枕楼の女主人・香暗荼(シアン・アン・トゥー)に協力を断った蔵海(ザンハイ)は、彼女が都に流した悪評に悩まされる。復讐計画への影響を恐れた蔵海は、香暗荼に謝罪し、噂を収めてもらうことで取引する。一方、蔵海は三人目の仇の情報を得るため、新たな計画に着手していた。彼の次のターゲットは、父・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に疎まれている放蕩息子の荘之行(ジュアン・ジーシン)。彼を後継者に仕立て上げ、侯爵家の懐に潜り込む算段だ。蔵海は巧みに荘之行に近づくが、荘之行は蔵海の正体が、かつて自分が知る少年・稚奴(ジーヌー)であることを見抜いてしまう。父への復讐心を知った荘之行は、蔵海に都を去るよう迫る。
「蔵海<ザンハイ>伝」あらすじネタバレ11話
噂と取引、そして新たなターゲット
枕楼の女主人、香暗荼(シアン・アン・トゥー)に声をかける。私の仲間になれって感じだね。でも蔵海(ザンハイ)は、あっさり断る。そりゃそうだ、彼には彼の目的があるんだから。
この対応に香暗荼(シアン・アン・トゥー)はキレた。彼女は蔵海が莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の力を強めることを恐れている。そうなれば戦争が起きて、彼女の故郷がめちゃくちゃになるかもしれない。だから彼女は実力行使に出た。
八公子っていう情報屋みたいなやつを使って、都中に噂をばら撒かせたんだ。蔵海は莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の隠し子らしいぞってね。この噂はあっという間に広がった。蔵海もさすがに焦る。復讐計画に支障が出るから。
彼はすぐさま枕楼へ向かった。香暗荼に直接会って、頭を下げる。あの時は悪かった。どうか噂を止めてくれと。香暗荼は蔵海の魂胆をまだ疑っている。それでも、噂を止めることには同意した。この取引が、後々どう転がるか見ものだね。
狙いはまさかのダメ息子
さて、蔵海はもう次の手を考えていた。3人目の仇の情報を手に入れるための策だ。高明(ガオ・ミン)と相談して、莊蘆隱が一番信頼している人物を操ることに決める。
そこで名前が挙がったのが、莊蘆隱の息子の荘之行(ジュアン・ジーシン)。ただこの男、父親からは嫌われている。周りからはただの遊び人だと思われている。普通ならターゲットにしないよな。
でも蔵海は違った。こいつしかいないって言うんだ。ダメ息子だからこそ利用価値がある。自分が彼を侯爵家の後継者として押し上げる。そうすれば、父親の懐に深く潜り込める。疑われることもない。本当に、蔵海の頭の回転はすごいよ。
蔵海の正体、ついにバレる
蔵海は計画通り、荘之行(ジュアン・ジーシン)に近づいていく。風呂場で周りから悪口を言われているところを、すっと助け舟を出した。これでまず恩を売る。
彼は荘之行をおだてる。君は侯爵家の主人になる器だと。最初は興味なさそうだった荘之行も、だんだんその気になってくる。蔵海はさらに決定的な一手を打った。継母の蒋襄(ショウ・ジョウ)がつけていた帳簿を見せるんだ。
そこには、荘之行が使った金が豚が持っていったと書かれていた。蒋襄(ショウ・ジョウ)がわざと彼を堕落させようとしていた証拠だ。これを見た荘之行は、ついに怒りで目が覚めた。
でも、荘之行はただの世間知らずじゃなかった。ここからが今回のすごいところ。彼は蔵海を酒に誘う。そして、ある薬酒を飲ませたんだ。
すると、蔵海の背中にあった鞭の痕が、くっきりと浮かび上がってきた。その傷跡には見覚えがあった。昔、自分がつけた傷だ。荘之行は静かに言った。お前、稚奴(ジーヌー)だろ。蔵海ももう隠せない。観念して、自分の正体を認めた。ああ、ついにバレてしまったか。
友か、敵か。荘之行の決断
荘之行は、実は昔から知っていた。自分の父親が、蔵海の一家を皆殺しにした犯人だということを。でも、莊蘆隱は彼にとってたった一人の父親だ。復讐させたくはない。
彼は蔵海に告げる。この都から出ていけ。侯爵家からも去れ。一日だけ待ってやる。これは、荘之行なりの優しさだったのかもしれない。友を殺さずに済む、唯一の道を示したんだから。
蔵海はすぐに高明(ガオ・ミン)の元へ行く。高明の答えはシンプルだ。殺して口を封じろ。でも蔵海はためらう。一度は友だった男だ。簡単には決められない。
その夜、荘之行は亡き母の墓を訪れていた。蔵海は、彼の後を静かにつけていた。そして、ついに心を決める。懐から機関匣を取り出し、荘之行に狙いを定めた。
感想
今回は完全に荘之行の回だったな。今までただの遊び人だと思ってた君、謝った方がいいぞ。俺もだ。彼がこんなに切れる男だとは、誰も予想してなかったんじゃないか。薬酒を使って蔵海の正体を暴くシーンは、本当に痺れたよ。どんな策士だよ。蔵海も少し油断してたんだろうな。
香暗荼の過去も明らかになった。彼女が莊蘆隱をあれほど敵視する理由がはっきりしたね。故郷を滅ぼされ、人質として敵国に連れてこられた姫だったなんて。彼女の行動一つ一つに重みが増した。
でも、やっぱり一番の見どころは荘之行の葛藤だ。父親が許せない悪人だと分かっている。でも、血を分けた唯一の家族だから守りたい。この気持ち、すごく人間臭くて共感してしまう。彼が蔵海に出ていけと告げた時、そこには友情と苦悩が詰まっていた。
なのに、最後の最後で蔵海が彼を殺そうとする。この非情さ。復讐という目的の前では、友情なんて脆いものなのかもしれない。どっちの立場もつらすぎて、見てるこっちが苦しくなる。このドラマのこういう容赦ないところが、たまらなく好きなんだよな。
つづく
