あらすじ(ネタバレあり)

お坊ちゃま、世間を知る

前回、牢屋にぶち込まれた斉夢麟(ジャイ・ズールー)。彼が何者か、ついに判明した。なんと、総督の息子だったんだ。そりゃ偉そうだ。韓慕之(カン・ボシ)は手紙で身元を確認すると、すぐに彼を釈放。丁重にもてなした。

でも、この斉夢麟(ジャイ・ズールー)、ただのわがまま坊やじゃない。彼は裕福な暮らしに飽き飽きしてた。本物の江湖を体験したくて、家出してきたらしい。まあ、気持ちは分からんでもない。

そこで彼は、自分を捕まえた羅疏(ら そ)に目をつけた。お前、俺の案内役になれと命令する。しかも彼女を男だと勘違いしたままオカマ野郎呼ばわりだ。失礼なやつだな。韓慕之(カン・ボシ)の許可も出て、羅疏はしぶしぶ案内役を引き受ける。

翌朝、斉夢麟(ジャイ・ズールー)はさっそく羅疏をいびり始めた。街で米や油を大量に買い込み、全部彼女に背負わせる。しまいには石臼まで買ってくる始末。完全にパワハラだ。でも、羅疏は一枚上手だった。あっさり荷車を雇って、斉夢麟の嫌がらせを無効化。お坊ちゃまは悔しそうだったよ。ざまあみろって感じだ。

これが本当の江湖だ

羅疏は斉夢麟をただの観光案内なんてさせない。彼を連れて行ったのは、町の貧民窟だった。本当の江湖が見たいんだろ?ってわけだ。そして、斉夢麟が買わせた食料品を、貧しい人たちに全部配っちまう。人々はあっという間に群がって、食料はすぐになくなった。

初めて人の役に立った斉夢麟。彼は今までにない満足感を覚えたらしい。調子に乗って、持っている銀票(大金だ)を全部配ろうとする。羅疏がやりすぎだって止めるけど、聞く耳を持たない。単純だけど、根は悪いやつじゃないのかもしれないな。

そんな金持ち坊やを、悪いやつらが見逃すはずがない。チンピラに声をかけられ、闘鶏賭博に誘われる斉夢麟。案の定、イカサマに引っかかって大金をすってしまう。羅疏がイカサマを見抜いて彼に耳打ちした。斉夢麟が文句を言うと、チンピラたちは彼を脅しにかかる。万事休すかと思ったその時、羅疏が機転を利かせた。彼女は事前に斉夢麟の銀票をこっそり抜き取っていたんだ。そして、混乱に乗じて彼の手を引いて逃げ出した。いやあ、羅疏、頼りになりすぎる。

新たな事件、過去の闇

役所に逃げ帰った二人。斉夢麟は怖かったけど、同時にスリルも感じていた。ちょっとMっ気があるのかもな。羅疏から銀票を返してもらい、ようやく落ち着きを取り戻した。

一方、羅疏は韓慕之(カン・ボシ)にある提案をする。それは、徐鑾(じょ らん)という男が関わった過去の殺人事件の再調査だった。この事件、前任の県令が判決を下したもの。しかも、その前任者はいまや韓慕之の上司(知府)に出世している。下手に動けば、自分の立場が危うくなる。韓慕之の側近、陳梅卿(チェン・メイチン)も猛反対だ。

でも、韓慕之は決断した。たとえ自分のキャリアに傷がついても、真実を明らかにすると。いいね、こういう熱い男は嫌いじゃない。羅疏もその心意気に打たれたみたいだ。

二人の探偵、始動

斉夢麟も、牢で一緒だった徐鑾のために何かしたいと思っていた。彼は正義感から、この事件の調査に首を突っ込むことにする。こうして、羅疏と斉夢麟の即席探偵コンビが誕生した。

二人が向かったのは、被害者・劉三娘(リウ・サンニャン)の夫、林雄(リン・シオン)の家。でも、家は留守だった。羅疏は隣の茶屋で聞き込みを開始する。クレバーだな。茶屋の女将は劉三娘は男を誘惑するような女だったと悪く言う。でも、主人は彼女はそんな人じゃないとかばい、夫婦喧嘩が始まってしまった。

斉夢麟は、近所の人たちにお茶やお菓子を振る舞って情報を集める。金持ちのやり方だ。出てくる噂はバラバラだった。劉三娘は夫の幼馴染である徐鑾と不倫していたいや、彼女は慎ましくて、ほとんど外出しなかった情報が錯綜していて、何が真実か分からない。

二人は林雄の家の前で張り込みを続け、ついに帰宅した彼と接触する。林雄の態度は明らかにおかしかった。何かを隠している。羅疏と斉夢麟は直感した。林雄が妻を殺し、徐鑾に罪をなすりつけたのではないか、と。二人はこの疑いを胸に、韓慕之のもとへ報告に向かう。

今回の感想

いやあ、斉夢麟っていう最高のお坊ちゃまキャラが加わって、一気に話が動き出したな。最初はただの世間知らずでイラっとしたけど、貧しい人たちにお金を渡して満足げな顔を見ると、なんだか憎めない。羅疏とのデコボココンビも面白い。彼女が完全に彼の手綱を握ってるのがいいんだよ。これから二人がどうやって協力していくのか、すごく楽しみだ。

事件の方も、ただの痴情のもつれかと思いきや、関係者の証言が食い違ってて、かなり複雑な背景がありそうだ。前任の県令が絡んでるってのも、政治的な圧力がかかってきそうで厄介だな。でも、そこで折れない韓慕之の正義感にはグッとくる。彼がどうやってこの難事件を裁くのか、目が離せない。キャラクターと謎解き、両方が面白くなってきた回だった。

つづく