夫から心が離れた妻・牡丹と、夫の心を取り戻したい元恋人・県主。決して交わるはずのなかった二人の利害が一致し、ある大胆な計画が実行に移される。宴の席で、夫・劉暢(りゅう ちょう)と県主が密会している現場が皆に目撃されてしまい、牡丹は悲劇のヒロインを演じる。しかし、その涙の裏では、すべてが彼女の描いた筋書き通りに進んでいた。牡丹はついに、窮屈な劉家から離縁を勝ち取るための大きな一歩を踏み出す。
「国色芳華(こくしょくほうか)~牡丹の花咲く都で~」あらすじネタバレ4話
女たちの静かなる逆襲劇、開幕
さあ、第4話。ここからが本番だ。牡丹(ぼたん)の反撃が、静かに、でも確実に始まる。
まず、あの玉佩(ぎょくはい)の件。宴の席で、牡丹は皆の前でズバリと言ってのける。その玉佩、県主(けんしゅ)さまの侍女のものですよね?あれは元々、陳章(ちん しょう)から蒋長揚(しょう ちょうよう)に渡り、蒋長揚が部下の穿魚(せんぎょ)にあげた物だった。陳章は慌てて劉(りゅう)家の執事が持ってきたと嘘をつく。結局、哀れな執事が全ての罪をなすりつけられ、追い出された。これで劉(りゅう)家の親父、劉申(りゅう しん)のメンツは丸潰れ。でも、牡丹はこんなことじゃ全然スッキリしない。彼女の本当の目的は、もっと先にあるからね。
水玉亭の密会、すべては計画通り
宴の途中、蒋長揚がいい仕事をする。彼は牡丹の本当の気持ちを完全に見抜いてる。牡丹が夫の劉暢(りゅう ちょう)に未練なんてないことを。だから、県主が劉暢(りゅう ちょう)と二人きりになれるよう、こっそり手助けするんだ。
水玉亭で、県主は劉暢(りゅう ちょう)に昔の関係をちらつかせる。奥さんと別れて、私と長安に帰りましょうでも、今の劉暢にとって、県主はただ権力を振りかざす嫌な女にしか見えない。彼はきっぱりと関係を断ち切ろうとする。すると県主、今度は色仕掛けと涙で劉暢を揺さぶる。男って本当にこういうのに弱い。
完璧なタイミングでの暴露
この一部始終を見ていた牡丹。彼女は最高のタイミングで、皆を引き連れて水玉亭へ向かう。あちらでお花を鑑賞しませんか?なんて言って。
案の定、水玉亭の中では劉暢と県主が抱き合ってキスをしている真っ最中。牡丹がすっと帳(とばり)を下ろすと、二人のだらしない姿が皆の目に晒される。会場は騒然。劉暢は慌てて県主に服をかけるけど、もう手遅れだ。
牡丹は、ここで泣き崩れる被害者を完璧に演じる。誰もが牡丹に同情する。蒋長揚がいっそ二人を一緒にしてやれとダメ押しの一言。最高の援護射撃だ。
ついに掴んだ離縁という自由
ここまでお膳立てが整えば、もう誰にも止められない。牡丹は涙ながらに、父・劉申に離縁を願い出る。周りの目がある手前、劉申も認めざるを得ない。牡丹は、ついに自由への切符を手に入れた。
実はこれ、全部仕組まれた芝居だった。少し前、牡丹は県主に会いに行っていたんだ。私は離縁したい。あなたは奥様の座が欲しい。目的は同じですよね?そう持ちかけた。県主も、愛のない結婚の辛さを知る一人。牡丹の覚悟に共感し、自分の評判を犠牲にしてまで、この計画に乗ったんだ。敵だったはずの女二人が、最強のタッグを組んだ瞬間だった。
勘違いした男たち
一方で、男たちは本当に滑稽だ。父親の劉申は、県主側が仕込んだ占い師の言葉を鵜呑みにする。牡丹は家に災いをもたらす。県主を迎えれば、劉家は安泰だそう信じ込んで、県主を嫁に迎える準備を始める。
夫の劉暢はもっとひどい。牡丹が嫉妬して怒っていると、本気で勘違いしている。やれやれ、拗ねているのか。俺が機嫌を直してやらないとそんなことを考えている。どこまでおめでたいんだろうか。彼はこれから、自分が誰の手のひらの上で踊らされていたかを知ることになる。
第4話の感想
いやあ、今回は見ていて本当にスカッとしたね。牡丹の策略家ぶりが見事に開花した回だった。ただ虐げられるだけのヒロインじゃない。自分の頭脳と覚悟で、がんじがらめの状況から抜け出す道を切り開いていく。その姿は痛快だ。
特に面白かったのは、牡丹と県主の共闘。昨日までの敵が、利害の一致で今日の味方になる。この展開はドラマの醍醐味だ。愛のない結婚を経験した県主が、牡丹の気持ちを理解して協力するっていう背景もいい。女同士の連帯には、男にはわからない深さがある。
それに比べて、劉暢と父親の劉申の間抜けっぷり。完全に女たちに手玉に取られていることに全く気づいていない。特に劉暢が、牡丹はまだ自分に気があって嫉妬していると思い込んでいるシーンは、思わず笑ってしまった。男の鈍感さと自信過剰さを、これでもかと見せつけてくれる。この勘違いが、後々どんな面白い展開を生むのか、今から楽しみで仕方ない。物語が大きく動き出した、まさに神回だった。
つづく