呉将軍(ごしょうぐん)が仕掛けた罠にかかり、霍擎雲(かく・けいうん)は深手を負ってしまう。追手から逃れる中、彼は皇北霜(こう・ほくそう)に助けられた。皇北霜は、突然部屋を訪ねてきた那戦(なせん)の鋭い疑いの目から、命がけで霍擎雲をかくまう。看病をする中で、二人は互いの過去に触れ、その距離を縮めていく。一方、宮中では料理人に扮した謎の男・若問(じゃくもん)が暗躍を開始。格心薇(かく・しんび)もまた、ある目的のために新たな計画を進めていた。それぞれの思惑が水面下で交錯し、物語は新たな局面を迎える。

「漠風吟(ばくふうぎん) 偽りの公主、熱砂の愛」あらすじネタバレ12話

呉将軍の罠、霍擎雲(かく・けいうん)の絶体絶命

呉将軍ってやつ、性格が悪いよな。わざと蔵書閣の警備を甘くして、霍擎雲(かく・けいうん)をおびき寄せるんだ。もちろん、これは罠。霍擎雲も馬鹿じゃない。前に蔵書閣へ来た時、誰かがいたことに気づいてた。罠だと分かってても、行くしかない状況だったんだろう。

案の定、呉将軍の部隊と戦闘になる。霍擎雲はまず、若老っていう老人を密室に隠した。で、自分は囮になって敵を引きつける。さすがに多勢に無勢だ。腕を斬られてしまう。呉将軍は蔵書閣を完全に包囲した。もう逃げ場はない。

その時、どこからか暗器が飛んできた。兵士たちがひるんだ隙に、霍擎雲は脱出を図る。助けたのは若問(じゃくもん)っていう男だ。いい仕事するじゃないか。ただ、霍擎雲は逃げる途中で背中に矢を受けてしまう。これはヤバい。

皇北霜(こう・ほくそう)、命がけの救出劇

呉将軍は血の跡を追って、雲芳閣にたどり着く。その頃、皇北霜(こう・ほくそう)は庭で倒れている男を見つけた。それが血まみれの霍擎雲だった。彼女は急いで自分の部屋に彼を運び込む。

廉幻(れんげん)っていう侍女が矢を抜くんだけど、矢には毒が塗られてた。最悪だ。手当てをしようとした、その時。那戦(なせん)が突然部屋に乗り込んできたんだ。俺、マジかよって声が出たよ。

皇北霜の覚悟がすごかった。とっさに自分の手のひらを刃物で深く切るんだ。那戦(なせん)の注意を自分に向けるために。那戦は戸棚のあたりに血痕を見つけて、皇北霜を問い詰める。でも、彼女が血を流している手のひらを見せると、それ以上は追及しなかった。ギリギリの攻防戦。見てるこっちが心臓に悪い。

二人の距離が縮まる夜

那戦が去った後、皇北霜はすぐ霍擎雲の手当てを再開する。霍擎雲は痛みに耐えながら、皇北霜の手の傷に気づいた。自分の痛みをこらえて、逆に彼女の手当てをするんだ。俺のために危険なことをするなって。皇北霜は見殺しにできるわけないでしょって返す。もう、この二人のやり取りがたまらない。結局、霍擎雲は痛みで気を失ってしまう。

しばらくして、皇北霜は霍擎雲の脈を診る。毒矢のはずなのに、毒が回った様子がない。もしかして、毒が効かない体質なんじゃないかと彼女は気づく。

目が覚めた霍擎雲は、すぐにここを去ろうとした。でも皇北霜が引き止める。傷が治るまでここにいなさい、って。自分が贈った軟甲(インナーアーマーみたいなやつ)を着ろって言うんだ。なんだかんだ、心配なんだよな。

その夜、二人はテラスで酒を飲む。霍擎雲が飲んでたのは覇酒っていう特別な酒。どんな毒も解毒できるらしい。彼は子供の頃から、生き延びるためにこの酒を飲んできたと語る。父親から、正体を隠して生きろと言われた過去も。皇北霜は、彼も自分と同じで孤独な人間なんだと感じる。

話してるうちに、皇北霜がその覇酒を飲んで酔っぱらってしまう。そのまま、霍擎雲の胸に倒れ込んで眠ってしまった。霍擎雲は彼女を抱きとめながら、静かに誓うんだ。真実がすべて明らかになるまで、彼女を守り抜こう、と。

水面下で動く者たち

那戦の疑念

那戦は、霍擎雲を逃したことにブチ切れてる。皇北霜が何か隠してると、ほぼ確信してるみたいだ。呉将軍には、ひとまず若老を別の場所に移すよう指示した。用心深い男だよ、まったく。

若問(じゃくもん)の暗躍

霍擎雲を助けた若問は、宮中で料理人として潜入中だ。わざと塩辛い料理を作って、真渠幼佳(しんきょ・ようか)っていうお嬢様を怒らせる。そこに那戦がやってくる。那戦は若問を怪しんで手を調べさせるけど、料理でできたタコだと言ってごまかした。なかなかやるな、この男。

その後、若問は真渠幼佳(しんきょ・ようか)に自分の正体を明かす。山賊の仲間だと脅して、屋敷の中で自分に協力するように命令した。言うことを聞かないなら、顔に傷をつけるだけじゃ済まないぞって。完全に悪役のセリフ。面白いキャラだ。

格心薇(かく・しんび)の計画

一方、格心薇(かく・しんび)も動いてた。彼女は青楼(まあ、遊郭みたいな場所だ)を丸ごと買い取った。女将を脅して、無理やり権利書にサインさせてたな。ここを普通の酒楼に改装して、そこで働く女性たちの面倒を見るつもりらしい。彼女も彼女で、何か大きな目的があるみたいだ。

第12話の感想:傷だらけのヒーローと、守るための嘘

いやあ、今回はマジでハラハラした。霍擎雲がボロボロになりながらも戦う姿は、やっぱりカッコいい。でも、一番グッときたのは皇北霜だな。彼を助けるために、とっさに自分の手を切るなんて、普通はできない。那戦の鋭い追及をかわした時の肝の据わり方は、ただのお姫様じゃないってことを見せつけた。

霍擎雲も、自分が深手を負ってるのに皇北霜の手当てを優先するあたり、優しさがにじみ出てる。この二人のお互いを守りたいっていう気持ちが、セリフじゃなくて行動で示されるのがいいんだよ。那戦の嫉妬と疑いの目も怖くて、バレるかバレないかのスリルがたまらなかった。覇酒のエピソードで霍擎雲の悲しい過去が少し見えたのも、キャラクターに深みが出て良かったな。

脇役たちも一斉に動き出して、物語がぐっと面白くなってきた。特に若問。料理人になりすましておきながら、裏ではお嬢様を脅迫して協力者にするっていう二面性が最高だ。格心薇も何やら企んでるし、それぞれの思惑がどう絡んでいくのか、目が離せない。

つづく