愛する人のため、劉暢(りゅう ちょう)は自らの地位を捨てて大きな決断を下す。その選択は、彼の父親や周囲を巻き込み、新たな波紋を広げていく。一方、仲間である牡丹に励まされ実家に戻った勝意(しょうい)は、希望とは裏腹の厳しい現実に直面し、心を深く傷つけられる。そんな中、蒋長揚(しょう ちょうよう)は思わぬ形で劉暢と関わり、同時に裏では冷徹な仕事人の顔を見せる。それぞれのキャラクターが試練に立ち向かう、見逃せない展開が続く。

「国色芳華(こくしょくほうか)~牡丹の花咲く都で~」あらすじネタバレ20話

それぞれの正義とプライド

劉暢(りゅう ちょう)、信念を貫く

まず、あの劉暢(りゅう ちょう)だよ。ついに寧王(ねいおう)に李幼貞(り ようてい)との結婚、やめさせてもらいます!って直談判しに行った。 そのために戸部員外郎っていうエリート職を捨てる覚悟まで見せるんだから、大したもんだ。 もちろん、寧王(ねいおう)がはい、そうですかで終わるわけない。表向きは君は立派な君子だなんて褒めてるけど、腹の中は真っ黒。 どうせすぐ後悔するだろうって、わざとド田舎のきつい任地に飛ばすことにしたんだ。 プライドをへし折られて、泣きついてくるのを待ってるわけ。性格悪いよな。

で、その話を聞いた劉暢(りゅう ちょう)の親父、劉申(りゅう しん)が面白い。息子にブチ切れるんだけど、自分の地位が危うくなると分かった瞬間、陳公(ちんこう)に泣きついて保身に走るんだ。 この小者感、たまらないよな。結局、寧王も劉申のことを金を集めるのに使える従順な犬くらいにしか思ってなくて、お咎めなし。 どいつもこいつも、自分のことしか考えてない。

蒋長揚、劉暢を助ける

そんな中、俺たちの蒋長揚(しょう ちょうよう)は、部下のために馬を選びに行ってた。そこで偶然、役人たちに馬小屋の水を飲めってイジメられてる劉暢に遭遇するんだ。 まあ、蒋長揚が黙って見てるわけないよな。サクッと助けてやる。なんでおとなしく県主のご機嫌取らないんだ?その方が楽だろって聞く蒋長揚は、すごく現実的だ。でも劉暢は俺は自分の才能で成り上がって、惟芳をもう一度迎えに行く!って言い張る。 青臭いけど、その心意気は嫌いじゃない。ただ、蒋長揚がで、惟芳はそれを望んでるのか?って突っ込むところ、さすがだよ。一番大事なことだからな。

勝意、絶望の淵で

帰郷、そして裏切り

今回の話で一番キツかったのは、勝意(しょうい)のエピソードだ。牡丹(何惟芳(か いほう)にあなたは家の誇りよって励まされて、希望を持って実家に帰ったんだ。なのに、待っていたのは冷たい現実だった。父親と兄貴は、夫の王擎(おう けい)から暴力を振るわれたのをお前が怠けてるからだって責める始末。 信じられるか?家族がだよ。追い打ちをかけるように、親父は40歳近い男やもめとの再婚話を進めてた。 母親までその方が安定するなんて言うんだから、もう救いがない。勝意が絶望するのも無理ないよ。

元夫の甘い罠

ボロボロになって長安に帰ってきた勝意は、自分には何の才能もないって落ち込んでしまう。亡くした我が子を弔いに行ったら、そこにいたのは、あのDV夫の王擎。タイミングが良すぎるだろ。王擎はここぞとばかりに謝罪して、やり直そうと甘い言葉をささやくんだ。 心が弱ってる時に優しくされたら、そりゃあ、なびいちゃうよな。 でも、それが一番危ない罠なんだ。

牡丹と蒋長揚の裏側

牡丹の優しさと、食いしん坊なアイツ

牡丹は、帰ってくる勝意のために鶏の丸焼きと滋養スープを用意してた。 本当に仲間思いだよな。その鶏を、腹を空かせた蒋長揚がつまみ食いしちゃうシーンは、ちょっと笑った。 でも、ちゃんとお詫び(?)に石斛っていう体に良いものを届けさせるあたり、彼らしい。牡丹はスープを勝意に届けて、優しく慰める。この二人の友情は本物だ。

蒋長揚のもう一つの顔

ただの食いしん坊で終わらないのが蒋長揚のすごいところ。逃亡してた崔茂(さい ぼう)っていう悪党を捕まえて、密室で尋問するシーンがあった。これがもう、めちゃくちゃキレ者なんだ。なかなか口を割らない崔茂に対して、蒋長揚は弱点である息子を利用する。 正直に話せば、お前の妻子は安全な場所へ逃がしてやるって取引を持ちかけるんだ。 人の心を読むのがうますぎる。

最後は、牡丹がお礼に手作りの焼き餅を蒋長揚に届けるシーンで終わる。 この二人の距離も、少しずつ縮まってる感じがいいよな。

感想

今回は、それぞれのキャラクターが持つ正義やプライドが色濃く出た回だったな。劉暢のまっすぐな理想は応援したくなるけど、世間知らずな部分もあってハラハラする。父親の劉申の俗物っぷりとの対比が効いてた。一番胸が痛んだのは勝意だ。実の家族にまで裏切られ、絶望の淵で元夫の甘い言葉にすがってしまう姿は、見ていて本当に辛かった。弱っている人間がいかに脆いかを突きつけられた気分だよ。一方で、食いしん坊でひょうきんな面と、尋問で見せる冷徹な切れ者の一面、両方を見せた蒋長揚の魅力が爆発してた。彼の多面性が、物語に深みを与えているよな。

つづく