あらすじ:ループの終わり、新たな試練の始まり

やっと終わった。夏語氷(かごひょう)の頑張りで、あの無限ループ地獄が壊れたんだ。みんなで植えた紅豆も、ついに芽を出した。葉文昭(ようぶんしょう)も食糧を確保してきて、飢饉の問題も片付きそう。これで一件落着、かと思いきや、そうは問屋が卸さない。

牢屋から薛慕(せつぼ)が逃げ出した。あいつ、城の外へ出て、山に逃げ込んだんだ。そこで難民たちと合流。俺たちの人生は決められている。それに抗うんだなんて言って、彼らを扇動し始めた。あっという間に薛慕(せつぼ)は難民たちのリーダーになって、商隊を襲うようになる。

その頃、夏語氷(かごひょう)の体は限界に近づいていた。無理がたたって、また倒れてしまう。病状はかなり悪い。でも彼女は、周りに心配かけたくなくてずっと隠してたんだよね。

ネタバレ:崖っぷちの攻防と、残酷な現実

薛慕の逆襲

許子顔(きょしがん)は夏語氷を救いたい一心だった。手術に必要な麻酔薬麻沸散の原料を手に入れるため、自ら山へ向かう。でも、その山はもう薛慕の縄張りになっていた。案の定、許子顔(きょしがん)は薬草を探しているところを薛慕に捕まってしまう。

薛慕の狙いは夏語氷。許子顔を人質にして、夏語氷を呼び出した。お前が俺と来るなら、こいつを助けてやるってわけ。夏語氷は迷わず、その条件をのんだ。彼女は一人で、許子顔を助けに向かう。薛慕は、夏語氷が本当に来るかどうか賭けてたみたいだね。まったく、性格が悪い。

崖での決着

夏語氷が薛慕のもとに着いた。彼女は許子顔を解放するように頼む。自分は薛慕について行くと約束してね。その裏で、召使いの一人がこっそり許子顔を解放。夏柳青(かりゅうせい)も駆けつけて、形勢は逆転した。

薛慕は夏語氷を連れて逃げようとする。そこに夏蘭(からん)が奇襲をかけた。もみ合いの末、夏蘭(からん)と薛慕は二人とも崖から落ちそうになる。夏語氷は必死に夏蘭の手を掴んで離さない。薛慕は最後の抵抗で、仕掛けておいた火薬の起爆信号を送る。でも、夏語氷が投げた石が当たってバランスを崩し、そのまま崖の下へ消えていった。

ちなみに、火薬の一部は爆発しなかった。夏耀祖(かようそ)が小便で消火してたらしい。シリアスな場面なのに、ちょっと笑っちゃうよな。

最後の希望、そして絶望

薛慕との戦いは終わった。許子顔は無事に薬草を手に入れて、これで夏語氷を手術できる。そう誰もが思った。

だけど、ここで一番残酷な事実が判明する。夏語氷は麻沸散にアレルギーがあったんだ。麻酔なしで腹を開くなんて、できるわけがない。手術は不可能。許子顔は必死に他の方法を探した。医学書を読みあさり、ついに換血という民間療法を見つけ出す。

でも、この方法は危険すぎた。夏柳青(かりゅうせい)も葉文昭も自分の血を使ってくれと申し出る。夏語氷はそれを拒んだ。誰かを傷つけてまで生きたくない、って。彼女は自分の運命を受け入れたんだ。許子顔に、もう治療はいいから、残された時間をそばにいてほしいと頼む。許子顔は、涙を流しながらその願いを受け入れた。二人はただ静かに、残された日々を過ごし始める。

今回のエピソードについての感想

ループを抜けたと思ったら、もっとキツい現実が待ってた回だったね。薛慕との因縁にようやくケリがついたのに、安堵する暇もなかった。一番の敵は、物語の筋書きでも悪役でもなく、どうにもならない病だったっていうのが皮肉だ。

許子顔が必死に医学書をめくる姿は見てて辛かったよ。やれることは全部やったのに、最後の最後でアレルギーっていう壁にぶつかるんだから。でも、それに対して夏語氷がもういいって決断するのが、彼女の強さなんだろうな。誰かを犠牲にするくらいなら、運命を受け入れる。残された時間を愛する人と過ごすことを選んだ二人の姿が、本当に切なかった。やっと結ばれたのに、あまりにも残酷だ。

つづく