輸送中の軍餉が、亡霊の噂が立つ山道で忽然と姿を消した。酷吏の厲俊(れい・しゅん)が力ずくで犯人を追う一方、元少城(げん しょうじょう)は冷静に状況を分析し、事件の裏に潜む巧妙な計画を察知する。そんな中、葉平安(よう・へいあん)は皇帝から掌心使に任命され、捜査の権限を手に入れた。彼女は大胆な方法で軍餉を隠し、追っ手を翻弄する。元少城は平安の策略に気づき、二人の静かな頭脳戦が始まる。都の権力者たちも動き出し、事態はさらに複雑な様相を呈していく。

「掌心」あらすじネタバレ3話

今回の主な流れ

消えた軍餉と亡霊の噂

厲俊(れい・しゅん)っていう役人が出てきた。いかにもな酷吏(こくり)って感じの男だ。彼は軍餉(ぐんしょう)を運んでいた役人を捕まえる。すぐにでも拷問して情報を吐かせようとする。短気なやつだな。

元少城(げん しょうじょう)は違う。彼は冷静だ。輸送官に道中おかしなことはなかったか尋ねる。輸送官は通泉県(つうせんけん)で奇妙な童謡を耳にしたと話した。

その通泉県では、十数年前に大きな事件があったらしい。監察御史(かんさつぎょし)だった余乾(よ・けん)っていう男が放火事件を起こした。彼は処刑された。一族三十人以上も斬首されたというから、かなり重い話だ。

今、その辺りでは変な噂が流れている。死んだ余乾が亡霊になって、自分が焼き殺した女の魂を操っている。山道を通る人間に害をなしている、と。

輸送部隊は夜の山道で濃い霧に遭遇した。不気味な笑い声と鬼のような影に襲われる。兵士たちは完全にパニックになって気絶した。目が覚めたら、軍餉を積んだ馬車が消えていた。

厲俊は単純だ。すぐに車輪の跡を追って山の中を探し始める。まあ、普通はそう考えるよな。

平安の仲間たちと巧妙な隠し場所

場面は変わって、陸丹心(りくたんしん)の隠れ家。葉平安(よう・へいあん)が新しい仲間、霓裳(げいしょう)を紹介している。彼女たちも、あの御史事件の被害者だった。なるほど、復讐のために集まったわけか。

陸丹心(りくたんしん)と采蓮(さいれん)は、蝶のペンダントをしていた平安を先に見つけた。それから一緒に都へ来て、ずっと機会をうかがっていた。

軍餉を奪ったのも、もちろん平安たちの計画だ。でも、軍餉は山には隠されていない。都で一番貧しい地区、邙溝(ぼうこう)に運ばれていた。これは意表を突く作戦だ。

元少城(げん しょうじょう)はやっぱり頭が切れる。車輪の跡が浅いことに気づいた。荷物を降ろした後だからだと見抜いたんだ。彼は厲俊に、山を探しても無駄足になるかもしれないと忠告する。

邙溝は賤籍(せんせき)の人々が暮らす場所。実は元少城(げん しょうじょう)もそこの出身らしい。賤籍から役人にまでなったのは彼だけだ。だから、何か勘が働くのかもしれない。

平安は軍餉を河道に沈めて隠した。さらに陸丹心(りくたんしん)にクラゲを川に撒かせる。これで、捜索に来た船頭たちは何も見つけられない。厲俊はまんまと騙されて、また山に注意を戻す。でも元少城は河道から目を離さない。手強い相手だ。

皇帝からの勅命と新たな権力

そこに伍顯兒(ごけんじ)がやってくる。今度は皇帝からの勅命を持ってきた。なんと、葉平安(よう・へいあん)を掌心使(しょうしんし)に任命するという。捜査に協力し、ある程度の自由な行動を許される権限だ。いきなりすごい出世だな。

平安は早速、掌心使の令牌(れいはい)を元少城に見せつける。別の手がかりを与えて、彼を河道から引き離そうとする。いわゆる陽動作戦だ。でも元少城は動かない。この男、本当にしぶとい。

一方、鄭杜梁(と・りょう)という新しい男が平安を警戒し始める。彼女の背後に梅党(ばいとう)という勢力がいると疑っている。話がどんどん大きくなってきた。

平安は考えた。元少城は今、杜梁と組んでいる。だったら、彼らを仲間割れさせればいい。彼女は齊君山(せい・くんざん)という人物に情報を流す。齊君山は杜梁側の賭博場を襲撃し、軍餉の一部を見つけ出した。

その頃、元少城は部下の恋の相談に乗っていた。いい上司じゃないか。でも、賭博場が襲われたと聞いて急いで馬を走らせる。その帰り道、杜梁の部下たちに捕まってしまった。

杜梁は元少城を捕らえて拷問にかける。軍餉のありかを吐かせようと必死だ。彼は賤籍出身の元少城を完全に見下している。虫けらを潰すのと同じだと考えている。元少城、最大のピンチだ。

感想

いやー、今回も面白かったな。平安の頭の良さには毎回驚かされる。軍餉を奪うだけじゃなくて、隠し場所から追手の欺き方まで、全部計算され尽くしてる。クラゲを撒くなんて、誰が思いつくんだよ。

それに対する元少城も負けてない。他の連中が亡霊だの山の捜索だので騒いでる中、一人だけ冷静に本質を見抜いてる。この二人の頭脳戦が本当に見ごたえある。

それにしても、平安がいきなり掌心使になる展開は驚いた。皇帝、ずいぶん気前がいいな。これで平安は表立って動けるようになった。物語が大きく動き出す感じがする。

最後の元少城が捕まって拷問されるシーンはキツかったな。あれだけ切れる男が、出自のせいで見下されてボロボロにされる。彼がこの屈辱をどう乗り越えるのか。ここからどう反撃するのかがすごく気になる。

つづく