あらすじとネタバレ

蒋長揚との悪魔の契約

あの箱の中身、本物のヒョウじゃなかった。透き通るような光沢の、玉でできたヒョウだったんだ。まあ、それはいい。問題はここからだ。何惟芳(か いほう)は、投資家の蒋長揚(しょう ちょうよう)と契約書を交わす。彼女が作った契約書は、利益を五分で分ける内容だった。でも、蒋長揚はそんなに甘くない。あっさり書き換えて、利益の配分を1:9にしやがった。つまり、儲けの9割は俺のもの、と。それだけじゃない。もし事業が失敗して損が出たら、その損失は全部、何惟芳(か いほう)が一人で背負う契約だ。

普通なら絶対に飲まない。でも、今の彼女には蒋長揚以外に頼れる金づるがいないんだ。結局、この悪魔みたいな条件を飲むしかなかった。

その頃、吉安県主(きつあんけんしゅ)は父親の寧王(ねいおう)を説得してた。劉子舒(りゅう しじょ)を新しい婿として迎えることを認めさせたんだ。上機嫌でその知らせを伝えようとした時、山を下りてきた蒋長揚の一行とばったり会う。彼女は、蒋長揚が誰かを必死に隠している様子を見て、好奇心からどんな女を隠してるの?なんて探りを入れてくる。

蒋長揚は嘘八百を並べてその場を切り抜けた。幸い、県主はご機嫌だったから、深くは突っ込んではこなかった。でも、この会話で蒋長揚は重要な情報を手に入れる。世間では、何惟芳(か いほう)は崖から落ちて死んだことになっている。そして、元夫の劉子舒がもうすぐ長安にやって来ることも。

抜け目ない男だよ、蒋長揚は。すぐに何惟芳のところへ行ってこう言うんだ。君と協力するのは一つの取引。でも、君が生きていることを県主や寧王に隠してやるのは、また別の料金が発生するってな。金の亡者か!

新しい牡丹懐袖香の誕生

何惟芳も負けてない。劉家が長安に来ようが関係ない、時が来れば自分の手でケリをつける、と宣言する。肝が据わってるよ。

彼女と秦勝意(しん しょうい)(しんしょうい)(しんしょうい)は、必死に牡丹の世話を続けた。その努力が実って、ついに小型の牡丹が完成する。翌朝、二人は完成した牡丹を花市に持って行った。

何惟芳はこの新しい牡丹に懐袖香(かいしゅうこう)と名付けた。そして、価格を1鉢たったの80文に設定したんだ。花の出来は素晴らしいのに、この値段なら普通の家庭でも手が出せる。 懐袖香はあっという間に売り切れて、予約注文が殺到した。

まさかの詐欺と隣人トラブル?

少し金ができた何惟芳は、本格的に花を育てるための庭付きの家を借りることにした。不動産屋の仲介で、一つの物件を見つける。かなり汚くてボロボロだけど、蒋長揚の屋敷のすぐ隣だという。これなら金の相談や借金の交渉に便利だと、二人はその家に決めた。

一方、長安に到着した劉子舒は、コネを使って戸部(財務省みたいなところ)の役人になっていた。吉安県主は彼のために古い屋敷を綺麗に掃除させ、彼がすぐに住めるように手配する。役所の連中は、寧王に取り入ろうと劉子舒に媚びへつらう。でも、劉子舒本人はそれがたまらなく嫌だった。自分の実力で功績を上げて、正当に評価されたいと願っていたんだ。

さて、何惟芳たち。実は不動産屋に騙されていた。借りた家は蒋長揚の屋敷の隣なんかじゃなかった。蒋長揚の屋敷の裏庭そのものだったんだ。不動産屋はとっくに金を持って逃げている。二人は蒋長揚に必死で頭を下げた。月末には利益の9割を必ずお支払いしますから!と。その約束で、蒋長揚はようやく、その荒れ果てた裏庭を彼女たちに貸すことを認めた。

何惟芳の商才

業者に頼むと金がかかるから、二人は自分たちで庭の草むしりを始めた。その時、何惟芳が気づく。ただの雑草だと思っていたものが、実は馬歯莧(ばしけん)という薬草だったんだ。

彼女はすぐに商売を思いつく。10文払えば、ここの薬草を掘っていっていいですよと人を集めた。秦勝意(しん しょうい)(しんしょうい)は不思議に思う。自分たちで掘って薬屋に売れば、もっと儲かるはずだ。なぜこんな安値で人に掘らせるのか。

何惟芳は辛抱強く説明する。商売人の父親から学んだ一番大事なこと。時間はお金よりも貴重だと。馬歯莧を売って小銭を稼ぐこともできる。でも、その時間を使って牡丹を育てれば、もっと大きな利益を生み出せる。目先の小銭より、未来の大きな利益のための時間を買ったんだ。秦勝意は、彼女の先を見通す力にただただ感心するしかなかった。

第9話の感想

いやあ、何惟芳の商才が爆発した回だったな。ただ花を愛でるお嬢様じゃない。彼女は本物の商売人だ。不利な契約を飲まされても、詐欺に遭っても、それを全部バネにして前に進む。特に、雑草だらけの庭を時間を買うための道具に変えてしまう発想には舌を巻いたよ。普通なら薬草だ、ラッキー!で終わるところだ。でも彼女は、自分の労働力と時間を天秤にかけて、より大きな利益を選ぶ。この視点があるから、彼女はきっと大物になる。

一方で、蒋長揚のキャラクターもいい味出してる。金の亡者で、どこまでも抜け目がない。でも、何惟芳の才能をしっかり見抜いて投資する度胸もある。この二人の、金で繋がったチグハグな関係が最高に面白い。これから最高のビジネスパートナーになるのか、それとも別の関係に発展するのか。

元夫の劉子舒も長安に来て、物語がさらに動き出しそうだ。彼の苦悩も描かれていて、ただの悪役じゃないことがわかる。この三角関係がどう転がるのか、目が離せないな。

つづく