あらすじ

穏やかな日常は、突如として引き裂かれる。顔幸(がんこう) が仲睦まじく過ごす裏で、来羅織(らしき)の嫉妬の炎が燃え盛っていた。彼は太皇太后に顔幸(がんこう)のスパイだと虚偽の告発をする。さらに、都で流行る童謡が太皇太后を揶揄するものだと指摘し、その曲を作ったのが顔幸(がんこう)であると追い打ちをかける。太皇太后は激怒し、関係者の捕縛を命令。来羅織(らしき)の策略により、顔幸の母までもが捕らえられてしまう。家族を救うため、顔幸はたった一人で巨大な陰謀に立ち向かうことを決意する。

ネタバレ

幸せな時間と不穏な影

顔幸と沈渡(ちんと)の家は、幸せな空気に満ちていた。二人は台所で一緒に餃子を包んでいる。笑い声が絶えない、本当に心温まる光景だ。

その頃、陸垂垂(りくすいすい)も雪の中でデートを楽しんでいた。江郎行(こうろうこう)が買ってきたお菓子を垂垂の口に運び、彼女は嬉しそうに頬張る。二人は子供みたいに雪だるまを作って、はしゃいでいた。

だが、その様子を物陰から見つめる男がいた。来羅織(らしき)だ。彼の顔には笑顔なんて一切ない。目は嫉妬で燃えている。二人が去った後、彼は垂垂が作った雪だるまをそっと持ち帰った。そして、江郎行(こうろうこう)が作った雪だるまを足で無慈悲に踏み潰した。自分の部屋で、垂垂の雪だるまがゆっくりと溶けていくのを、彼はじっと見つめる。俺のものは、誰にも指一本触れさせないその執念が、恐ろしい。

来羅織の策略

来羅織は、その足で太皇太后に会いにいく。そして、とんでもない嘘を吹き込んだ。顔幸は張丞相(ちょうじょうしょう)が送り込んだスパイですと。顔幸の叔父である金藏(きんぞう)が必死に甥をかばうが、太皇太后は聞く耳を持たない。

来羅織の攻撃はそれだけじゃ終わらない。彼は、都で流行っている童謡を持ち出す。その歌は太皇太后の政治を馬鹿にする内容だった。そして、その曲を作ったのが金藏(きんぞう)だと告発したんだ。金藏は賢王の宴で演奏しただけで、歌詞はつけていないと弁明する。しかし、時すでに遅し。

太皇太后は激怒。賢王を屋敷に閉じ込め、来羅織に事件の徹底調査を命じた。そして、金藏は御察司に捕らえられてしまう。

絶体絶命の顔幸

来羅織の魔の手は、ついに顔幸の家族にまで及んだ。御察司の役人が顔家に押し入り、顔幸の母親を連行してしまう。

知らせを聞いた顔幸は、家に飛んで帰る。だが、父親たちは保身に走り、助けようとしない。その姿に、顔幸は心の底から怒りを覚える。俺が母さんを助け出す!彼女は来羅織と正面から戦うことを決意した。

陸垂垂(りくすいすい)は、沈渡(ちんと)がすでに母を助けるために動いていることを顔幸に伝える。顔幸は張丞相(ちょうじょうしょう)にも助けを求めに行く。だが、張丞相は自分が出れば、賢王の立場がさらに悪くなると言い、動けないと告げた。大人の事情ってやつだ。

八方塞がりの中、顔幸を訪ねてきた陸垂垂(りくすいすい)が帰ろうとしたその時、最悪の事態が起きる。来羅織が現れ、彼女を無理やり連れ去ってしまった。

感想

いやー、今回は前半のほのぼのムードからの突き落とし方がえげつない。顔幸と沈渡の餃子作りとか、陸垂垂の雪だるまとか、平和なシーンが続いたからこそ、後半の怒涛の展開が心に突き刺さる。特に、来羅織の行動には本気でゾッとした。好きな子の雪だるまだけ持ち帰って、相手の男の雪だるまは踏み潰すって…。彼の執着心と嫉妬深さが、この行動一つで全部表現されてる。もはやホラーの領域だ。顔幸の家族まで巻き込んで、自分の思い通りにしようとするやり方は本当に汚い。でも、こういう悪役がいるからこそ、物語は一気に加速するんだよな。追い詰められた顔幸がどうやって反撃するのか、そして沈渡がどう動くのか。陸垂垂まで捕まっちゃって、もう目が離せない。

つづく