あらすじ

牡丹(何惟芳(か いほう)が、とんでもないものを見ちゃったんだ。夜中に牡丹を採りに行って、その帰りにね。あの蒋長揚(しょう ちょうよう)が、国子監の徐祖平(じょ そへい)っていう役人を斬り殺す瞬間を。ヤバすぎるでしょ。

そのショックと雨に降られたせいで、牡丹はガッツリ風邪をひいて3日間も寝込む羽目に。起きても悪夢にうなされる毎日。夢の中じゃ、蒋長揚がためらいもなく人を殺しまくるんだ。

なんとか体は回復したけど、心が晴れない。牡丹は、国子監に勤めてるいとこを訪ねるっていう口実で、殺された徐祭酒の弔問に行くんだ。そこで見たのは、なんと弔問に来て、これでもかってくらい悲しんでみせる蒋長揚の姿。あの夜の光景が目に焼き付いてる牡丹からすれば、そのわざとらしい泣きっぷりは、ただただ不気味にしか見えない。

牡丹は思い出す。蒋長揚も昔は徐祭酒の教え子だったってこと。でも皇帝の側近になってからは、どんどん心が離れていったらしい。洛陽で離婚できたのは、正直、蒋長揚のおかげ。ここで真実をぶちまけたら、自分の身が危ない。牡丹は、この件に関しては口を閉ざすことを決めるんだ。

ネタバレ

口を閉ざすと決めても、恐怖は消えない。牡丹は蒋長揚をとことん避けるようになる。早く自分でお金を稼いで、蒋長揚の屋敷の裏庭から引っ越したい。それだけを考えてる。

でも、蒋長揚はそんな牡丹の態度を見逃さない。ある日、牡丹の前に現れて、一枚の布切れを見せるんだ。それは、殺人現場の夜に落ちていたもの。明らかに牡丹の服の一部。カマをかけてきたわけ。牡丹はもちろん、必死でしらを切る。

そんな中、牡丹の念願だった花屋花満築がついにオープンする。店は連日、お客さんで大にぎわい。

その頃、牡丹の元夫・劉暢(りゅう ちょう)は最悪だった。出世の道は閉ざされるし、妻の吉安県主には振り回されるしで、もうやけっぱち。一人で酒をあおっていると、通りの向かいに、活気あふれる牡丹の店が見える。必死に客をさばく牡丹の姿を見て、自分が夫だった頃を思い出して、切なくなってる。

店を出た劉暢は、偶然、牡丹が男の客に絡まれているのを見つける。助けに入ったはいいけど、相手にボコボコに殴られてしまう。でも、劉暢が落とした寧王(ねいおう)府の身分証を見た途端、男たちは真っ青になって逃げていった。

牡丹はそんな元夫に、店の薬箱から傷薬を渡すだけ。店の商売の邪魔だから、早く帰ってと、あくまでクール。劉暢は、役職や家柄じゃなく、自分を劉子舒(りゅう しじょ)という一人の人間として見てくれるのは牡丹だけだと、改めて感じるんだ。

第13話の感想

いやー、今回はマジで息するの忘れるくらい見入っちゃったよ。蒋長揚のキャラが深掘りされて、ただの飄々としたお助けキャラじゃないってことがハッキリした。あの冷たい目で人を殺すシーンと、弔問で見せた嘘泣きのギャップが怖すぎ。これから牡丹と蒋長揚の関係が、めちゃくちゃ緊張感あふれるものになるのは間違いないね。

一方で、元夫の劉暢のダメっぷりも際立ってた。プライドは高いのに、結局は権力にすがって生きてる。牡丹に未練タラタラなのも見てて切ないけど、自業自得だろってツッコミたくもなる。牡丹が彼に冷たくするのも当然だよ。彼女はもう、自分の足で立って歩き始めてるんだから。この対照的な二人の男の間で、牡丹がどう生きていくのか。物語が一気に動き出した回だった。

つづく