仇のいる平津侯府に潜入した蔵海(ザンハイ)。だが、目的の人物である莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に近づくことはできずにいた。そんな中、幕僚のトップである楊真(ヤン・ジェン)は、蔵海の才能と存在を危険視し、彼を侯府から追い出すための罠を仕掛ける。蔵海は財庫の整理中に、莊蘆隱の次男である荘之行(ジュアン・ジーシン)と偶然出会う。この出会いが、膠着した状況を動かすきっかけになるかもしれない。一方、蔵海への嫉妬と焦りを募らせた楊真たちは、彼を陥れるため、非道な宴会を開く。敵の懐深くで、蔵海は卑劣な策略と対峙することになる。

「蔵海<ザンハイ>伝」あらすじネタバレ5話

あらすじ:敵の懐で、新たな火種がくすぶり始める

平津侯府に潜り込んだ蔵海(ザンハイ)。でも、一番の目的である仇の莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)には、そう簡単には会えない。侯府の幕僚たちをまとめる楊真(ヤン・ジェン)って男が、とにかく蔵海(ザンハイ)のことを警戒してるんだ。自分の地位が脅かされると思ってるんだろうな。

口では蔵海を評価するふりをしてる。その裏で、彼を追い出すための罠を仕掛けてきた。

鴻門の宴、始まる

楊真(ヤン・ジェン)は蔵海に、皇帝からの贈り物が収められた財庫の再点検を命じる。蔵海が何か盗みでもすれば、それを口実に追い出せる。そういう魂胆だ。でも蔵海はそんな手に乗らない。

蔵海は財庫で作業中、偶然にも隠し部屋のスイッチを見つける。中には入れたけど、その奥の扉には鍵がかかってた。まあ、これはまた今度だな。

財庫に戻ると、誰かがこそこそ何かを探してる。それが莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の次男、荘之行(ジュアン・ジーシン)だった。こいつは昔、蔵海がまだ稚奴(ジーヌー)だった頃にいじめた相手の一人だ。もちろん、顔を変えた蔵海のことには気づかない。

荘之行(ジュアン・ジーシン)は金のひょうたんを盗もうとして、うっかり落としてしまう。蔵海はそれを取り上げて、今回のことは秘密にしてやると約束する。この貸しが、後でどう転がるか。

一方、蔵海がまとめた財庫の目録が、莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の目に留まる。特に、莊蘆隱が戦で手に入れた長風剣の来歴を詳しく記したことで、蔵海は高く評価された。莊蘆隱は楊真(ヤン・ジェン)に、蔵海を重用するように伝える。

これが楊真の嫉妬に火をつけた。楊真は、同じく蔵海を快く思わない褚懐明(チョカイメイ)と組む。そして蔵海を潰すための宴会、いわゆる鴻門の宴を計画するんだ。

舞台は枕楼という店。楊真、褚懐明(チョカイメイ)、それに瞿蛟(チュー・ジアオ)という男も加わって、蔵海を招待する。同じ頃、枕楼の女将である香暗荼(シアン・アン・トゥー)は、借金まみれの荘之行(ジュアン・ジーシン)を呼び出していた。香暗荼(シアン・アン・トゥー)は蔵海の正体に気づいてるみたいで、宴会の様子を部下に見張らせる。

非道な罠と、一筋の光

宴会の部屋に入ると、楊真たちは女をはべらせて大騒ぎ。蔵海は一人、離れた席に座る。

すると楊真は、歌を歌っていた小枝(シアオ・ジー)という妓女を、蔵海に押し付けようとしてきた。出世のためには女の一人くらい抱け、というわけだ。蔵海はもちろん断る。

すると今度は、侯府を辞めろと脅してきた。命がけで潜入した蔵海が、ここで引き下がるはずがない。蔵海が抵抗すると、瞿蛟(チュー・ジアオ)が剣を抜く。完全に追い詰めるつもりだ。

楊真は、蔵海が折れないのを見ると、とんでもない行動に出る。言うことを聞かない蔵海のせいで、小枝が罰を受ける、と言い出したんだ。そして、火鉢で赤くなった炭を拾い上げ、小枝の口に押し込もうとする。

蔵海は必死で止めようとした。でも、間に合わなかった。小枝は喉を焼かれ、悲鳴をあげて気を失う。本当に胸が悪くなる光景だった。

その時、部屋の扉が開いた。香暗荼だ。彼女は荘之行の件を口実に、楊真たちを部屋から追い出す。そして蔵海に、医者を呼んで小枝を手当てするよう頼んだ。

次なる一手と、不気味な事件

香暗荼は、酔いつぶれた荘之行を侯府に連れて帰るよう蔵海に頼む。蔵海は、傷ついた小枝のことを香暗荼に託し、荘之行を担いで帰る。

蔵海は待っていた高明(ガオ・ミン)と合流する。楊真たちがここまで焦って卑劣な手を使うのは、親玉の莊蘆隱が自分に注目し始めた証拠だ。蔵海はそう考えた。復讐の計画は、一歩進んだんだ。

そして蔵海は決意する。あのダメ息子の荘之行を利用して、莊蘆隱に近づく、と。

後日、蔵海は荘之行に、父親に認められるための策を授けようと話を持ちかける。でも荘之行は、余計な口出しはするな。殺されるぞと蔵海を警戒する。一筋縄ではいかなそうだ。

その夜、嵐の中、とんでもない事件が起きる。先帝の眠る皇陵で、墓の入口が棺で塞がれるという怪事件が発生した。その報告を受けた褚懐明(チョカイメイ)は、すぐに楊真のもとへ走る。二人は、この厄介な事件を蔵海に押し付けて、今度こそ彼を葬り去ろうと企んでいた。

感想

いや、今回は本当にキツかったな。楊真たちの陰湿さが想像以上だった。特に小枝への仕打ちは、権力を持った小物の醜さを見せつけられた感じで、見ていて本当に腹が立った。ああいう奴らって、自分より弱い人間を徹底的に痛めつけることでしか、自分の価値を確かめられないんだろうな。

でも、そのおかげで蔵海の覚悟がより際立った。ただの復讐者じゃなくて、無関係な人間を巻き込むことへの痛みも感じている。その人間らしさが、彼を応援したくなる理由だよ。

そして、香暗荼の存在がすごく大きい。彼女が絶妙なタイミングで助け舟を出してくれたけど、彼女の真意はまだ見えない。蔵海の味方なのか、それとも何か別の目的があるのか。彼女の動き一つで、物語が大きく変わりそうだ。

荘之行っていう、絵に描いたようなダメ息子が、今後のキーパーソンになるっていうのも面白い。蔵海が彼をどう料理して、父親に近づくのか。ただの駒で終わるのか、それとも何か意地を見せるのか。この親子関係も、復讐劇の重要なスパイスになりそうだ。

つづく