夜宴襲撃事件の黒幕、礼宗旭(れいそうきょく)への反撃がついに始まる。元少城(げん しょうじょう)は直接対決に臨み、葉平安(よう・へいあん)たちもそれぞれの持ち場で計画を実行に移す。宮廷内では事件の真相究明が進み、元少城の嫌疑が晴れるかどうかが焦点となる。一方、復讐に身を投じる葉平安は、仲間を危険に巻き込むことへの恐怖に初めて直面する。そんな彼女に元少城が寄り添う。大きな山場を越えた後、張り詰めていた元少城の心身に異変が起き、葉平安が彼を支えることになる。

「掌心」あらすじネタバレ17話

悪党たちの末路、それぞれの結末

まず、裏切り者の辛俊(しん しゅん)からだ。あいつは仲間を売ったのに、まったく反省していなかった。それどころか顧文宇(こ・ぶんう)を殺して口封じしようとする。まあ、そんなことできるわけないよな。顧文宇(こ・ぶんう)の方が何枚も上手だった。結局、辛俊(しん しゅん)は自分で自分を追い詰めて死んだ。なんともあっけない最期だった。

一方、霓裳(げいしょう)は計画通りに動く。彼女は礼乾兆(れい・けんちょう)の酒に、幻覚作用のある薬草をこっそり入れた。礼乾兆(れい・けんちょう)は恐ろしい幻に襲われる。そのまま酔って、水に落ちて溺れ死んだ。見事な手際だ。

親玉の礼宗旭(れいそうきょく)も、今回は散々な目に遭う。元少城(げん しょうじょう)に祭祀の場で捕まって、本気でボコボコにされた。あと一撃で殺される、っていうところで葉平安(よう・へいあん)が止めた。葉平安(よう・へいあん)は通泉御史事件について聞き出そうとする。でも、その寸前で礼宗旭(れいそうきょく)の護衛が駆けつけて、彼を連れて逃げてしまった。惜しいところだったな。屋敷に運ばれた礼宗旭は重傷だ。そこへ息子の礼乾兆が死んだという知らせが届く。さすがにこたえたんだろう。血を吐いて、そのまま気絶した。

復讐の先にある恐怖

作戦は一応の成功を見た。陸丹心(りくたんしん)たちは酒を飲んで勝利を祝う。でも、葉平安の顔だけは晴れない。彼女は一人、亡くなった采蓮(さいれん)の墓の前にいた。そこで静かに酒を飲んでいたんだ。

復讐を決意して都に来てから、彼女は初めて怖いと感じたらしい。自分の復讐のせいで、周りの人が危険に巻き込まれていく。また誰かが死ぬかもしれない。そのことが、彼女を不安にさせていた。

そこへ元少城(げん しょうじょう)がやってくる。彼は何も言わず、ただ彼女の隣に座る。そして、金と玉でできた綺麗な簪を彼女に贈った。不器用だけど、彼なりの優しさなんだろうな。二人の距離が少し縮まった瞬間だった。

宮廷の駆け引きと新たな動き

宮廷でも大きな動きがあった。伍安康(ごあんこう)の父、伍由敬(ごゆうけい)は元少城のことを高く評価している。息子にも、彼を見習えと言わんばかりだ。その父の助言で、伍安康(ごあんこう)は朔丹の伽月(かげつ)公主に会いに行く。彼は正直に、あなたに気はないと伝えた。伽月(かげつ)公主も、無理強いはしないと受け入れる。これで二人の婚約の話は完全になくなった。

朝廷では、夜宴の襲撃事件の真相が報告される。主犯は礼宗旭で、元少城は無関係だったと証明された。皇帝は元少城の無実を認める。代わりに、淳陽王が伽月公主と結婚することになった。二人は朔丹に帰り、そこで祝言をあげるらしい。一件落着、という形に落ち着いたわけだ。

癒しと、解けない心の闇

元少城は官職に復帰した。でも、ずっと張り詰めていた糸が切れたんだろう。急に体調を崩して倒れてしまった。毎晩のように悪夢にうなされる。

葉平安が彼の診察をすることになった。元少城は彼女にだけは心を開く。長年、彼を苦しめてきた心の闇を打ち明けた。葉平安の治療で、彼の心は少し軽くなったようだ。

でも、葉平安自身も心の闇を抱えている。そのことは誰にも、元少城にさえ話さない。二人は、礼宗旭が罰せられないことについて話す。皇帝が彼を罰しないのは、まだ利用価値があるからだ。元少城はその事実に気づいていた。本当に厄介な話だよ。

元少城は葉平安の入夢術の力を知っている。なぜその力で直接、犯人を追わないのかと尋ねた。葉平安は静かに答える。試したことはある、と。でも真相に近づけば近づくほど、見えるのは人の心の暗闇だけ。そんな闇を人が裁くことはできない。それを裁けるのは、国の法だけだと彼女は信じている。

第17話の感想

今回は、悪役たちが一気に追い詰められる展開で見ていて気持ちよかったな。特に礼宗旭が息子を失って倒れるところは、少しだけ溜飲が下がった。でも、肝心の礼宗旭本人はまだ生きている。皇帝に利用価値があるから罰せられないっていうのも、すごく不気味だ。結局、正義が簡単には勝てない世界なんだよな。

葉平安が初めて弱音を吐いたシーンは、このエピソードで一番印象に残った。いつも気丈な彼女が怖いって言うから、こっちまで胸が締め付けられたよ。復讐の重圧と孤独がひしひしと伝わってきた。そんな彼女に元少城が寄り添って簪を贈る場面は、このドラマの数少ない癒やしだ。

その元少城も、緊張が解けて倒れちゃうくらいギリギリだったんだな。葉平安が彼を癒やすことで、二人の絆がまた一つ深まった感じがする。ただ、彼女自身の心はまだ固く閉ざされたまま。彼女が言う法がどこまで頼りになるのか。この問いが、今後の物語の核心になっていきそうだ。

つづく