あらすじとネタバレ
囚われの垂垂と来羅織(らしき)の歪んだ愛
来羅織(らしき)のやつ、ついに本性を現したね。陸垂垂(りくすいすい)を自分の屋敷に軟禁しちまった。江郎行(こうろうこう)を好きになったみたいに、俺のことも好きになってくれだってさ。そんなこと言われても、垂垂が好きになるわけない。彼女は逃げようとした。でも、失敗に終わる。来羅織(らしき)は垂垂に言うんだ。もう無理強いはしないって。君が本気で俺を愛する日まで待つとか言ってる。待つって言われても、監禁してる時点でアウトだろ。
金藏、命がけのメッセージ
顔幸(がんこう) のお母さんは無事に釈放された。これは張丞相(ちょうじょうしょう)が裏で動いてくれたおかげ。でも、顔幸(がんこう) の叔父さんである金藏(きんぞう)はそうもいかなかった。来羅織に捕まって、街中を引き回されることになる。屈辱だよな。金藏は一瞬の隙を突いた。来羅織に話があるフリをして、馬から引きずり下ろす。相手の胸ぐらを掴んだその時、金藏は見たんだ。来羅織の胸にある火蛾(ひが)の模様を。すぐに護衛に突き飛ばされた金藏は、駆け寄ってきた顔幸(がんこう) にすべてを託す。来羅織の胸に火蛾があったと。一通の血書を顔幸に渡し、太皇太后に届けるよう言い残した。次の瞬間、金藏は護衛の刀を奪って自らの命を絶った。路上での、あまりにも壮絶な最期だった。
揺らぐ太皇太后の信頼
太皇太后は金藏の自害を聞いて、ひどく驚く。彼を殺すつもりなんて全くなかったからね。そこに沈渡(ちんと)は金藏の血書を差し出し、来羅織の陰謀を告発した。金藏は無実の罪を訴えようとしただけ。それを来羅織が辱めたせいで、自害に追い込まれたんだ、と。血書を読んだ太皇太后は激怒。来羅織を厳しく叱りつけた。沈渡(ちんと)はこの機を逃さない。金氏一族の身柄を自分に預けてほしいと進言する。太皇太后はそれを許可した。来羅織は焦る。太皇太后の信頼を完全に失ったってことだからな。
垂垂、決死の救出劇
江郎行(こうろうこう)の元に来府とだけ書かれた謎の紙が届く。彼はすぐに察した。垂垂が来羅織の屋敷に囚われていると。夜、来府に忍び込む江郎行。でも、これは罠だった。待ち伏せに遭ってしまう。絶体絶命のピンチに現れたのが、徐帥(じょすい)だ。彼は来府の護衛をものともせず、江郎行を逃がす。来羅織も徐帥には手を出せない。悔しそうに江郎行を見送るしかなかった。その隙に、垂垂は部屋から姿を消していた。なんと、来羅織の姉が徐帥に協力して彼女を逃したんだ。江郎行と再会した垂垂は、泣きながら彼をバカ!と罵る。江郎行はそんな彼女を強く抱きしめた。もう二度と傷つけないと、心に誓ってね。
暴かれる来羅織の野望
垂垂は顔幸たちの前で、すべてを打ち明けた。前に話した友達っていうのが、来羅織だったこと。解毒薬をもらったことで、彼が良い人になろうとしてるんだと信じてしまったこと。顔幸は垂垂の純粋さに言葉を失う。垂垂はさらに重要な情報を口にした。来羅織が持っていた冕服(べんぷく)のことだ。それは皇帝が即位式で着る特別な服。しかも、そこには饕餮(とうてつ)という伝説の凶獣が刺繍されていた。来羅織の野望は、もう隠しようがない。徐帥はすぐにその冕服を盗みに行こうとする。でも沈渡が彼を止めた。垂垂が逃げた今、来府の警備は最高レベルに厳しいはず。今、無茶はできないってわけだ。
権力を握る来羅織
太皇太后が体調を崩す。そのせいで、臣下への賞罰を決める権限が来羅織に委ねられた。もちろん大臣たちは反発する。でも来羅織は太皇太后の権威を盾に、全員を黙らせた。彼の権力は日に日に増していく。焦った公主は叔母である太皇太后に相談に行く。太皇太后は驚くほど落ち着いていた。陛下をしっかり支えなさい。焦ることはない。すべては始まったばかりよ彼女は静かにそう告げるだけだった。
第35話の感想
いやあ、今回はマジで息つく暇もなかったな。金藏の散り様にはグッときた。ただの楽士じゃなくて、信念を貫く漢だった。彼が命がけで残した火蛾のメッセージが、今後の鍵になるのは間違いない。来羅織のヤバさも一段階レベルアップした感じ。好きな子を監禁するとか、もう完全にアウト。彼の野望の象徴である饕餮の冕服も出てきて、いよいよラスボス感が増してきた。垂垂の救出劇はハラハラしたけど、江郎行との再会シーンは最高だった。泣きながらバカ!って言う垂垂、可愛すぎかよ。最後に全部持ってったのは、やっぱり太皇太后だよね。あの不気味なくらいの落ち着きっぷり。全部わかってて、手のひらの上で転がしてる感じがして、ちょっと怖い。物語が大きく動いた、見ごたえのある回だった。
つづく