10年の修行を終え、稚奴(ジーヌー)は蔵海(ザンハイ)と名を変えて復讐のため都へ向かう。師匠の言いつけで訪れた妓楼枕楼で、彼は女将の香暗荼(シアン・アン・トゥー)と出会う。そこで朝廷を風刺する影絵芝居を見た蔵海は、宮中の権力争いを知る。だが、香暗荼のとっさの嘘が原因で、蔵海は役人から追われる身となってしまう。なんとか窮地を脱したものの、今度は横暴な権力者・平津侯に捕らえられ、罠だらけの地下牢に監禁されてしまう。
「蔵海<ザンハイ>伝」あらすじネタバレ3話
都入り早々、とんでもないトラブルに巻き込まれる蔵海(ザンハイ)
ついにこの時が来た。復讐を誓った稚奴(ジーヌー)は、10年の修行を終える。彼は蔵海(ザンハイ)と名を変え、京の都へ向かった。師匠たちは、彼が山で学んだ痕跡をすべて焼き払う。彼の過去を消すためだ。
蔵海が向かったのは枕楼。師匠に言われた場所だ。そこは都で一番有名な妓楼だった。歌と踊りで賑わっている。蔵海は店に入るなり、一番目立つ朱雀頭という席にどっかり座る。店のルールを知らない蔵海は、灯りをつけてくれと頼んだ。すると女将の香暗荼(シアン・アン・トゥー)が自らやって来る。彼女は金ピカの灯りを手に、この席のルールを説明した。とんでもない大金がかかる席らしい。前に使ったのは王族だけ。蔵海は持ち金がほとんどない。彼はすごすごと席を立とうとした。香暗荼(シアン・アン・トゥー)は彼を呼び止め、下の階の席へ案内した。
影絵が暴く、宮廷のヤバい内情
下の階では影絵芝居が上演されていた。演目は八公子。香暗荼は蔵海の隣で、芝居の意味を解説し始める。この芝居、ただの娯楽じゃなかった。現在の朝廷を痛烈に皮肉っている。
登場する龍と鳳は、亡くなった太后と今の皇帝。ヒキガエルは、口うるさい文官たち。雄鶏は臨淄王(りんしおう)、白虎は平津侯(へいしんこう)を指していた。
要するに、朝廷は二つの派閥で揉めている。臨淄王率いる文官たちは、皇帝の生母を皇陵から移せと主張する。太后を先帝と合葬させるためだ。一方、平津侯の派閥は現状維持を望んでいる。板挟みの皇帝は、太后の埋葬を工部に丸投げした。その工部の担当者が、平津侯・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の息子。だから莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)は、墓の場所を決める腕のいい風水師を探し回っていた。
君が八公子だ!って、おいおい!
蔵海は芝居の裏にある殺気に気づく。何者かが、影絵師の八公子を狙っている。香暗荼に聞くと、連中は督衛司の廠衛だという。宦官トップの曹静賢(ツァオ・ジンシエン)の手下だ。芝居の内容が過激すぎた。朝廷を風刺すれば命が危ない。蔵海は面倒に巻き込まれたくない。さっさと店を出ようとした。
その瞬間、香暗荼がとんでもないことをしでかす。彼女は満員の客に向かって叫んだ。彼が八公子です!。は?俺が?蔵海は一瞬で標的になる。廠衛たちが一斉に彼を追いかけてきた。蔵海は必死に逃げる。香暗荼は逃げ道を指し示してくる。マッチポンプが過ぎるだろ!路地に追い詰められた蔵海。絶体絶命かと思ったその時、高明(ガオ・ミン)が現れた。彼は追っ手どもにこいつは酔っ払いの王様だよと嘘をつき、うまく追い払ってくれた。
罠だらけの地下牢からの脱出劇
高明(ガオ・ミン)に助けられ、宿で一息つく蔵海。だが、外がやけに騒がしい。窓から見ると、平津侯の手下たちが人々を無理やり連行している。風水師を片っ端から捕まえているらしい。棺桶屋や肉屋まで見境なくだ。
役人の瞿蛟(チュー・ジアオ)という男とその息子を捕まえようとする。蔵海はそれを見ていられなかった。彼は自ら進み出て、自分が風水師だと名乗る。息子の代わりになろうとしたんだ。結局、蔵海は范の親父さんと一緒に平津侯府へ連れて行かれた。
知識が武器!蔵海の脱出ショー開幕
彼らが放り込まれたのは、地下の巨大な密室だった。そこには、すでに80人以上もの風水師たちが捕らえられていた。平津侯・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)は、面子を保つために手当たり次第に人を集めたんだ。密室は罠だらけ。脱出しようとした一人が、無残にも命を落とす。
蔵海はすぐに気づいた。この地下牢の構造がおかしい。皇陵の設計に使われる九星位に基づいて作られている。これは、ただの牢じゃない。殺意に満ちた迷宮だ。でも、蔵海にとって専門分野だ。彼は建築と風水の知識を総動員し、隠された道と罠の仕組みを見抜く。蔵海は捕らわれた人々に指示を出し、彼らを率いて脱出を試みる。複雑な仕掛けが次々と襲いかかる。蔵海は冷静にそれらを一つずつ解除していく。彼の本当の戦いが、今始まった。
第3話の感想
いやあ、面白くなってきたな。蔵海がただの復讐者じゃないってことが、はっきりした回だった。彼の武器は剣や力じゃない。10年間で叩き込まれた建築と風水の知識だ。頭脳で敵を出し抜くタイプの主人公、俺は大好きだ。
それと、新キャラの香暗荼。あの女将、ヤバすぎるだろ。平気で他人を売るし、肝が据わってる。彼女がこれから物語をどう引っかき回すのか、すごく楽しみだ。敵か味方か、まだ全然わからない感じがいい。
平津侯のやり方もエグい。目的のためなら無関係な人間を平気で殺す。蔵海がこの巨大な悪にどう立ち向かうのか。地下牢からの脱出劇は、その小手調べってことだな。知力で権力者を打ち負かす展開、最高に燃えるじゃないか。
つづく
