葉平安(よう・へいあん)は、塩の不正を暴くため伍安康(ごあんこう)と協力する。しかし、彼らの計画は相手に先読みされ、失敗に終わってしまう。一方、妹のように思っていた陸丹心(りくたんしん)との関係は修復不可能なほどに悪化。平安は丹心によって命の危機に晒される。さらに、母親代わりの人物も彼女の元を去り、平安は完全に孤立無援の状態に。そんな中、過去の事件の首謀者だという濡れ衣まで着せられてしまう。味方が誰もいない状況で、彼女が頼れるのは元少城(げん しょうじょう)だけ。だが、彼もまた重大な決断を迫られていた。
「掌心」あらすじネタバレ20話
塩倉の罠、暴かれたはずが…
葉平安(よう・へいあん)、動いたよ。侍女にちょっと金を握らせて、あっさり情報をゲット。ターゲットの徐清(じょせい)が東橋の塩倉にいることを突き止めた。で、すぐに現場に急行。こっそり忍び込んだら、そこで伍安康(ごあんこう)とバッタリ。彼も鍵を盗んで潜入してたらしい。金持ちの坊ちゃんも、やるときはやるってことか。
伍安康(ごあんこう)は一足先に塩倉の中を調べてた。そしたら、塩袋のはずが中身は砂だらけ。少なくとも十数袋はあったみたいだ。これはもうクロだろ。龔紹(きょうしょう)と徐清(じょせい)がグルになって、塩と砂をすり替えてる。だから塩倉の警備もザルだったわけだ。なるほどね。
二人はここで即席タッグを結成。伍安康が徐清の足止めをして、その間に平安が元少城(げん しょうじょう)に知らせに行く。人を連れてきてもらって、不正の現行犯で徐清を捕まえようっていう作戦だ。完璧な計画に見えた。この時までは。
ところが、来た元少城(げん しょうじょう)が連れてたのは、たったの一人。え、マジで?ってなるよな。彼の目的は逮捕じゃなかった。伍安康に今は動くな、相手に気づかれるだけだと警告しに来たんだ。でも、血気盛んな伍安康は聞く耳を持たない。徐清と龔紹(きょうしょう)の目の前で塩倉を調べさせろってやっちゃった。
結果は最悪。さっきまで砂だった袋が、いつの間にか全部ちゃんとした塩に入れ替わってた。完全に証拠隠滅された後だった。これで相手は完全に警戒モードに入るだろう。伍安康は怒りに震えながらその場を去るしかなかった。
決裂する姉妹
その頃、陸丹心(りくたんしん)は一人で采蓮(さいれん)の墓の前にいた。紙銭を燃やして、何を思ってたんだろうな。そこに、顧二娘(こじじょう)と老鬼(ろうき)がやって来る。顧二娘(こじじょう)は丹心を止めようとした。今は仲間内で争ってる場合じゃないって。でも、今の丹心にはもう何も届かない。完全に聞く耳を持たない状態だった。
顧二娘の占いも、相変わらず解決策を示してくれない。老鬼(ろうき)は、師匠の元に帰って助けを求めるように彼女に勧めてた。なんだか、こっちも不穏な空気が漂ってる。
邙溝橋の悲劇
平安が安心館に戻ると、陸丹心(りくたんしん)からの置き手紙があった。内容は戌の刻に邙溝橋で会おう。呼び出しか。嫌な予感しかしないよな。
その頃、元少城はちょっといいニュースを聞いてた。邙溝の人たちが天聖塔の建設作業から解放されたんだ。彼は刑部侍郎の趙峰に礼を言った。でも趙峰は、康平王(こうへいおう)が弊害のほうが多いって皇帝に直訴してくれたおかげだと明かした。裏で動いてくれる人もいるんだな。
平安は約束通り、邙溝橋に姿を現した。元少城は偶然、陸丹心が邙溝橋に向かったと知る。彼は直感した。これはヤバい、と。急いで橋に駆けつけた彼が見たのは、信じられない光景だった。
陸丹心が、弩(いしゆみ)を構えていた。その矢は、至近距離から平安の体を貫いた。
平安は衝撃で川に落ちていく。陸丹心は冷たくその場を去った。それを見届けた元少城は、ためらうことなく川へ飛び込み、平安を助け出した。
孤立する平安、元少城の決断
顧二娘は、もう見ていられなかった。平安と丹心が殺し合うなんて。自分が平安の足手まといになるのも嫌だった。彼女は手紙を残して、姿を消した。一番身近な人までいなくなって、平安は泣き崩れた。周りにはもう誰もいない。
完全に孤立した平安。彼女が最後に頼ったのは、元少城だった。御史事件の再調査を、君に担当してほしい、と。そうすれば君は手柄を立てられるし、梅党からも疑われない。彼女は必死に協力を求めた。元少城は即答しなかった。考えさせてくれとだけ言った。
一方、平安が生きていると知った海宜平(かいぎへい)は、次の手を打つ。陸丹心に、新たな訴状を書かせた。内容は衝撃的だ。葉平安(よう・へいあん)、当時の名は顧清こそが、通泉県で起きた少女誘拐事件の首謀者だと。その訴状はすぐに都中に貼り出され、民衆は大騒ぎになった。
海宜平(かいぎへい)は丹心を連れて、大理寺卿の郭義(かくぎ)に直談判。丹心が訴状を渡し、海宜平が彼女こそ御史事件の生き証人だと証明した。外堀がどんどん埋められていく。
元少城はずっと迷っていた。平安を助けるべきか。皇帝の言葉が頭をよぎる。一番安全なのは、海宜平について、平安から離れること。平安を助けるのは、自分の全てを捨てる覚悟がいる。彼はついに、銅銭を取り出した。迷った時は、天に任せる。
机の上で弾かれた銅銭が、音を立てて止まる。上を向いていたのは、文字のない面。
それは、助けないという答えだった。
感想
いやもう、今回は平安にとって地獄みたいな回だったな。信じてた姉妹に命を狙われ、母親代わりの顧二娘には去られ、完全に一人ぼっち。不正を暴こうとした計画も失敗して、逆に過去の罪を着せられるとか、どんだけ追い詰めるんだよって。見てるこっちが辛くなる。
陸丹心の変貌ぶりがすごい。もう完全に後戻りできないところまで来ちゃった。彼女の行動は、憎しみからなのか、それとも誰かに操られているだけなのか。どっちにしても悲しいよ。
そして元少城。彼の葛藤がリアルだった。平安を助けたい気持ちと、自分の立場を守りたい気持ち。その間で揺れ動いて、最後はコイントスに委ねるってのが、彼の弱さと人間臭さを表してる。でも、その結果が助けないって…。マジかよ。平安、これからどうなっちゃうんだ。本当に四面楚歌。ここからどうやって逆転するのか、まったく想像がつかない。
つづく


