玄烈(げんれつ)の助言を受けた孫昭敏(そんしょうびん)に刺繍を教えてほしいと頼み込む。綺羅はこれを好機と捉え、北泫での商売の足がかりを作ろうと計画。二人は協力して刺繍工房銀繍坊を開設する。綺羅はその卓越した技術で、当初の反対意見や疑いの声をねじ伏せる。工房は順調に滑り出したかに見えた。だが、彼女の成功を快く思わない者の陰謀が静かに動き出す。工房で起きた事件をきっかけに、綺羅は大きな困難に直面することになる。
「相思令(そうしれい)~君綺羅と玄烈~」あらすじネタバレ5話
第5話:刺繍がつなぐ未来と、迫りくる悪意
玄烈(げんれつ)の提案、綺羅のビジネスチャンス
玄烈(げんれつ)が、涼州の統治に悩む孫昭敏(そんしょうびん)にアドバイスする。武芸だけじゃダメだ。確かにその通り。力だけじゃ人はついてこない。そこで玄烈が提案したのが、君綺羅(くんきら)の活用だった。彼女は焱南の名家の令嬢。刺繍の腕はピカイチだ。その技術を涼州の民に教えて、産業にすればいい。民は豊かになり、一石二鳥だ。孫昭敏(そんしょうびん)はこのアイデアに飛びついた。
さっそく孫昭敏は、北泫の珍しい食べ物をたくさん持って綺羅の部屋を訪ねる。なんとか彼女に取り入ろうとするわけだ。でも綺羅は、口に合わないとやんわり断る。この二人のやり取り、性格の違いが出てて面白い。孫昭敏が本題を切り出す。刺繍を教えてほしい。綺羅はすべてお見通しだった。
もちろん、綺羅はただで教えるようなお人好しじゃない。すぐに玄烈のもとへ向かう。刺繍を教える代わりに、君家の商売を北泫でやらせてほしい。これが彼女の出した条件だ。玄烈もこれをあっさり承諾する。刺繍産業の利益も分け合う約束までした。こうして二人の利害が完全に一致した。
銀繍坊、波乱の幕開け
綺羅と孫昭敏は、刺繍工房銀繍坊を立ち上げる。すぐにたくさんの人が集まってきた。でも、いいことばかりじゃない。食べるものにも困っているのに、刺繍なんてやってる場合か。民衆からそんな声が上がる。まあ、その気持ちもわかる。
ここで綺羅が前に出る。彼女は堂々と民衆を説得し始めた。刺繍で稼いだ金で、焱南から食料を買えばいい。通商が始まれば、みんなが豊かになれる。綺羅の言葉には力があった。玄烈も彼女を後押しする。民衆の不安は少しずつ消えていった。
工房はなんとか始まった。今度は商人たちが綺羅の腕を疑い始める。口先だけじゃないのか、と。綺羅は少しも動じない。その場で布と針を取り、見事な両面刺繍を披露してみせた。その技術の高さに、誰もが息をのむ。疑っていた商人たちも、手のひらを返したように注文を入れ始めた。
仕組まれた罠と、奪われた希望
奚莫(けいばく)がこの一件を兄の奚長昆(けいちょうこん)に報告する。奚莫(けいばく)は面白くないって顔だ。でも奚長昆(けいちょうこん)は余裕の表情。どうやら、すでに対策を考えているらしい。嫌な予感がする。
その予感は的中した。銀繍坊で刺繍係の女性が突然病で倒れた。原因は、病気の獣の皮に触れた布。これは事故じゃない。明らかに誰かが仕組んだ罠だ。
案の定、奚長昆がここぞとばかりに綺羅を責め立てる。玄烈はすぐに綺羅をかばった。そんな馬鹿げた話があるか。彼の剣幕に、周りは何も言えなくなる。治療に必要な薬草玄参は、なぜか市場から姿を消していた。買い占められたんだ。完全に追い詰められた状況。
綺羅はここで諦めなかった。私が玄参を見つけてくる。彼女は商人たちの前で固く約束する。納期も必ず守ると。その強い意志に、商人たちも納得するしかなかった。
綺羅と玄烈は薬屋を回る。どこも売り切れだった。残された道は一つ。山に入って、野生の玄参を自分たちで探すしかない。二人は険しい山道を進む。苦労の末、ついに一株の玄参を見つけ出した。その瞬間、何者かが二人を襲う。綺羅は崖から落ちそうになり、やっと手に入れた玄参も奪われてしまった。
第5話の感想:ビジネスと恋の駆け引きが加速!
今回は綺羅のビジネスウーマンぶりが炸裂した回だったね。ただのお嬢様じゃない。頭がキレるし、度胸もある。玄烈相手に堂々と通商の約束を取り付ける姿は見ていて本当に気持ちがいい。民衆の前で演説したり、疑う商人の前で腕前を披露したり、彼女の行動力には感心するばかりだ。
玄烈も、だんだん綺羅に惹かれているのが隠せなくなってきた。口ではなんだかんだ言いながら、いざという時は全力で彼女を守る。奚長昆が綺羅を非難した時の剣幕はすごかった。山で二人きりになって薬草を探す展開も、王道だけどやっぱりドキドキする。
一方で、奚長昆の陰謀が本格的に動き出して、一気に不穏な空気になった。やり方が本当に陰湿。布に細工したり、薬を買い占めたり、どこまでやるんだか。綺羅と玄烈がこの最大のピンチをどう乗り越えるのか。二人の絆が試されるね。
つづく