仇の一人、曹静賢(ツァオ・ジンシエン)の仕掛けた罠にかかり、瀕死の状態に陥る。残る標的は冬夏の女王・明玉粛提ただ一人。蔵海は彼女をおびき出す作戦を立てるが、その矢先、女王本人が使節団を率いて都にやってくる。彼女は皇帝に、特殊な仕掛けが施された開かずの木箱を献上。その箱を開ける大役を任された蔵海は、それが父の独自の技術であることに気づく。彼の正体が暴かれるかもしれない、絶体絶命の危機が訪れる。
「蔵海<ザンハイ>伝」あらすじネタバレ29話
敵がまた一人、勝手に自滅?
まず朝廷のシーンから。蔵海(ザンハイ)も他の役人たちと一緒に出仕する。でも、皇帝は体調が悪いとかで出てこない。いつもなら皇帝代理で話を聞く曹静賢(ツァオ・ジンシエン)も来ない。結局、その日はお開き。役人たちはみんな家に帰る。
そこに永容親王(えいようしんのう)がやってくる。皇帝のお見舞いに来たみたいだけど、当の皇帝は相変わらず木工に夢中。親王は宮殿を出たところで蔵海(ザンハイ)とばったり会う。そこで衝撃の事実を告げるんだ。曹静賢(ツァオ・ジンシエン)が昨夜、何者かに襲われて瀕死の重体らしいぞって。
もちろん、俺たちの蔵海は表情一つ変えない。だって、曹静賢の屋敷の地下にあの罠を仕掛けたのは、何を隠そう蔵海本人だからね。永容親王(えいようしんのう)は曹静賢のことが大嫌いだから、内心大喜び。蔵海も同じ気持ちだろうと思って、ちょっとした嫌味を言って去っていく。
残るは最後の標的、冬夏の女王
場面は変わって、曹静賢の屋敷。彼は本当に虫の息。陸煙がつきっきりで看病してる。部下の陸燃(ルー・ラン)は、屋敷が差し押さえられた後に出入りしたのが蔵海だけだと突き止める。あの罠は蔵海が仕掛けたに違いない、と疑い始めるんだ。当の曹静賢は、癸璽(きじ)のことしか頭になくて、また血を吐いて倒れる。もうダメかもね。
これで蔵海の仇は、莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)、曹静賢と二人片付いた。残るはあと一人。冬夏の女王、明玉粛提だけ。蔵海は、彼女の娘である香暗荼(シアン・アン・トゥー)が失踪したっていう噂を流させる。女王をおびき出すための作戦だった。でも、女王は一向に姿を見せない。蔵海はしびれを切らして、年が明けたら直接冬夏に乗り込んで復讐することを決める。
そして新年。蔵海は高明(ガオ・ミン)たち仲間とささやかに祝う。部下の六初(リウ・チュー)には、蔵海が香暗荼(シアン・アン・トゥー)に特別な感情を抱いていることを見抜かれてしまう。復讐も大事だけど、彼女を逃したら後悔しますよって言われるんだ。図星を突かれて、蔵海も複雑な顔。
女王、自ら都へやってくる
蔵海が官職を辞めて冬夏へ行く決意を固めた、まさにその時。工部から緊急の呼び出しがかかる。なんと、あの冬夏の女王・明玉粛提が、自ら使節団を率いて都にやって来るっていうんだ。しかも、娘の香暗荼が暮らす質宮に泊まりたいと要求してるらしい。蔵海の計画、完全に狂っちゃったね。
父の技、そして正体バレの危機
明玉粛提は、皇帝に謁見する。たくさんの贈り物を持ってきた。その中でも目玉は、一つの精巧な木の宮殿。これは榫卯(そんぼう)構造っていう、今では失われた技術で作られている。しかも絶戸活っていう、一度閉めたら二度と開かない特殊な仕掛けが施されてるんだ。木工好きの皇帝の趣味を完璧にリサーチしてきたわけ。ずる賢いよね。
女王は言う。この箱を開けて、中の宝を取り出してみてくださいと。工部の役人が挑戦するけど、すぐにギブアップ。そこで永容親王が蔵海を推薦する。
蔵海はその木箱を見て、凍りつく。それは、彼の父・蒯铎(クァイ・ドゥオ)だけが使えた独自の技術だった。最悪の状況だ。もしこれを開けられたら、自分が蒯铎(クァイ・ドゥオ)の息子だとバレるかもしれない。でも、ここで逃げるわけにもいかない。女王が横から挑発してくる中、蔵海は覚悟を決める。
そして、見事に木箱を開けてみせる。中から出てきたのは、赤ん坊の形をした玉。玉胎っていうらしい。皇帝は大喜び。すかさず明玉粛提が提案する。この玉胎を安置する場所選びは、ぜひ蔵海様にと。皇帝はあっさり許可。完全に女王のペースだ。
愛か、復讐か。揺れる心
その頃、監禁されている香暗荼は荒れていた。蔵海が様子を見に行くと、彼女は母が都に来たことを知って喜ぶ。でも、すぐに表情が曇る。今は母に会いたくない。あなたと一緒にどこかへ逃げたいと泣きながら訴えるんだ。蔵海は復讐のために、その想いを冷たく拒絶する。もちろん、彼の心も張り裂けそうだった。
後日、蔵海は玉胎の安置場所を選ぶため、明玉粛提と二人で出かける。馬車の中で、探り合いが始まる。蔵海は、彼女が昔、自分の両親が殺された時に都に来ていたのではないかとカマをかける。女王はうまくはぐらかす。彼女は娘からの手紙で、香暗荼が蔵海を想っていることを知っていた。あなたは蒯铎(クァイ・ドゥオ)の息子なの?それとも弟子?と核心に迫る質問を投げかける。
そしてついに、女王は強硬手段に出る。部下に命じて、同行していた役人たちを薬で眠らせてしまう。そして蔵海に銃口を突きつけ、香暗荼の居場所へ案内するように迫る。蔵海は、それを受け入れるしかなかった。
今回のエピソードについての感想
いやー、今回はマジでしびれたね。曹静賢が蔵海の仕掛けた罠で自滅していく流れは痛快だった。でも、そんな小さな勝利に浸る暇もなく、ラスボスの明玉粛提が堂々と乗り込んできた。このスピード感がたまらない。特に、父の技術で作られた木箱を開けるシーンは緊張感マックスだったよ。正体がバレるリスクを背負ってでも、その場を乗り切らなきゃいけない蔵海の覚悟が伝わってきた。香暗荼との悲しいすれ違いも、彼の人間的な弱さが見えてグッとくる。愛と復讐の間で揺れる主人公って、やっぱり最高だよね。頭が切れて行動力もある女王との直接対決が、いよいよ始まる。面白くなってきた!
つづく

