あらすじ(ネタバレあり)
崖っぷちの偽装工作
実家へ馬を飛ばす何惟芳(か いほう)。頭の中には、嫁ぐ前の父の優しさが浮かんでる。希望を胸に駆けつけた。でも、現実は甘くない。
夫の家の人間、劉申(りゅう しん)の手下が先回りしてた。姑に逆らい、夫の世話もしない。おまけに離縁を求めて騒ぎ立てた劉家の連中は、自分たちが惟芳の嫁入り道具を使い込んだことや、彼女をいじめていたことは棚に上げて、嘘八百を並べ立てる。
惟芳の父は、その話を信じ込んでしまった。娘がわがままで家出したんだと誤解する。劉家と一緒に娘を探すとまで約束しちまう始末。もう帰る家はない。惟芳はそう悟った。
彼女は持っていたお金をこっそり残すと、牡丹の花を背負い、馬で崖へと向かう。その後、崖っぷちで惟芳のかんざしが見つかった。劉家の追っ手は、彼女が身を投げたと判断した。でも、夫の劉暢(りゅう ちょう)だけは信じない。父の劉申が彼女を死に追いやったんだと、すぐに気づいた。
劉家の内輪もめ
劉暢(りゅう ちょう)は、今まで一度も父親に逆らったことがなかった。着る物から友達付き合い、結婚相手まで、全部父親の言いなり。でも、今回は違った。
県主とは絶対に結婚しない
初めて父親に盾突いた。親父の劉申はブチギレて、息子を杖で打ち据える。それでも劉暢(りゅう ちょう)は折れない。母親が泣きながら説得しても、首を縦に振らなかった。
怒り心頭の劉申は、とうとう倒れてしまう。そして、昔の話を持ち出した。劉暢がわがままを言って寧王(ねいおう)を怒らせたせいで、一家は都から洛陽へ左遷された。県主との結婚は、劉家が返り咲くためのたった一つのチャンスなんだ、と。
その話を聞いて、劉暢の決意は揺らぐ。結局、彼は父親が長安へ結納品を贈る準備を進めるのを、もう強くは拒めなかった。
長安でのサバイバル
もちろん、惟芳は死んでなんかいなかった。崖のかんざしは、追っ手をまくためのただの芝居。彼女は本当に賢い。
山の中の民家で庶民の服を手に入れ、金で人を雇って、こっそり都・長安へ入った。長安には、母が遺した芳園という屋敷があるはずだった。でも、門を叩いても、誰も彼女を主人だと認めない。完全にゼロからのスタートだ。
戸籍もない女を雇ってくれる店は、どこにもない。途方に暮れていた時、一軒の酒肆(しゅし)を見つける。忙しそうに働く女・五娘(ごじょう)に声をかけると、あっさり断られた。ところが、店主の王擎(おう けい)という男が、彼女を雇ってくれると言う。玉のそろばんを預ければ、役所に口利きして戸籍も手に入れてやると。
惟芳は、この話を鵜呑みにはしない。ちゃんと証文を書かせた。案の定、店での生活は楽じゃなかった。五娘は惟芳に敵意むき出しで、わざとぶつかって皿を割らせたり、金を取ったと濡れ衣を着せたりする。惟芳は必死に無実を訴え、店主の王擎は彼女の味方をした。
でも、この王擎夫妻、何か企んでる。惟芳はそう感じていた。
新たな敵の正体
半月が過ぎた。戸籍の話は一向に進まない。それどころか、店主の王擎が本性を現した。五娘とは別れてお前を正妻にしてやる。この店も財産も、いずれは俺たちのものだそう言って惟芳に迫る。
惟芳は当然、きっぱりと断った。すると王擎は彼女に暴力を振るう。殴られ、蹴られ、惟芳は力でねじ伏せられた。今は、従うふりをするしかなかった。
その頃、蒋長揚(しょう ちょうよう)は長安で着々と手を打っていた。彼は裏社会の顔役・楚大郎(そ だいろう)を味方に引き入れる。これで、都での情報網を手に入れた。彼の存在が、いつか惟芳の光になるのかもしれない。
感想
いやあ、第6話は息つく暇もなかったな。惟芳のどん底からのサバイバル劇が本格的に始まって、一気に引き込まれたよ。夫の家からも実家からも見放されて、文字通り崖っぷちに立たされた彼女が、死を偽装して追っ手をまくシーンは痺れたね。ただのか弱いお嬢様じゃない。頭が切れるし、根性もある。
一方で、夫の劉暢も気の毒なやつだ。初めて親父に逆らったのに、結局は家の事情に縛られてしまう。彼の葛藤も、このドラマの面白いところだよな。
そして、長安で出てきた新しいキャラ、店主の王擎。こいつがまた絵に描いたようなクズでさ。最初は良い人ぶってるから、余計に腹が立つ。でも、こういう胸クソ悪い敵役がいるからこそ、惟芳の逆襲が楽しみになるんだよ。暴力に屈するしかなかった彼女が、この屈辱をどう晴らすのか。蒋長揚がどう絡んでくるのか。もう次の展開が気になって仕方ない。
つづく