悪夢から覚めた南顔(なんえん)は、応則唯(おうそくい)から衝撃の事実を告げられる。それは、彼女の出生に関する重大な秘密だった。一方、師匠である応則唯に裏切られた嵇煬(けいよう)は、全ての宗門から追われる魔頭となってしまう。応則唯は、南顔を次期帝君として擁立し、嵇煬を討伐するための駒にしようと画策する。信じるべき相手を見失い、運命に翻弄される南顔と、孤独な戦いを強いられる嵇煬。二人の悲劇的な対立が、静かに幕を開ける。
「四海重明~恋が光となる、その時まで~」あらすじネタバレ33話
いやー、今回の33話はマジで濃かった。でも、一番デカいのはやっぱり、南顔(なんえん)の出生の秘密だよね。まさか、あの応則唯(おうそくい)が父親だったとは。
まさかの親子関係が発覚
衝撃の告白
南顔(なんえん)は悪夢から目を覚ます。気づくと、そこは道生天だった。なんでここに?って混乱する南顔に、応則唯(おうそくい)が連れてきたと教えられる。
その後、南顔は応則唯と直接会うことになる。母親の遺品にあった絵のことを思い出しながら、母親と応則唯の関係を尋ねるんだ。そしたら、応則唯の口からとんでもない言葉が飛び出す。私がお前の実の父親だって。
南顔、そりゃ固まるよな。今までそんなこと、これっぽっちも知らなかったんだから。
巧妙に仕組まれた嘘
応則唯の話は続く。昔、南顔の母・南娆(なんじょう)と婚約までしていたらしい。でも、色々な問題が起きて結婚できなかった、と。
それだけじゃない。応則唯は、南娆(なんじょう)の力の源である涅槃妖心を奪ったのは、復活した森羅(しんら)、つまり嵇煬(けいよう)だと嘘をつくんだ。自分はそれを目の前で見ていたのに、助けられなかったと悲しそうな顔までして見せる。
この一連の話で、南顔はすっかり応則唯を信じ込んでしまう。父親だと名乗る男が、母親の仇は嵇煬(けいよう)だと告げる。こんなの、信じるしかないじゃないか。
全ては応則唯の筋書き通り
師弟の決裂
そもそも、嵇煬はとっくに師匠である応則唯に裏切られていた。応則唯は自分の野心のために同門の者たちを手にかけたのに、その罪を嵇煬になすりつけていたんだ。嵇煬は、師匠が魔に堕ちたと勘違いして、その罪を全部かぶるつもりだった。なんてお人好しなんだ。
でも、ついに嵇煬も真実を知る。自分の両親を殺したのも応則唯だった。師匠と弟子の関係は完全に終わり、二人は命を懸けて戦う敵同士になった。
新たな帝君の誕生と、悲劇の始まり
応則唯は、南顔を連れて穆広寒(ぼくこうかん)たちの弔問に行く。そこで彼は、南顔が自分の娘であり、山海印記を持つ次期帝君だと皆の前で宣言する。
父親を殺されて怒りに燃える穆戦霆(ぼくせんてい) も、その事実を受け入れる。そして、皆の怒りの矛先は、魔になったとされる嵇煬へと向かう。
皆に森羅(しんら)を討てと迫られて、南顔は伐魔令を受け入れるしかなくなる。実の父親(と思い込んでいる男)に言われ、恋人を討伐する役目を背負わされる。こんなに皮肉なことってあるかよ。
孤独な嵇煬、揺れる南顔
故郷への帰還
一方、嵇煬は全ての宗門から追われる魔頭になってしまった。彼は殷琊(いんや) と一緒に、荒れ果てた故郷の仰月宗に戻る。そこで、嵇煬の記憶が完全に戻ったことがわかる。彼は、誰もいない南顔の住まいだった場所に花を植えるんだ。彼女を思う気持ちは、何も変わっていない。
信じたい心
道生天にいる南顔も、心が揺れていた。墨行徵(ぼくこうちょう)は彼女に、嵇煬が魔に堕ちて人を殺すなんて信じられない、と話す。彼とちゃんと話すべきだと。
南顔だって、嵇煬を信じたい。でも、信じるための理由が見つからない。そんな彼女を、墨行徵(ぼくこうちょう)はかつての帝君・少苍(しょうそう)の住処へ連れて行く。その部屋の様子を見た南顔は、涙が止まらなくなるんだ。
感想
今回は、応則唯の悪役っぷりが本当に際立っていたね。自分の野望のために、実の娘まで利用するなんて、まさに外道。南顔に自分が父親だと告げて、母親の仇が嵇煬だと信じ込ませる手口が巧妙すぎて、腹が立つやら感心するやら。南顔が完全に彼の掌の上で転がされているのが、見ていて本当につらい。
嵇煬も不憫すぎる。師匠に裏切られ、両親の仇だと知り、恋人からは敵だと信じ込まれ、世間からは魔頭として追われる。四面楚歌って、まさにこのことだろ。それでも南顔を想って花を植えるシーンは、切なすぎて胸が痛くなったよ。
完全にすれ違ってしまった二人。南顔は父親の嘘を信じて、嵇煬を討伐する命令を受けてしまった。お互いを想っているのに、運命が二人を敵同士にしようとしている。この状況、どうやったらひっくり返せるんだよ。
つづく