皇帝から実力を認められ、重要な儀式の代表に選ばれた陌軽塵(はくけいじん)。しかし、復讐に燃える兄・姫定岳(きていがく)を誘拐し、猛毒を盛ってしまう。彼女の命を救う条件は、儀式の場で陌軽塵が自らの破滅を招くある告白をすることだった。愛する人を救うため、彼はすべてを捨てる決意をする。

「初恋ロマンス」あらすじネタバレ20話

兄弟の決裂と皇帝の期待

物語は、陌軽塵(はくけいじん)が異母兄弟である姫定岳(きていがく)のもとを訪れるところから始まります。彼は、子供の頃のように善良な心を取り戻してほしいと願って話し合いに行きました。

けれど、姫定岳(きていがく)の心は復讐の炎で燃え上がったままです。彼は聞く耳を持たず、あろうことか愛する凌燕(りょうえん)の死さえも陌軽塵(はくけいじん)のせいにしました。お前を殺して凌燕(りょうえん)の敵を討つそう言い放つ彼との溝は、もう埋まらないのでしょうか。見ていて胸が痛くなりますね。

一方、宮廷では皇帝が皇子たちを集めていました。もうすぐ重要な祭祖大典(先祖を祀る儀式)が行われるためです。陌軽塵(はくけいじん)の情緒が不安定なことを心配していましたが、皇帝の呼び出しには逆らえません。部下の凌書(りょうしょ)に彼女を託し、後ろ髪を引かれる思いで参内しました。

陌軽塵の聡明さと皇帝の決断

皇帝は皇子たちに国境の治め方について意見を求めます。ここで陌軽塵は塩商人を官吏として登用するという斬新な案を出し、周囲を唸らせました。皇帝もその案を採用することに決めますが、正式な決定は少し保留にします。

林池(りんち)の暴走と囚われた心

その頃、林池(りんち)のことを思い出し、悲しみに暮れていました。居ても立っても居られず、彼女は一人で姫定岳(きていがく)の屋敷へと向かってしまいます。

そこで彼女が目にしたのは、妹が姫定岳のために刺繍した巾着でした。妹は死ぬまで利用されていたんだわ……そう痛感した瞬間、姫定岳の手下が現れ、林池は捕らえられてしまいます。

皇帝への手紙と揺るぎない信頼

林池がいなくなったことを知った凌書は、急いで陌軽塵に報告します。陌軽塵は会議の途中でしたが、迷わず席を立ちました。ただ逃げ出すのではなく、戴(たい)公公に一通の手紙を託して。

皇帝は最初、陌軽塵が勝手に退出したことに激怒します。そこへ姫定岳が私が代わりに務めますとアピールしますが、皇帝が陌軽塵の手紙を読むと表情が一変しました。

手紙には、皇帝が皇子たちを試そうとしている意図をすでに見抜いていたこと、そして自分の意見が皇帝の判断を鈍らせないよう、あえて退席することが記されていたのです。この賢さに感服した皇帝は、祭祖大典の代表役を陌軽塵に任せるという勅旨を出しました。これは事実上の後継者指名ですよね。

卑劣な取引と究極の選択

捕らえられた林池は、姫定岳と対峙します。彼は、林池の一家を襲ったのは陌軽塵への恨みが原因だったと認めました。林池が妹を愛していたの?と巾着を見せながら問いただすと、彼は一瞬動揺を見せます。しかし、すぐにまた憎しみの表情に戻り、陌軽塵が皇帝になることだけは許さないと叫ぶのです。

そこへ、怒りに燃える陌軽塵が駆けつけました。しかし、時すでに遅し。姫定岳は冷酷に告げます。林池には毒を盛った。3日後に死ぬ

助かる方法はただ一つ。祭祖大典の場で、陌軽塵自身が私は妖魔(化け物)だと認め、世間に公表すること。そうすれば解毒薬を渡すというのです。皇位継承か、愛する人の命か。あまりにも残酷な取引です。

愛する人のために

目を覚ました林池は、自分のせいで陌軽塵を窮地に追い込んだと自分を責めます。けれど陌軽塵は優しく彼女を抱きしめました。君以外、何もいらない彼はすでに決意を固めていました。自分を信じてくれたすべての人を裏切ることになっても、林池を救うと。

翌日、陌軽塵は皇帝に会いに行き、何が起きても皇后様を責めないでくださいとだけ伝えます。そして弟の姫定欒(きていらん)に剣術の極意をすべて教え込みました。まるで、自分の去った後を託すかのように……。

最後は、二人で市場デートへ。たくさんの子供に囲まれて幸せに暮らす夢を見たのと語る林池。その夢を叶えるため、陌軽塵はすべてを捨てる覚悟で、穏やかな時間を過ごすのでした。

第20話の感想

陌軽塵の愛の深さに涙腺が崩壊しそうです!皇帝から認められ、ようやく幸せになれるはずだったのに、このタイミングでの究極の選択は辛すぎます。地位も名誉も捨てて君以外いらないと言い切る姿は本当にかっこいいですが、代償が大きすぎて……。それにしても姫定岳の執念深さは恐ろしいですね。妹の巾着を見て一瞬揺らいだのに、結局復讐を選ぶなんて。次回、大典で何が起こるのか心配でなりません。

つづく