あらすじとネタバレ
忍び寄る影、毒耳(どくみみ)との再会
話は、姜似(ジャン・スー)と余七(ユー・チー)が里帰りのための贈り物を買うところから始まる。余七(ユー・チー)は本当に姜似(ジャン・スー)のことが大好きなんだよな。贈り物を山ほど買ってもまだ足りないなんて言ってる。そんな幸せな雰囲気の中、姜似はとんでもない人物を見つけてしまう。南烏の刺客、毒耳(どくみみ)だ。
姜似はうまいこと理由をつけて余七をその場から離させる。そして毒耳と対峙する。毒耳の用件はシンプルだった。お前が聖女だってことはバレてる。一緒に南烏へ帰るぞ。もちろん姜似は嫌だ、さっさと消えてと一蹴する。でも、毒耳は諦めない。君がその気になるまで、俺はずっとここにいると言い残す。こいつ、マジでしつこい。これから厄介なことになりそうだ。
束の間の平穏と、新たな疑惑
翌日、二人は予定通り姜家へ里帰りする。姜似が王妃になったことで、あれだけ冷たかった姜老夫人の態度が手のひらを返したように変わる。すごく丁寧にもてなすんだ。まあ、分かりやすいよな。
ここでちょっと切ない場面がある。姜依(ジャン・イー)が手作りの鴛鴦の布団を姜似に贈るんだ。その時、姜似は姜依(ジャン・イー)に、朱子玉(ジュー・ズーユー)が崔明月(ツイ・ミンユエ)を殺して自害した事件の真相を伝える。栄陽公主(えいようこうしゅ)が情報を封鎖してたから、姜依は知らなかったんだ。話を聞いた姜依は、自分が朱子玉(ジュー・ズーユー)に崔明月(ツイ・ミンユエ)が姜家に仇なす存在だと話したことを思い出す。彼が子供を守るために、命を懸けて崔明月を道連れにしたんだと悟る。これはきついよな。
その夜、余七は庭で姜似のためにロマンチックなサプライズを用意する。本当にいい旦那さんだよ。でも、この平穏は長く続かない。
栄陽公主(えいようこうしゅ)が、ついに本格的に動き出す。福清公主の目を治療した一件で、姜似がどうやって朵嬷嬷(ドゥオまま)を味方につけたのか怪しんでる。部下の十九に、姜似を徹底的に監視するよう命じる。空気が一気にきな臭くなってきた。
悲劇の始まり、肖氏(しょうし)の犠牲
姜似と余七は街を歩いている時に、尾行されていることに気づく。姜似はすぐに栄陽公主の仕業だと察する。そして、朵嬷嬷と母である肖氏(しょうし)の身を案じる。その悪い予感は、最悪の形で的中してしまう。
栄陽公主が放った刺客たちが、肖氏と姜佩(ジャン・ペイ)が暮らす家に押し入る。状況を察した肖氏は、娘の姜佩(ジャン・ペイ)を必死で逃がす。自分は刺客たちの足止めをするために残った。そして、助けが来るまで命がけで時間を稼ぎ、ついに力尽きてしまう。これは本当に見ていて辛かった。
家族を守るための決断
姜似のもとに、姜佩だけが命からがら戻ってくる。母、肖氏が殺されたことを知った姜似は、悲しみに打ちひしがれる。でも、感傷に浸っている時間はない。自分のせいで家族が狙われている。このままでは全員が危ない。
姜似は、とんでもない決断をする。家族を守るために、あえて家族と縁を切るフリをするんだ。ちょうど兄の姜安謀(ジャン・アンモウ)が、余七の権力を使って商売の口利きを頼んでいた。姜似はこれを利用して金儲けのことしか考えない家族とは縁を切ると、わざと大喧嘩を演じる。王府に会いに来た姜依と姜湛(ジャン・ジャン)にも、心を鬼にして冷たい言葉を浴びせる。演技だと分かっていても、姜似の心が張り裂けそうなのが伝わってきて、胸が痛んだ。
全ての罪を背負う覚悟
一方、宮中では別の動きがあった。朵嬷嬷が宮殿を抜け出し、毒耳と接触する。毒耳は、国境で戦乱を起こす計画を立てていた。そうなれば赤月族の余七は故郷に戻らざるを得ない。姜似もついていくだろう。その移動中に姜似を南烏へ連れ去る算段だ。こいつも本当に油断ならない。
その帰り道、朵嬷嬷は栄陽公主の鉄衛に襲われる。絶体絶命のピンチを救ったのは、毒耳と龍胆(りゅうたん)だった。
そして、ついにクライマックスが訪れる。朵嬷嬷は皇后と福清公主の前に進み出る。そして、全ての罪を告白する。先皇后を毒殺し、福清公主様の目を失明させたのは、この私です。
これは全て、姜似が仕組んだ計画だった。皇后は姜似の指示通り、告白した朵嬷嬷を太子府にかくまう。物語が、一気に最終局面に向けて動き出した瞬間だった。
感想
今回は本当に息つく暇もなかったな。前半の余七と姜似の幸せそうな様子からの、後半の怒涛の展開。この落差がすごすぎて、感情が追いつかない。特に肖氏の死はショックだった。娘を逃すために命を懸ける母親の姿は、涙なしには見られない。その死を乗り越えて、家族を守るために非情な仮面をかぶることを決めた姜似の強さには、ただただ圧倒される。彼女の覚悟がひしひしと伝わってきて、胸が締め付けられたよ。
栄陽公主の執念深さも、いよいよ本領発揮って感じだ。じわじわと外堀を埋めてくるやり方が本当に怖い。そして、最後の朵嬷嬷の自白。これはもう、全面戦争のゴングが鳴ったも同然だ。姜似が描いたこの大きな絵図が、これからどう転がっていくのか。彼女の孤独な戦いがどこへ向かうのか、もう目が離せない。
つづく

