あらすじとネタバレ

嵇煬(けいよう)の不器用なプレゼント

鯨舟が目的地に着いて、みんな大喜び。でも、俺たちの嵇煬(けいよう)だけはキョトンとしてる。なんでそんなに嬉しいんだ?って顔だ。そりゃ、記憶がないんだから無理もないか。

南顔(なんえん)が優しく教えるんだ。離れた人が帰ってきたり、誰かと再会したり。誰かが待っててくれるって、すごく幸せなことじゃない?って。いいこと言うよな。

でも嵇煬はまだピンとこないみたいで、南顔(なんえん)を市場に連れ出す。そこで見つけたのが、血蜈蚣。そう、あの血のムカデだ。南顔はそれを見て、昔のつらい記憶がフラッシュバックしちまう。

それを見た嵇煬は、南顔が欲しがってると勘違いしたのか、そのムカデを買ってプレゼントする。さらに、合歓の腕輪まで買って南顔につけてやるんだ。そして言う。昔の "嵇煬" が何を考えてたか知らない。でも、これからは俺が、あいつができなかったことを全部埋めてやるって。

これには南顔も涙腺崩壊。嵇煬に思いっきり抱きつくんだ。不器用だけど、今の嵇煬なりの最高の愛情表現だよな。泣けるぜ。

宿での大乱闘、計画は台無し?

さて、感動的なシーンの後は、一気にきな臭くなる。血凰釵の偽物を使って、犯人をおびき出す作戦の開始だ。嵇煬がおとり役で、南顔、殷琊(いんや) がサポート。これで一網打尽だ!

…って、そううまくいくわけないよな。よりによって、同じ宿に道生天の連中が現れるんだ。タイミング悪すぎだろ。

南顔は心配になって、一人で様子を見に行く。でも、過保護な殷琊(いんや) がこっそり後を追う。案の定、南顔が道生天の朱随(しゅずい)たちに正体を明かしたところで、宿の主人がいきなり殷琊に化けてたことが発覚。わけがわからないまま大乱闘が始まっちまう。

そこに嵇煬が割って入って止めるんだけど、朱随(しゅずい)は死んだはずの嵇煬を見て大混乱。お前ら、グルで俺を騙してたのか!って、完全に誤解してる。ああ、もうめちゃくちゃだ。

それぞれの道へ

嵇煬は記憶がないから、朱随たちのことなんて全然覚えてない。魔に堕ちた嵇煬の姿を見て、道生天の墨行徵(ぼくこうちょう)は心底がっかりした顔をしてる。

とりあえず宿に戻ると、案の定、偽の血凰釵が盗まれてた。作戦はバレバレだったってことだ。まあ、本物はまだこっちの手にある。敵がまた来るのを待つしかない。

その後、嵇煬はこっそり墨行徵(ぼくこうちょう)に会って、自分の記憶喪失について話を聞き出す。少しずつ過去が明らかになっていくわけだ。

そして、ここから4人は別行動を取ることになる。殷琊は一族を救うために封妖大陣へ。穆戦霆(ぼくせんてい) もそれに付き合う。嵇煬と南顔は、孟之光(もうしこう)を殺した犯人を探しに幽冥獄へ向かう。それぞれの戦いが始まるんだな。

幽冥獄での出会いと新たな潜入先

嵇煬は、南顔を危険な目に遭わせたくない一心で、先に幽冥獄を手に入れてしまおうと考える。敵の力を削ぐためだ。

第二の獄は意外とあっさり手に入った。その時、助けを求める声が聞こえる。見ると、木に女の子が吊るされてるじゃないか。もちろん、すぐに助ける二人。

近くにあった法陣を壊そうとするけど、これが強力な封印でびくともしない。そこに、いかにも強そうな連中を引き連れた男が登場。赤狄寨の寨主、禍無極(かむきょく)だ。てめえら、うちの陣に何してんだ!って、完全に悪者扱いされる。

万事休すかと思ったその時、助けた女の子、茴香(ういきょう)が目を覚まして事情を説明してくれた。間一髪セーフだ。

ここからが南顔と嵇煬のすごいところ。すかさず駆け落ちしてきた恋人なんです。どうか匿ってください!って大芝居を打つ。禍無極(かむきょく)は嵇煬に霊力がないことを確認すると、茴香(ういきょう)の口添えもあって、二人を寨に泊めてくれることになった。

寨では、茴香の弟をいじめっ子から助けたりして、少しずつ信用を勝ち取っていく。一方で嵇煬は、禍無極からこの土地に生えるヤバい植物血刺萝と、それを封じる陣の秘密を聞き出すことに成功。潜入作戦、大成功ってとこだな。

感想

いやあ、今回はマジで情報量が多かったな。前半の嵇煬のプレゼントのシーンはグッときたよ。昔の自分じゃなくて、今の自分で南顔を幸せにしたいっていう気持ちがストレートに伝わってきた。不器用だけど、そこがいいんだよな。

宿屋でのドタバタは、もう笑うしかなかった。計画が台無しになるわ、道生天との再会で話はこじれるわで、てんやわんや。嵇煬に記憶がないことが、物語をどんどん面白く、そして複雑にしてる。

後半は舞台を赤狄寨に移して、新しい展開が始まった。駆け落ちのフリには思わずツッコんだけど、見事に潜入成功。幽冥獄、血刺萝、新しい謎が次々に出てきて、こりゃもう目が離せない。4人が別行動になったのも大きなポイントだ。それぞれの場所でどんなドラマが待ってるのか、楽しみで仕方ないぜ。

つづく