あらすじとネタバレ
暴動、そして悲しい別れ
宮殿に民衆が押し寄せてきた。完全に暴動だ。阿珠(アージュ)は彼らを止めようとする。でも多勢に無勢で、危うく怪我をしそうになる。その時、天命(ティエンミン)が現れて阿珠(アージュ)を助けた。
彼は阿珠を屋上に引き上げる。下で暴れる人々を見せつけて、これが人間性だなんて言うんだ。阿珠が助けを求めても、天命(ティエンミン)は神器は人間界に干渉できないと冷たい。阿珠は諦めない。あなたが行かないなら私が行くと飛び出そうとする。天命は彼女を止めて、君はもう負けたんだと言う。
でも、阿珠は負けていなかった。宮殿の門の前に、青陽(チンヤン)と阿炎(アーイエン)が駆けつけたんだ。二人は剣を抜いて、暴徒に立ち向かっていく。その姿を見て、阿珠は天命に私の勝ちだと告げた。彼女は乾坤珠の本当の使い方を天命に問いただす。
天命が言うには、乾坤珠は契約書みたいなものらしい。二人が名前を書けばいいだけ。でも阿珠はそれをしまい、自ら戦いに加わる。
戦いの最中、阿珠が剣で刺されそうになった。それを庇ったのは青陽(チンヤン)だった。彼女は阿珠の目の前で倒れる。青陽は阿珠の手を掴む。あなたの血で救われた命だから、これで返したと。もう行かないで、と阿珠を引き留める。そんな話をしている間にも、阿炎(アーイエン)も敵の剣を受けてしまう。
阿炎はふらつきながら青陽の元へ歩み寄る。彼は青陽の手を握り、二人は寄り添って座り込んだ。来世では、お前が自由で幸せでありますようにと阿炎が言う。青陽も答える。あなたも来世ではお金持ちになって。金のために命を売らないでそう言い残して、青陽は息を引き取った。阿炎は待っててくれとつぶやき、彼女の隣で静かに逝った。
昭明(ジャオミン)の帰還と偽りの祝言
そこに、昭明(ジャオミン)が均天剣を手に現れた。彼は暴徒たちに告げる。下がれ。明日の生贄の儀式は行わないその一言で、人々は去っていった。阿珠は昭明の元へ駆け寄り、彼に抱きついて泣き崩れる。仲間を守れなかった、と。昭明は君はよくやったと優しく彼女を抱きしめた。
宮殿に戻った二人。阿珠は婚書を書き上げる。これに昭明が署名すれば、乾坤珠の契約が成立する。明日、あなたは神族と戦う。だから今日、夫婦になりたい阿珠はそう言って、昭明に署名を求めた。
昭明は聘礼(結納品)が必要だと言う。彼は、昔阿珠からもらった指輪を持ってきた。君がくれたものを、俺からの聘礼にするそう言って、彼は二つの杯に酒を注ぐ。阿珠は杯を交わす前に、まず婚書に署名してと頼む。
でも、昭明は気づいていた。この婚書が乾坤珠の契約書であることに。彼は阿珠の酒に、こっそり薬を入れた。何も知らない阿珠は酒を飲み干し、眠りに落ちる。昭明は君は正直者で、嘘がつけないなとつぶやいた。彼は婚書と乾坤珠を阿珠の枕元に置く。ゆっくりおやすみ。明日目覚めれば、すべて良くなっている
堕神となった昭明
翌日、昭明は一人で天界へ向かった。神皇(シェンホアン)と対峙した彼は宣言する。神族なき世こそ、我が畢生の願い彼は神皇(シェンホアン)をはじめ、そこにいた神族を皆殺しにした。神々は最期の瞬間に、昭明こそが自分たちが探し求めていた神子だと知る。
昭明は天命の元へも向かう。生き残った神々は、天命に昭明を罰するよう懇願した。天命書は昭明を堕神と断罪する。そして、彼を永遠に熔淵へ鎮圧することを決めた。
鎮圧されるその直前、昭明は自らの力をすべて解き放つ。その力は、地上のすべての人々に分け与えられた。一方、眠りから覚めた阿珠はすべてを知る。彼女は天界に乗り込み、天命と激しく戦った。彼のしたことは大義だ。あなたたちに情が分からないだけだ!阿珠はそう叫び、自ら人間界へと堕ちていった。
その頃、暮懸鈴(ルムー・シュエンリン)は阿珠の一生を見ていた。彼女は天命書を開く。魔尊となった昭明を救う方法を探すために。
第35話の感想
今回は本当に、息をするのも忘れるくらい辛い回だった。青陽と阿炎の最期は、もう涙なしには見られない。お互いの来世を願うセリフが、あまりにも切なくて胸が張り裂けそうになったよ。彼らの退場は、この物語の残酷さを一気に突きつけてきた感じがする。
昭明の行動も、愛ゆえなのは分かる。阿珠を犠牲にせず、一人ですべてを背負おうとした。でも、そのやり方があまりにも極端で、悲しすぎる。神族を皆殺しにして、自分は堕神になるなんて。阿珠を眠らせて一人で逝ってしまうなんて、残された方の身にもなってくれよ、と言いたくなる。
結局、誰も幸せになっていない。昭明は永遠に囚われ、阿珠は愛する人を失って一人で戦う道を選ぶ。彼の大義は、彼女にとって耐えがたい孤独しかもたらさなかった。この救いのない展開が、このドラマのすごいところでもあるんだけど、今はただただ心が痛い。
つづく


