いやー、今回もヤバかったね。蔵海(ザンハイ)、ついに大物に接触しにいったよ。相手は皇帝の弟、永容(ヨンロン)親王。一筋縄じゃいかない相手なのは、もう見た目からして明らかだ。
ネタバレあらすじ
永容親王(えいようしんのう)への謁見
蔵海(ザンハイ)はまず、永容親王(えいようしんのう)に面会の手紙を送った。翌日、雨の中を王府へ向かう。そこには親王に会いたがる役人たちが長蛇の列を作っていた。でも彼らは次々と追い返されていく。
そんな中、蔵海(ザンハイ)だけが呼ばれた。親王はまず蔵海の生年月日を調べさせたらしい。お前、すごく運勢がいいななんて言ってくる。でもすぐに誰かに書き換えさせたんじゃないのかと疑いの目だ。油断ならない。
蔵海は俺はただの凡人ですよと謙遜する。そして、褚懐明(チョカイメイ)みたいにはなりたくない、と伝える。あなたの庇護が欲しいんだ、とストレートに頼み込んだ。懐から取り出したのは、贈り物にする貞祐通宝の古銭セット。
永容親王はこれを気に入ったみたいだ。彼は光禄寺丞の沈用(シェン・ヨン)という男を呼ぶ。親王はうまいこと話を合わせる。これは沈用が友人の蔵海からもらったもの。鑑定を頼まれただけだという筋書きを作った。その上で、蔵海と沈用を枕楼での宴会に招待する。
枕楼の宴、探り合いの始まり
沈用は蔵海を枕楼の宴会へ連れて行く。そこで地方から来た役人たちを一人一人紹介してくれた。すぐに永容親王もやってくる。親王は役人たちに蔵海を大々的に紹介した。役人たちはみんな蔵海に媚びへつらってくる。分かりやすい連中だ。
宴会の席で、永容親王は蔵海に言う。欽天監監正の職は不吉だ。蒯铎(クァイ・ドゥオ)も死んだ。役職を変えたらどうだ?蔵海は話をそらす。蒯铎(クァイ・ドゥオ)の死因が気になると質問を返した。
親王は盗賊に一家皆殺しにされたと説明する。蔵海は恨みによる犯行では?と食い下がる。すると、戸部尚書の趙秉文(ちょう へいぶん)が事件後、盗賊討伐を皇帝に強く求めたという話が出てきた。親王は暗い話はよそうと話を打ち切る。蔵海もそれ以上は追及できなかった。
癸璽と香暗荼(シアン・アン・トゥー)の狙い
宴もたけなわ、仮面をつけた花魁たちが舞を披露する。その中心で舞う女性が、永容親王に特別な酒を献上した。宴会は宝の品評会へと移っていく。沈用の話だと、親王は宴会で気に入った宝を自分のものにするらしい。もちろん、代わりに献上した役人には莫大な見返りを与える。
ある役人が瘖兵(いんへい)が被っていた帽子を献上した。蔵海はすかさず解説役を買って出る。瘖兵はある物によって召喚される兵だと説明した。その鍵となるのが癸璽(きじ)というアイテムだ。永容親王はその名を聞いて顔色を変える。彼の父は癸璽が原因で死んだらしい。
親王は蔵海が献上した古銭セットを取り出す。これを絶賛し、蔵海に褒美を与えると言った。さっきの舞姫が蔵海に酒を注ぐ。彼女は香暗荼(シアン・アン・トゥー)だった。蔵海は彼女の正体に気づきながらも、酒を一気に飲み干す。
酔ったフリとギリギリの救出劇
永容親王はすぐに酔いつぶれ、先に部屋へ引き上げていった。香暗荼が蔵海に近づく。あの古銭セットの中の『折三銭』を返して彼女の狙いはそれだった。
蔵海が何か言う前に、彼女は親王の部屋へ向かう。香暗荼は眠る親王に癸璽のありかを尋ねた。反応がないのを見て、懐から折三銭を盗み出す。その瞬間、親王が目を覚ました。待て全部、酔ったフリだった。沈用が解酒薬を飲ませていたんだ。
絶体絶命の香暗荼。そこに蔵海が飛び込んできた。彼は香暗荼から折三銭をひったくる。親王、これを酒の席にお忘れでした見事な機転でごまかし、香暗荼をその場から逃がした。
蔵海も去ろうとする。親王は彼を引き止めた。さっき女の声が聞こえたような…蔵海が答えに窮したその時、師匠の六初(リウ・チュー)が現れた。彼女は親王と顔なじみのようだ。蔵海とは初対面のフリをして、親王のために舞を披露すると申し出る。またしてもギリギリのところで助かった。
まさかのアリバイと新たな標的
宴会が終わり、蔵海は酔って馬車で帰路につく。車内には六初(リウ・チュー)が待っていた。
蔵海は、3人目の仇は永容親王だと疑っていた。六初(リウ・チュー)はその可能性を否定する。蒯铎(クァイ・ドゥオ)一家が殺された夜、永容親王は船の上で朝まで宴会をしていた。岸に戻った彼が、最初に火の手が上がるのを発見した。完璧なアリバイだ。六初が助けに来られたのは、高明(ガオ・ミン)からの事前の知らせがあったからだった。
翌朝。蔵海は永容親王を容疑者リストから外す。疑いの目は、別の人物に向けられた。蒯铎の死後、盗賊討伐を熱心に訴えた男。戸部尚書の趙秉文(ちょう へいぶん)。蔵海の次なる標的が決まった。
今回の感想
いやあ、永容親王、食えない男だったね。ただの遊び人かと思ったら、頭が切れるし、人の本質を見抜く目も持ってる。蔵海が生年月日を差し出した時、即座に改ざんを疑うあたり、相当な策士だよ。酔ったフリもお見事。こういう敵か味方か分からないキャラがいると、話がぐっと面白くなる。
蔵海と香暗荼、それに師匠の六初。この3人の連携プレーも良かった。特に六初はすごいね。弟子がピンチの時は、どこからともなく現れて完璧にフォローする。高明(ガオ・ミン)からの連絡で駆けつけるとか、裏でしっかりサポート体制が組まれてるのが分かる。蔵海が一人で戦ってるわけじゃないってのが、見ていて少し安心する部分だ。
今回はアクションシーンはなかったけど、言葉の裏を探り合う心理戦が濃密だった。誰が嘘をついていて、誰が真実を語っているのか。ミステリー要素が強くて、目が離せなかったよ。永容親王のアリバイが確定して、犯人探しは振り出しに戻ったかと思いきや、すぐに趙秉文(ちょう へいぶん)という新しい名前が浮上した。このスピード感がたまらない。
つづく

