あらすじとネタバレ

蔵海(ザンハイ)、禁断の依頼

話は蔵海(ザンハイ)に行くところから始まる。目的は一人。あのミステリアスな女性、香暗荼(シアン・アン・トゥー)に会うためだ。

彼女、ちょうど風呂に入ってたんだよ。普通なら出直すだろ? でも香暗荼(シアン・アン・トゥー)は全然気にしない。用件は?って感じで、蔵海を風呂場に留まらせる。この女、肝が据わりすぎてる。蔵海は気まずそうにしてるけど、もう引き返せない。

彼が切り出した頼みは、とんでもないことだった。陸烬(ルージン)を殺してほしい。

香暗荼は最初、それは莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に頼めば?と軽くあしらう。でも蔵海は分かってる。莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)が、あの曹静賢(ツァオ・ジンシエン)を敵に回すような危険な橋は渡らないってことを。

すると香暗荼の態度が変わる。彼女も陸烬の悪行は知っていたみたいだ。民のためだと言って、依頼を引き受ける。ただし、条件付きでね。

私の髪を洗いなさい

マジかよ。蔵海は戸惑いながらも、言われた通りに彼女の髪を洗い始める。その手つきが、やけに慣れてるんだ。昔、母親の髪を洗ってあげてたらしい。香暗荼は鏡越しに蔵海の表情をじっと見てる。このシーン、なんだか妙にドキドキしたよ。

取引は成立。蔵海は追加で、陸烬の筆跡を真似るために、彼の手紙を手に入れてほしいと頼む。偽の手紙で曹静賢(ツァオ・ジンシエン)を騙すつもりなんだ。計画がデカすぎる。

完璧すぎる偽装工作

その頃、曹静賢(ツァオ・ジンシエン)はイライラしてた。腹心の陸烬が戻ってこないからだ。しびれを切らした彼女は、義理の娘である陸烟(ルーイエン)に蔵海の殺害を命じる。もう待てないってわけだ。

一方、当の陸烬はボロボロになりながら都にたどり着いていた。追っ手を警戒して、部下である廠衛(しょうえい)の家に潜む。そこで刺客に襲われるけど、さすがに強い。全員返り討ちにする。彼はこれを蔵海の仕業だと確信した。でも、本当の地獄はここからだった。

雨が降る夜、重傷を負いながらも曹静賢の屋敷へ向かう陸烬。その前に、香暗荼が立ちはだかる。結果は言うまでもない。陸烬は殺された。

ここからが蔵海の計画の真骨頂だ。香暗荼は陸烬の死体を蔵海の馬車に乗せる。しかも、わざと頭が窓から見えるようにして。案の定、曹静賢の部下たちがそれを見つけて、こっそり後をつけてくる。

蔵海は平津侯府の裏門に馬車を止めると、今度は香暗荼に陸烬のふりをさせる。二人は傘をさして、まるで陸烬が蔵海に連れられて屋敷に入っていくように見せかけた。敵は完全に騙された。一人は報告に戻り、もう一人は監視を続ける。

それぞれの夜

蔵海は敵が監視しているのを分かった上で、次の手を打つ。

彼は自分が莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)であるかのように振る舞い、香暗荼に陸烬役を続けさせる。二人は書斎の窓際に座り、わざと監視者に見せつける。香暗荼が蔵海の手相を見るふりなんかして、親密に密談しているように偽装したんだ。

この状況で、香暗荼は蔵海を問い詰める。あんた、正体を隠すために陸烬を殺したんでしょって。蔵海はそれを否定せず、自分の目的をすべて終えたら、真っ先に君に正体を明かす、と約束する。

香暗荼は自分が蔵海の駒にされたことに少し怒るけど、蔵海は彼女を友達だと言う。この二人の関係、ただの協力者じゃない。もっと複雑で面白いものになりそうだ。

じゃあ、本物の莊蘆隱はどこにいたのか?

蔵海は息子の荘之行(ジュアン・ジーシン)に頼んで、足止めさせていた。荘之行(ジュアン・ジーシン)は父と酒を酌み交わし、昔話に花を咲かせる。そこへ、莊蘆隱に想いを寄せる蒋襄(ショウ・ジョウ)もやってくる。彼女は昔、莊蘆隱が戦から帰還した時に着ていた赤い服を着ていた。息子は気を利かせて席を外し、二人は夜通し語り合うことになる。

計画のクライマックス

蔵海と香暗荼は、朝まで窓際で芝居を続けた。

監視役からの陸烬と莊蘆隱が一晩中密談していたという報告を受け、曹静賢はブチ切れる。裏切られたと思ったんだろうな。彼女は自ら平津侯府に乗り込んできた。

屋敷では、蔵海が曹静賢を出迎える。彼女は陸烬はどこだ!と問い詰めるが、蔵海はさあ?ととぼけるだけ。曹静賢は寝ているはずの莊蘆隱を起こそうとするが、蔵海が命がけでそれを阻止する。

こいつを殺せ!曹静賢が叫んだ、まさにその時。

廠衛が駆け込んできて報告する。陸烬が、広済河で溺死体となって発見されました!

タイミングが完璧すぎる。曹静賢は蔵海を殺すのをやめ、彼を連れて現場に急行する。

河辺では、陸烟が陸烬の死体を検死していた。すると、遺体の中から一通の密書が見つかる。そこへ莊蘆隱も駆けつける。曹静賢は、必ず真相を突き止めると言い残し、その場を去っていった。

蔵海の計画は、今のところ完璧に進んでいる。でも、死体から出てきたあの密書。あれが次の嵐を呼ぶのは間違いない。

今回のエピソードについての感想

いやあ、今回は本当に息つく暇もなかったな。蔵海の計画が緻密すぎて、もはや芸術の域に達してる。敵の行動、心理、タイミング、そのすべてを読み切って、完璧な偽装工作をやってのけた。特に、香暗荼を巻き込んで、死体まで利用する大胆さには舌を巻いたよ。彼女もただの殺し屋じゃなくて、蔵海の核心に迫ろうとする面白いキャラクターだ。二人の間の緊張感がたまらない。

一方で、莊蘆隱と息子の荘之行(ジュアン・ジーシン)、それに蒋襄(ショウ・ジョウ)の関係も深掘りされてきた。復讐劇だけじゃなくて、こういう人間ドラマがしっかり描かれているから、この作品は厚みがあるんだよな。荘之行が父のために一晩中ドアの外で待ってる姿とか、グッときた。

曹静賢が蔵海の掌の上で完全に転がされてるのが、見ていて痛快だった。でも、最後の密書が不気味だ。あれは蔵海が仕込んだものなのか、それとも全く別の誰かの罠なのか。一つの危機を乗り越えたと思ったら、すぐに次の謎が提示される。この脚本、本当にうまいよ。

つづく