第31話:サイコロ遊びと新しい先生

賭け事はダメ、絶対

玲瓏殿での暮らしにも慣れてきた阿珠(アージュ)が全然会いに来てくれない。聖君は天下のために忙しいんだと慰めるのは和周(フージョウ)。こいつがまた、ろくなことをしないんだよな。

退屈してる阿珠を、和周はサイコロ遊びに誘う。最初はただの遊びだった。それがいつの間にか賭け事に発展する。阿珠は一番大事な宝物として、食べかけのお菓子を差し出す。その純粋さが、もうね。見てて胸が痛くなるよ。

和周は呆れつつ、昭明(ジャオミン)から贈られた金銀財宝を賭けさせる。結果、阿珠は全部巻き上げられてしまう。和周、お前、本気でやってどうするんだよ。

そこに昭明(ジャオミン)が侍衛の阿炎(アーイエン)を連れて登場。まさに救世主。昭明は自分の指輪を賭けて、あっという間に阿珠の宝物を全部取り返す。さすがだよね。格が違う。和周はテーブルに突っ伏してがっくり。いい気味だ。

昭明はすぐに宮中での賭博を禁止するよう命じる。彼は阿珠に、賭け事が悪いことだと優しく諭す。和周みたいなヤツと一緒にいると悪影響だと考えた。だから阿珠に先生をつけて、読み書きを学ばせることにしたんだ。

運命の再会?国師との出会い

昭明が用意した先生。それがまさかの国師(グオシー)だった。ちょっと遅刻してしまった阿珠。でも国師は全然怒らない。むしろ穏やか。

阿珠は国師に不思議な親しみを感じる。初めて会った気がしないと彼女は言った。その言葉に、国師の表情が変わる。驚きと、喜びが入り混じったような顔。

ここで衝撃の事実がわかる。国師の正体は天命(ティエンミン)書。阿珠は彼がずっと寄り添ってきた混沌珠だった。彼はすべての記憶を持ったまま、阿珠の転生を見守っていたんだ。一万年越しの再会。切なすぎるだろ。

初めて知る味と感情

国師の授業が始まる。彼は天という漢字を教える。二本の横線が人の上にある。天が人を支配していることを示す、と。それを聞いた阿珠は天は嫌いと言い放つ。彼女の本質が見える一言だ。

阿珠は授業のあと、自分で作ったお菓子を国師に持っていく。出来が悪くて怒らせたかも、と心配する姿が健気でいい。国師は彼女を慰め、筆を贈る。

阿珠が去った後、国師はお菓子を口にする。甘いと彼は呟いた。でも侍従の子辰(ズーチェン)が言う。それは塩味です。国師は天界にいた頃、味覚も感情もなかった。阿珠と出会って、彼は初めて味を知ったんだ。子辰に故郷は束縛だらけだ。彼女を帰すべきかと漏らす国師。彼の中で、阿珠を人として幸せにしたい気持ちが芽生え始めてる。

天に抗う者たち

一方、昭明は大きな問題に直面していた。神皇(シェンホアン)が神子を探すため、手下を人間界に送り込んできた。神子が見つからない神族は、昭明を利用しようと企む。国師のもとに神皇からの神託が届く。

昭明はそれをためらわずに破り捨てさせる。俺がいる限り、神族の言いなりにはならない。彼の決意は固い。でも、そのせいで彼は一人で苦しんでいた。眠れない夜を過ごす昭明。

その姿を見た阿珠は、国師から事情を聞く。彼女は何も言わず、ただ昭明のそばに寄り添う。その存在が、昭明にとって唯一の救いになっていた。

今回の感想(ネタバレあり)

いやー、今回は情報量が多かった。特に国師の正体には驚かされたね。彼が天命(ティエンミン)書で、阿珠が混沌珠。一万年も記憶を持ったまま彼女のそばにいたなんて、その孤独を思うと胸が締め付けられる。阿珠が作った塩味のお菓子を甘いと感じるシーンは、彼が人間的な感情を取り戻していく象徴的な場面で、すごく良かった。万年の時を超えて、やっと味覚や感情を知るなんて、ドラマチックすぎるよ。

昭明もただの完璧な聖君じゃない。神族っていう巨大な敵を前に、一人で重圧に耐えてる姿が人間くさくて応援したくなる。そんな彼の唯一の癒やしが阿珠っていうのがまたいいんだ。阿珠の天真爛漫さが、知らず知らずのうちに周りの人々を救い、変えていってる。彼女こそが、この物語の本当の中心なんだと改めて感じた回だった。新しい敵も出てきて、物語が一気に動き出した感じがするね。

つづく