天牢に投獄された蔵海(ザンハイ)は、香暗荼(シアン・アン・トゥー)が政略結婚させられると知り焦る。香暗荼は機転を利かせ、蔵海を嫁入り行列の護衛につけることに成功する。道中、蔵海は旧友である荘之行(ジュアン・ジーシン)に救出されるが、彼の不可解な態度に不信感を募らせる。一方、蔵海と香暗荼は、長年封印されてきた兵器癸璽(きじ)の本当の姿と、それにまつわる悲劇的な過去を追うことになる。友情と裏切りが交錯する中、二人は巨大な陰謀の中心へと迫っていく。しかし、その先には最大の敵が待ち構えていた。
「蔵海<ザンハイ>伝」あらすじネタバレ39話
天牢での再会、そして偽りの嫁入り行列
蔵海(ザンハイ)が天牢にぶち込まれるところからスタートだ。そこで牢番からとんでもないニュースを聞かされる。なんと、香暗荼(シアン・アン・トゥー)が海東部と政略結婚するっていうじゃないか。蔵海(ザンハイ)はもう気が気じゃない。
そこへ香暗荼(シアン・アン・トゥー)本人が面会にやってくる。姉の明顔銀術(ミンイェン・インシュウ)の許可を得て、別れを告げに来たんだ。蔵海(ザンハイ)は彼女を行かせたくない。でも、どうすることもできない。見張りの目も光ってるから、二人は当たり障りのない会話しかできない。荘之行(ジュアン・ジーシン)が球技大会で優勝した話なんかしてさ。切ないよな。
香暗荼はただ黙って嫁に行くような子じゃない。彼女は姉の明顔銀術(ミンイェン・インシュウ)に蔵海を殺さないで。彼に海東部まで私を送らせてと交渉する。明顔銀術(ミンイェン・インシュウ)は色々考えた末、しぶしぶそれを認める。香暗荼、なかなかの交渉術師だ。
彼女は姉に警告もする。趙秉文(ちょう へいぶん)が冬夏で軍隊を作ろうとしてる。癸璽(きじ)を使って天下を取るつもりよって。でも、姉は聞く耳を持たない。とにかく嫁に行けの一点張りだ。こうして、蔵海は香暗荼の嫁入り行列に同行することになった。
友との再会、しかし漂う不信感
行列が冬夏を出ると、海東部からの迎えの部隊が待っていた。そのリーダーを見て、蔵海はニヤリとする。荘之行(ジュアン・ジーシン)の部下、項洪(シアン・ホン)が変装していたんだ。そう、すべては計画通り。蔵海が天牢で香暗荼に荘之行(ジュアン・ジーシン)に助けを求めろって、こっそりヒントを出してたんだよ。
一行は無事に荘之行の軍営に到着する。蔵海は荘之行に助けてくれた礼を言う。一年ぶりに会う彼は、すっかり昇進して昭毅将軍になっていた。見た目もなんだか落ち着いて、大人っぽくなった感じだ。
蔵海は、自分が趙秉文(ちょう へいぶん)にハメられたことを全部話す。趙秉文(ちょう へいぶん)こそが三人目の仇だということも。それを聞いた荘之行の顔は、なぜか無表情だった。自分の父親が蔵海を騙していたことを知った衝撃もあったんだろう。
でも、蔵海の心には疑念が芽生える。趙秉文が荘之行に封禅台の建設を命じているって話を聞いて、まさかこいつ、趙秉文に買収されたんじゃないかって。その不安は的中する。荘之行は勝手に行動するなと釘を刺し、ご丁寧に見張りまでつけてきた。完全に軟禁状態だ。
暴かれる"瘖兵"と癸璽の秘密
蔵海は諦めない。見張りを気絶させて、香暗荼と夜逃げを図る。でも、そこに荘之行が立ちはだかる。もう確定だ。こいつは趙秉文側についたんだ。蔵海は心を痛めながらも、彼に訴える。俺は趙秉文に利用された。君も同じ轍を踏むなって。
その言葉が響いたのか。荘之行はしばらく考えた後、蔵海のもとへやってくる。そして、二人を解放することを決めた。行け。癸璽を破壊してこいと。友を信じることにしたんだな。ちょっと安心したよ。
蔵海と香暗荼は、癸璽が封印されているっていう聖地を探す。昔、封禅台があった場所だ。崩れた遺跡の中から、ついに隠された入口を発見する。中に入ると、そこには蔵海の父親が残したと思われるロープが垂れ下がっていた。父親もここに来ていたんだ。
奥へ進むと、もっとヤバいものがあった。直立したまま干からびた兵士たちの死体だ。そして、一人の死体が持っていた小冊子から、とんでもない真実が明らかになる。
昔、大雍が攻めてきたとき、張滅(ジャン・ミエ)という男が女王・明律壺妲(ミンリュイ・フーター)に癸璽を使うことを提案した。でも、癸璽は兵を召喚できなかった。そこで張滅は自分の血を癸璽に注いだ。すると、癸璽に含まれる毒が発動。その毒が入った酒を飲んだ兵士たちは、不死身の怪物瘖兵(インビン)になったんだ。彼らは無敵だった。でも、完全に制御不能になってしまった。女王は自らの血で彼らを止め、死ぬ前に癸璽と瘖兵をここに封印させた。これが癸璽と瘖兵の正体だったんだ。
すべては掌の上?趙秉文、現る
衝撃の事実を知った二人。聖地から出ようとすると、今度は妖怪みたいな幻覚に襲われる。蔵海は、壁画に使われた致幻剤のせいだとすぐに見抜く。さすがだ。
やっとのことで外に出た二人。でも、そこで彼らを待っていたのは、安堵じゃなかった。荘之行の兵士たちが、二人を完全に包囲していた。
そして、兵士たちの後ろから一台の馬車がゆっくりと進んでくる。そこから降りてきた人物を見て、俺は思わずうわって声が出たよ。
趙秉文だ。
すべては、彼の筋書き通りだったってことか。
今回の感想
いや、もう何て言えばいいんだ。荘之行の動きにはマジでハラハラさせられたよ。親友を裏切るのかと思いきや、最後の最後で助けてくれるとか。男の友情ってやつか。でも、最初からそうしてくれよ!ってツッコミたくなるよな。彼の葛藤を思うと、ちょっと同情もするけどさ。
そして、癸璽の秘密。これが一番の衝撃だった。ただのヤバい兵器じゃなくて、毒と血で生まれた呪われた軍団だったとは。しかも、それを作った女王自身が悲劇を止めるために封印したっていう背景が、物語に深みを与えてる。ただのファンタジーじゃない。そこには人間の業とか悲しみが詰まってるんだよな。
最後の趙秉文の登場シーンは、もう悪寒が走った。荘之行の行動すら、全部お見通しだったってことか?だとしたら、こいつの頭脳はマジで底が知れない。蔵海、完全に手のひらの上で踊らされてるじゃないか。絶望感が半端ない。ここからどうやって逆転するのか、まったく想像がつかないよ。
つづく

