緑洲の支配権を賭けた料理対決が迫る。皇北霜(こう・ほくそう)は勝利のため、霍擎雲(かく・けいうん)と共に伝説の元宮廷料理人を訪ね、秘策を授かろうとする。しかし、ライバルの真渠幼佳(しんきょ・ようか)や、裏で暗躍する若問(じゃくもん)からの妨害が彼女を襲う。食材を台無しにされ、絶体絶命のピンチに追い込まれる皇北霜。彼女は機転を利かせ、この窮地を乗り越えようと奮闘する。一方、霍擎雲との間には束の間の穏やかな時間が流れるが、それも長くは続かない。料理対決の裏では各勢力の思惑が複雑に絡み合い、新たな争いの火種が生まれようとしていた。
「漠風吟(ばくふうぎん) 偽りの公主、熱砂の愛」あらすじネタバレ14話
嵐の前の静けなさ、皇北霜(こう・ほくそう)の入浴騒動
霍擎雲(かく・けいうん)の部屋で風呂に入ってた。そこに真渠幼佳(しんきょ・ようか)が乗り込んでくる。お菓子を届けに来たとか、もっともらしい口実をつけて。皇北霜は今はダメって何度も断る。でも真渠幼佳(しんきょ・ようか)は聞く耳を持たない。何か隠してると勘ぐってるんだな。とうとう風呂場のカーテンを勝手に開けやがった。すると、中にいた霍擎雲(かく・けいうん)が思いっきり水を顔に浴びせる。さすがにそれで真渠幼佳も退散。いい気味だ。
その後、霍擎雲は気絶したフリ。皇北霜に心配してほしかったらしい。すぐにバレてたけど。彼は皇北霜に近づいてささやく。緑洲を手に入れるまで、そばで手伝うって。なんだかんだで、二人の距離は確実に縮まってる。
伝説の料理人を探せ!
料理対決がもうすぐだ。皇北霜は勝つための秘策を探していた。霍擎雲は彼女をある人物の元へ連れて行く。谷老先生。かつて那戦(なせん)の料理長だった男だ。今は引退して静かに暮らしている。
霍擎雲は料理を教えてくださいと頭を下げる。でもこの谷老先生、とんでもない頑固者だった。教えるつもりはないと、ピシャリと断られる。霍擎雲は力ずくでも、なんて考えたみたいだけど皇北霜が止めた。仕方なく二人は帰ろうとする。その時、皇北霜の目に庭の植物が留まった。この葉、土の風通しが悪いから元気に育たないんですね彼女がポツリとつぶやいた一言。これが谷老先生の心に刺さった。彼はハッとした顔で二人を呼び止める。そして、那戦(なせん)が一番好きだったという千絲貴を作って見せてくれた。それは、すごく細い麺料理だった。
束の間のデートと迫る影
霍擎雲は皇北霜を市場に連れ出した。二人の身分を忘れて、普通の男女みたいに。これはもうデートだな。皇北霜も素直にあなたに会えてよかったと感謝を伝える。いい雰囲気だ。でも霍擎雲は、ここで急に真顔になる。一通の手紙を彼女に渡した。これは遺書だ。俺が死にそうになるまで絶対に開けるなおいおい、不吉なこと言うなよ。完全にフラグじゃないか。
そんな二人の時間を邪魔するやつが現れる。格心薇(かく・しんび)に会いたいらしい。そのために華玉府に入れてくれと頼みに来た。本当に空気が読めない。皇北霜は久しぶりに格心薇(かく・しんび)と放浪しながらも、元気にやっていることを知った。
料理対決、妨害と逆転劇
皇北霜は料理対決の食材に活きのいい魚を選んだ。水槽に入れて、出番まで大事に育てておく。この様子を若問(じゃくもん)が遠くから見ていた。箱の中身までは分からなかったみたいだ。夜になって、若問(じゃくもん)はこっそり皇北霜の部屋に忍び込む。水槽の中が魚だと知ると、ニヤリと笑った。そして持っていた酒を水槽に注ぎ込む。これで魚は台無しだ。やることが本当にセコい。
対決当日。皇北霜は魚が死んでいるのを発見する。酒の匂いがした。誰かの仕業だとすぐに気づく。もう新しい食材を買いに行く時間はない。大ピンチだ。同じ頃、格心薇が屋敷に潜入して若問の前に現れた。料理、手伝ってあげる若問は彼女が料理できるなんて思ってもいなかった。ぶっきらぼうな態度を取りながらも、そばを離れない。
いよいよ審査の時間。真渠幼佳が出した鴨料理は那戦に褒められた。これで勝負あったかと思われた。だが、皇北霜が出した一皿が那戦をさらに驚かせる。それは谷老先生に教わった千絲貴だった。見事な逆転劇だ。
勝負の裏で交わされる密約
那戦は千絲貴を食べて大喜び。谷老先生が引退して以来、ずっと食べていなかったらしい。皇北霜はこれは改良版ですと説明する。那戦は彼女をすっかり気に入った様子。これで緑洲は皇北霜のものだ。そう思った矢先、呉将軍が口を開く。残念ながら、緑洲は奪えませんでした那戦もそれに合わせて言う。約束は果たせなくなった。この勝負は無意味だったなひどい。最初から約束を守る気なんてなかったんだ。皇北霜はショックを受ける。
そこに若問がやって来た。見たか。あいつらはグルだ彼は那戦と呉将軍の茶番を教えに来た。でも皇北霜はただ落ち込んでいるだけじゃない。彼女は若問をまっすぐ見つめて言った。なら、あなたが麻随(まずい)城を攻め落とせばいい。自分の国を持つのよこの一言が若問の心に火をつけた。彼はその気になった。単純な男だ。若問はすぐに行動を開始する。屋敷の金品を根こそぎ奪い、格心薇と一緒に姿を消した。
新たな火種、盗まれた武器
話は少し変わる。秦奪(しんだつ)の武器庫が盗まれる事件が起きていた。呉将軍がその犯人を追っている。手がかりをたどると、ある遊郭の女将に行き着いた。女将は犯人の名を白状する。蛮狐(ばんこ)その名を聞いた那戦の顔色が変わった。蛮狐(ばんこ)は、あの黄天狂のナンバー2だ。那戦は呉将軍に命じる。雲沛(うんはい)への警戒を最大限に強めろ、と。料理対決の裏で、もっと大きな戦いが始まろうとしていた。
今回の感想
いやあ、今回は情報量がすごかったな。料理対決がメインかと思ったら、その裏でいろんな奴らが動きまくってた。皇北霜と霍擎雲の市場デートは良かった。ベタだけど、霍擎雲が渡した遺書にはドキッとしたよ。頼むから死なないでくれって思う。
若問のキャラクターが本当に面白い。皇北霜の魚に酒を入れるなんてセコい真似をするくせに、格心薇には弱くて、皇北霜にはあっさり焚きつけられる。小物感がすごいけど、なぜか憎めないんだよな。
料理対決の展開はスカッとした。魚をダメにされてからの千絲貴での逆転勝ち。この流れは見ていて気持ちがいい。でも、その後の那戦と呉将軍の茶番には本気で腹が立った。勝者を讃えるどころか、最初から約束を反故にする気満々だったなんて。
最後の武器庫の話で蛮狐っていう新キャラまで出てきた。物語がどんどん大きくなっていく。麻随(まずい)、雲沛(うんはい)、天都(てんと)、そして黄天狂。一体どうなっちまうんだ。
つづく


