あらすじ
蔵海(ザンハイ)が次に目をつけたのは、なんとあの荘之行(ジュアン・ジーシン)だった。そう、平津侯府の放蕩息子だ。お互い家族の仇を討つっていう目的が一致して、二人は手を組むことにした。蔵海(ザンハイ)の計画はこうだ。まず荘之行(ジュアン・ジーシン)が、年に一度の歩打毬(ぶだきゅう)っていう競技会で優勝する。それで父親の莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に認めさせて、後継者の地位を固める。壮大な計画だよな。
でも、蔵海には金がない。荘之行をスターに仕立て上げるための資金集めだ。そこで蔵海は、戦枕楼の女主人、香暗荼(シアン・アン・トゥー)に協力を頼みに行く。
香暗荼(シアン・アン・トゥー)は話を聞くなり大爆笑。あの遊び人をパートナーに選ぶなんて、あんた正気?って感じだ。そりゃそう思うよな。京城一のダメ息子として有名なんだから。でも蔵海は引かない。香暗荼に逆に提案するんだ。荘之行が勝つか負けるかで賭場を開けばいい。もし勝ったら、あいつが使ったもの全てが宣伝になる。大儲けできるぞって。この交渉術、さすがだよ。香暗荼も商売人だ。この話に乗ることに決めた。
その頃、当の荘之行は酒場で飲んだくれていた。蔵海はそいつを引っ張り出して、豚小屋に叩き込む!母親の仇を忘れたのか!って一喝されて、荘之行もようやく目が覚めた。そこから地獄の特訓が始まる。拾雷(シーレイ)と観風(グアンフォン)がコーチになって、毎日クタクタになるまで体をいじめ抜く。
そして二ヶ月後、試合当日。荘之行のチームは青いユニフォームで登場だ。最初は相手の赤チームに押されまくる。でも、馬鹿にされて逆に火がついた荘之行が、鬼神のごとき活躍を見せる。仲間と連携して、次々と点を決めていく。結果は、見事な逆転勝利!
この勝利で、荘之行は一夜にして京城のヒーローになった。賭けで大儲けした連中も大騒ぎだ。父親の莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)も大喜びで、蔵海を連れて息子の元へ駆けつける。
ネタバレ
ここからが本番だ。試合会場には、皇帝の代理として曹静賢(ツァオ・ジンシエン)っていう大物が来ていた。こいつが荘之行を表彰するんだけど、その場で蔵海に目をつける。なかなか面白そうな男だって感じで、自分の部下に引き抜こうとするんだ。莊蘆隱は慌てて断るけどな。
莊蘆隱は蔵海に忠告する。曹静賢(ツァオ・ジンシエン)はヤバい奴だ。絶対に関わるなって。でも、機嫌を損ねるわけにもいかないから、蔵海に贈り物を届けさせることにした。蔵海にとっては、これ以上ないチャンスだ。仇の一人かもしれない曹静賢に、堂々と近づけるんだから。
一方、曹静賢は蔵海を手に入れられなくてイライラしていた。そこに、あの儲懐明がやってくる。案の定、曹静賢に蔵海の悪口を吹き込んで、排除してくれと頼み込んだ。本当に腐ってるよ、あいつは。
曹静賢はすぐに行動を起こす。義理の息子の陸燼を、蔵海の故郷である青泉鎮に派遣した。蔵海の過去を洗いざらい調べさせるためだ。義理の娘の陸煙には、京城で蔵海を見張らせる。もし素性に問題が見つかったら、その場で殺せっていう命令付きだ。恐ろしいだろ。
青泉鎮に着いた陸燼は、蔵海について聞き込みを始める。でも、町の人たちは口が堅い。蔵海を守るために、完璧な作り話を語る。陸燼は怪しいと感じつつも、曹静賢には蔵海の素性に問題ありって嘘の報告をしようとする。
その瞬間、事態が動いた。聞き込みに協力していたおじさん(実は蔵海の仲間)たちが、陸燼の一味を包囲する。壮絶な戦いが始まった。でも、相手は曹静賢が送り込んだ手練れだ。仲間たちは次々と殺されていく。おじさんも必死に戦うけど、最後は陸燼の刃に倒れた。ただ、死ぬ間際に伝書鳩を放つんだ。最後の力を振り絞ってな。
その知らせは、京城の蔵海に届いた。曹静賢が自分を疑い、故郷に刺客を送ったこと。そして、大切な仲間たちが皆殺しにされたこと。蔵海は全てを悟る。でも、今はまだ動けない。ここで陸燼を殺せば、自分の正体が完全にバレてしまう。怒りを胸の奥に押し殺して、静かに次の手を待つことにした。
感想
いやー、今回は前半と後半で全く空気が違ったな。前半は、ダメ息子・荘之行の成長物語で、まるでスポ根ドラマみたいだった。蔵海に豚小屋に放り込まれてからの変わりようは、見ていて本当に痛快だったよ。あいつ、やればできる奴だったんだな。香暗荼との駆け引きも面白くて、蔵海の頭のキレが際立ってた。
でも後半、曹静賢が出てきてから一気にサスペンスになった。笑顔の裏に何を隠してるか分からない、底知れない不気味さがある。そして青泉鎮の悲劇だ。蔵海をずっと支えてくれていた人たちが、あんなにあっさり殺されるなんて…。おじさんが最後に伝書鳩を放つシーンは、もう言葉が出なかった。蔵海の復讐が、ただの個人の恨みじゃなくて、もっと大きなものを背負う戦いになった瞬間だったと思う。静かに怒りを燃やす蔵海の表情が、次の嵐を予感させてたまらない。
つづく
