あらすじ
霍擎雲(かく・けいうん)の命を狙う新たな刺客が現れた。兄を装う劉啓(りゅう・けい)が、名医の助手として送り込んできた男だ。霍擎雲(かく・けいうん)はわざと重傷のふりをして、敵の出方を待つ。案の定、男は刃物で襲いかかってきた。
その頃、皇北霜(こう・ほくそう)は大きな決断を迫られていた。父である那戦(なせん)に捕らえられた厄娜泣(やくなき)一族を見捨てるつもりらしい。責任をすべて霍擎雲に押し付けている。皇北霜(こう・ほくそう)は我慢ならなかった。彼女は自ら兵を率いて、一族を救出すると宣言する。那戦(なせん)はそれを許可した。ただし、娘を駒としか見ていない。皇北霜の行動を監視させ、霍擎雲の弱点を探るための捨て駒にするつもりだ。
砂漠の真ん中で、霍擎雲と皇北霜は再会する。霍擎雲は想いを伝えた。でも、皇北霜の立場はあまりにも複雑だった。彼女は霍擎雲を冷たく突き放す。二人の愛は、それぞれの背負うものの前で、あまりにも無力だった。
ネタバレ
劉啓(りゅう・けい)の裏切りと口封じ
霍擎雲の元に、劉啓が医者を連れてきた。兄貴ヅラして心配するふりをしている。でも、その助手占別(せんべつ)は明らかに怪しい。霍擎雲は沙曲(さきょく)と示し合わせて、瀕死の重体を演じた。ベッドでぐったりしていると、占別(せんべつ)が案の定、匕首を抜いて襲いかかってきた。
霍擎雲はあっさりそれを取り押さえる。占別はお前が母を殺した!と叫んだ。莽流の令牌を見せてくる。霍擎雲は母親殺しを否定した。誰にそそのかされたのか問いただす。その瞬間だった。背後からスッと剣が伸びて、占別の体を貫いた。劉啓だ。占別は何も言えずに死んだ。劉啓のやつ、証拠隠滅のために仲間をためらいなく殺しやがった。とんでもないクズだ。
皇北霜の決意と那戦の非情
那戦は、霍擎雲が生きていると知ってイライラしていた。劉啓を役立たずと罵る。そこに皇北霜がやってきて、天都(てんと)に捕らえられた厄娜泣(やくなき)一族の解放を訴えた。那戦はそれは霍擎雲のせいだと責任転嫁する。助ける気はまったくない。
皇北霜はキレた。雲沛(うんはい)の夫人という身分を使い、自ら兵を率いて天都へ行くと申し出る。那戦はそれを許した。でも、その裏ではとんでもないことを考えていた。ついでに霍擎雲の首を取ってこいと娘に言い放つ。さらに部下に命じて皇北霜を尾行させた。必要なら殺せ、と。那戦にとって、皇北霜は霍擎雲の弱点を暴くための餌でしかない。父親のすることじゃない。
悲しすぎる決別
霍擎雲は、皇北霜が天都へ向かっていると知って会いにいった。彼女の天幕に忍び込み、自分の想いは本物だと伝える。でも、皇北霜は私情を挟むなと冷たい。霍擎雲はたまらず彼女を抱きしめ、キスをした。皇北霜は、まるで人形のように無反応だった。辛すぎる。
和談の日、二人は軍を率いて対峙した。霍擎雲はお前を行かせないと言う。皇北霜は、霍擎雲が大切にしている馬に剣を突きつけた。約束を果たせと迫る。そして、かつて霍擎雲が彼女に宛てた遺書を投げ返した。追い詰められた霍擎雲は、二人の愛の証だった信物を抜き放った剣で真っ二つにした。皇北霜は静かに言った。これで、二度と会うことはないと。
若問(じゃくもん)の正体、衝撃の事実
皇北霜と決別した霍擎雲は、酒に溺れて荒れていた。そんな彼を容老(ようろう)が慰める。そして、昔の話を始めた。霍擎雲には、かつて身代わりがいた。安児(あんじ)という名の子供だ。若伯が狸猫換太子の計で用意し、霍擎雲の代わりに死んだとされていた。
容老(ようろう)はその安児(あんじ)の左肩に、梅花の形の印があったと話す。その印の形を描いて見せた。霍擎雲はそれを見て凍りついた。その印を、彼は見たことがある。若問(じゃくもん)の左肩で。安児は生きていた。若問こそが、死んだはずの身代わりだったんだ。
物語が大きく動いた。でも、事態はさらに悪化する。皇北霜が自陣へ戻る途中、黄天狂兵団に囲まれ、人質にされてしまった。その頃、劉啓はまた新たな暗殺計画を立てていた。もうめちゃくちゃだ。
感想
今回の19話は、マジで心臓に悪かった。特に霍擎雲と皇北霜の決別シーンは、見ていて胸が張り裂けそうだったよ。愛し合っているのに、お互いの立場がそれを許さない。霍擎雲が思い出の品を断ち切るシーンなんて、彼の心の叫びが聞こえてくるようだった。皇北霜も、本当は霍擎雲を愛しているのに、それを押し殺して冷たい態度をとるしかない。彼女の背負っているものが重すぎる。
那戦の非情さもここにきて極まった感じだ。娘(血は繋がってないけど)ですら、平気で駒として使い、殺せとまで言うんだから。権力のためなら何でもする。彼の底知れない闇が怖い。
そして、最後の最後で明かされた若問の正体。これは衝撃だった。ずっと霍擎雲のそばにいた彼が、まさか死んだはずの身代わりだったなんて。この事実が、今後の物語にどう影響してくるのか。もう気になって仕方ない。恋愛の切なさと、政略のドロドロが一気に加速した、本当に見ごたえのある回だった。
つづく


