日だ。紫金鉢っていう空間に閉じ込められて、謎の少年・真方とひたすら訓練。3年後、やっと霊丹を手に入れたと思ったら、ただの丸薬だった。あの少年も、修行を手伝ってくれた大師の分身だったらしい。まんまと一杯食わされたわけだ。

血手修羅、南顔(なんえん)

3年の時を経て、南顔は完全に生まれ変わった。七浮造業書をマスターし、世間では血手修羅として知られるようになっていた。魔を見つければ、即座に斬り捨てる。その強さは本物だ。

修行を終えた殷琊(いんや) は、南顔からの手紙で彼女が北境の平風山にいることを知る。天邪道が子供をさらっている事件を追っているらしい。急いで駆けつけた殷琊(いんや) が見たのは、魔修をためらいなく消し去る南顔の姿だった。あまりの変わりように、殷琊は言葉を失う。こいつらは悪事を働いた。死んで当然だ南顔は冷たくそう言うだけ。嵇煬(けいよう)のことも、もう口にしたがらなかった。彼女の中で、何かが完全に終わってしまったみたいだ。

衝撃の復活と新たな混乱

ここからが本番だ。死んだはずの嵇煬が、生きていた。

記憶喪失の獄主、嵇煬

黄泉獄の底で、嵇煬は3年間眠り続けていた。南顔が残した重明鳥の血と、彼の特殊な体質が奇跡を起こしたんだ。でも、目覚めた彼はすべての記憶を失っていた。性格もまるで別人。半人半魔の存在になっていた。

森羅(しんら)っていうヤツが彼をそそのかそうとするけど、嵇煬はそれを見抜いて利用する。体内に森羅(しんら)を封じ込め、黄泉獄のすべての力を吸い上げて、新たな獄主として君臨した。そして、退屈しのぎに外の世界へ出る。酒場で殺戮を繰り広げ、寂明(じゃくみょう)殿に乗り込む。やりたい放題だ。仰月宗の近くを通りかかった時、なぜか懐かしい感覚を覚える。でも、それが何なのかは思い出せない。

交錯する運命

その頃、孟之光(もうしこう)を偲んでいた。そこへ、厲遅(れいち)兄妹と、仮面をつけた黒袍の男が現れる。男は血凰釵を渡せと要求する。

同じ頃、符浪(ふろう)は、孟之光に頼まれて血凰釵を運んでいた。しかし、厲遅兄妹に襲われ、絶体絶命のピンチに。そこに現れたのが、南顔だ。彼女はあっという間に二人を救い出す。

一方、仰月宗では別の戦いが始まっていた。宗に侵入した嵇煬が魔修をなぎ倒していると、黒袍の男が孟之光を襲う場面に出くわす。嵇煬は、なぜか分からないまま、孟之光をかばって黒袍の男を撃退した。 記憶がなくても、体が覚えていたのかもしれない。

このエピソードの感想

いや、もう何て言えばいいんだ。3年というタイムスキップはズルいよ。面白すぎる。キャラクターたちが一気に成長して、物語が加速した感じだ。特に南顔と嵇煬の変貌ぶりには驚いた。南顔は、悲しみを乗り越えて、冷徹な血手修羅になった。感情を捨てたわけじゃないけど、それを力の源に変えたんだ。彼女の強さには、どこか痛々しさも感じる。

そして、嵇煬の復活だ。記憶喪失で、ダークヒーローみたいになって帰ってきた。善悪の区別もつかないはずなのに、無意識に孟之光を助けるあたり、彼の根っこにある優しさが垣間見えた気がする。これから記憶のない彼が、変わり果てた南顔と再会したらどうなるのか。想像するだけでワクワクする。敵対するのか、それとも何か新しい関係が生まれるのか。とにかく、この二人の道がどう交わるのか、目が離せない。

つづく