永安侯・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の決定に、妻の蒋襄(ショウ・ジョウ)が激しく反発。彼女の積年の不満が爆発し、誰も予想しなかった大胆な行動に出る。一方、息子の荘之行(ジュアン・ジーシン)は、父・莊蘆隱から過去の事件に関する衝撃的な告白を受ける。その内容は、蔵海(ザンハイ)の復讐計画そのものを揺るがす重要な秘密だった。やがて朝廷を舞台に、ある人物による決死の告発が行われる。それは、巨大な権力を誇った永安侯家を根底から揺るがす、崩壊の序曲だった。
「蔵海<ザンハイ>伝」あらすじネタバレ26話
ブチギレた奥様、最後の手段へ
まず動いたのは、永安侯の正妻、蒋襄(ショウ・ジョウ)。もう我慢の限界だったみたい。
夫の莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)が、亡くなった側室の息子・荘之行(ジュアン・ジーシン)を世継ぎにした。それだけじゃない。側室の沈宛(シン・エン)を家系図にまで載せやがった。彼女の位牌が先祖代々の祠堂に並ぶ。これに蒋襄(ショウ・ジョウ)のプライドがズタズタにされたわけ。
彼女は怒りに任せて、沈宛(シン・エン)の位牌を夫の目の前で床に叩きつけた。この家の主は私だ!ってね。そりゃ莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)もキレるよ。蒋襄(ショウ・ジョウ)をひっぱたいて、部屋から追い出した。
さらに追い打ちをかけるように、翌朝には実家に送り返すと通告される。完全に詰んだかと思いきや、蒋襄は諦めない。皇帝から賜った最高位の礼服を取り出して、こう言った。宮殿に行って、直訴してやると。女の覚悟は怖いね。
明かされる最後のピース
その頃、荘之行(ジュアン・ジーシン)は父・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)と二人きりで話していた。莊蘆隱は、まるで何かが吹っ切れたみたいだった。蒯铎(クァイ・ドゥオ)一家を皆殺しにした、あの夜の出来事をすべて語り始めたんだ。そして、事件の鍵を握る銅魚を息子に渡した。一晩で一気に老け込んだ父の姿に、荘之行(ジュアン・ジーシン)は胸を痛める。
荘之行は、すぐさま蔵海(ザンハイ)の元へ走った。父を許してやってくれ。もう彼は権力もない、ただの老人だそう言って頭を下げる。
蔵海(ザンハイ)の決意は石のように硬い。俺の両親と妹の仇だ。許すことはできない当然の反応だよね。
説得が無理だと悟った荘之行は、約束通り、父から聞き出した真相を蔵海(ザンハイ)に伝えた。
十年前、莊蘆隱は蒯铎(クァイ・ドゥオ)というヤバいブツを盗んだと信じ込んでいた。部下の褚懐明(チョカイメイ)からの嘘の報告を鵜呑みにしたんだ。莊蘆隱は、もう一人の協力者と、冬夏の女王に相談した。そして、蒯铎(クァイ・ドゥオ)を捕まえに行った。その結果が、あの惨劇。
そう。復讐すべき最後の三人目。それは、香暗荼(シアン・アン・トゥー)の母親、冬夏の女王だった。
荘之行は蔵海に取引を持ちかける。俺も君の復讐を手伝う。だから父だけは殺さないでくれと。蔵海は、ひとまずその条件をのんだように見えた。
崩壊の始まり
翌朝。朝廷はとんでもない騒ぎになった。蒋襄が、あの礼服を着て宮殿の太鼓を打ち鳴らしたんだ。皇帝の前に引き出された彼女は、すべてをぶちまけた。
夫・莊蘆隱が、荘之行を武術試験で首席にするために試験官を買収したこと。その動かぬ証拠まで突きつけた。買収された試験官たちも、あっさり罪を認める。
そこへ、役人の何自清(かじせい)が追い打ちをかける。莊蘆隱が息子の汚職をもみ消したこと。工事の秘密を守るために職人たちを生き埋めにさせたこと。次から次へと罪状が暴かれていく。
皇帝は激怒。莊蘆隱は弁解の余地もなく、その場で大牢にぶち込まれた。盤石に見えた永安侯の権力は、こうしてあっけなく崩れ去ったんだ。
牢獄での最終対決
蔵海は、酒と肴を持って牢獄の莊蘆隱に会いに行った。お前の罪はすべて確定した。曹静賢(ツァオ・ジンシエン)は皇帝に死刑を求めている冷たく事実を告げる。
莊蘆隱はまだ強気だった。皇帝が俺を見捨てるはずがない。お前、兵部の謝厚光と礼部の黄慎に助けを求めろ部下に命令する口ぶりだ。
蔵海は椅子を持ってくると、牢の目の前にどっかりと座った。そして、静かに言った。
俺は、蒯铎の息子、稚奴(ジーヌー)だ
その言葉を聞いた瞬間、莊蘆隱は天を仰いで大笑いした。だが、その笑いはすぐに消える。蔵海が、荘之行から三人目の仇が誰かを聞き出したこと、そして荘之行自身が蔵海の駒に過ぎなかったことを告げると、莊蘆隱はすべてを悟った。自分の築き上げてきたものすべてが、この若者の掌の上で転がされていたのだと。彼は天に向かって、ただ絶叫した。
蔵海が牢獄から出ると、外は雪が降っていた。静かに降る雪の中、彼は惨殺された父、母、そして妹を思い出し、静かに涙を流した。
第26話の感想|ついに来た!カタルシスの大波
今回はマジで神回だった。今まで無敵すぎた莊蘆隱が、まさか身内である妻の蒋襄の一撃で崩れるなんてね。一番安全な場所から火の手が上がるっていう、この皮肉がたまらない。蔵海の計画の恐ろしいほどの緻密さを改めて感じたよ。敵の息子である荘之行の良心すら利用して、父親を追い詰めるための情報を引き出す。その冷徹さにはゾクッとした。
荘之行の立場も本当に辛い。父を救いたい気持ちと、蔵海への罪悪感と友情。彼の苦悩が、これからの物語をさらに複雑にしていくんだろうな。
そして、最後の敵が香暗荼(シアン・アン・トゥー)の母親だったという事実。これはキツい。蔵海と香暗荼の関係が、これからどうなっちゃうのか。復讐劇の大きな山場を迎えつつ、新たな悲劇の種がまかれた感じ。とにかく見応えがありすぎたよ。
つづく

