宮廷を制圧した姫定岳(きていがく)はある危険な賭けに出ます。
それは自らの命を差し出すことでした。
冷たくなった陌軽塵(はくけいじん)の体を確認し、勝利を確信する姫定岳。
絶望に暮れる林池(りんち)でしたが、事態は思わぬ方向へ動き出します。
愛と復讐が交錯する、涙なしでは見られないクライマックス直前の重要回です。
「初恋ロマンス」あらすじネタバレ23話
陌軽塵(はくけいじん)
林池(りんち)と牛が戻らないことを心配していた陌軽塵(はくけいじん)。
そこへ庄塵(しょうじん)や姫定欒(きていらん)たちが駆けつけ、宮廷の危機を知らせます。
姫定岳(きていがく)が朝廷と後宮を完全に掌握してしまったのです。
陌軽塵(はくけいじん)はすぐに戻ろうとしますが、追っ手がすでに撒かれていることに気づき、林池(りんち)の身に危険が迫っていると直感します。捜索に出ると、地面に落ちている林池の持ち物を発見。彼女が姫定岳(きていがく)に連れ去られたことは明白でした。
陌軽塵は姫定欒(きていらん)に手紙を託します。それは自分の命と引き換えに、皇帝、皇后、そして林池たちの命を助けることを条件とした取引でした。姫定岳(きていがく)はその条件を飲みますが、陌軽塵の死を絶対条件とし、従わなければ毎日誰かを殺すと脅しをかけます。
冷たくなった陌軽塵
姫定岳は牢獄の林池を訪ね、杜若(とじゃく)が陌軽塵を助けるために重傷を負い、罪に問われていると告げます。
林池を精神的に追い詰めようとするのです。
その後、姫定欒(きていらん)が棺を運び込みました。中には陌軽塵の遺体が横たわっています。姫定岳は疑り深く、遺体が本当に冷たいか、息をしていないかを入念に確認しました。完全に死んでいることを確信した彼は、ついに母の敵を討ったと安堵します。妖魔を排除しただけだとうそぶきつつも、その表情には複雑な色が浮かんでいました。
姫定岳は約束通り林池たちの命は奪わないとしますが、解放もしないと宣言。陌軽塵の遺体は、皇子としての礼遇をもって3日間安置されることになりました。
孤独な復讐者
林池は彼は絶対に死なないと信じていましたが、姫定欒から死を告げられ、絶望の淵に立たされます。
一方、皇帝は陌軽塵の死を知り激昂します。たとえ彼が死んでも、お前に皇位はやらんと言い放つ皇帝に対し、姫定岳は皇位などいらない、母の復讐だけが望みだと反論。しかし皇帝は、姫定岳の母が悪意ある嘘をついていたのだと諭します。それでも姫定岳は、母こそが被害者だと信じて疑いません。
陌軽塵の棺の前で、姫定岳は独り言をつぶやきます。お前さえ現れなければ、兄弟としてうまくやれたかもしれない復讐を果たしてもなお、父である皇帝は自分を認めず、死んだ陌軽塵のことばかり。かつて自分を支えてくれた凌燕(りょうえん)も今はなく、彼は深い孤独に包まれていました。
逆転の復活と林池の覚醒
後宮では皇后たちが粗末な食事を与えられ、冷遇されていました。
皇帝も軟禁状態です。
絶体絶命の状況の中、死んだはずの陌軽塵が突如として空から舞い降ります。
彼は仮死状態で機会を待っていたのです。
しかし、姫定岳は林池を人質に取り、陌軽塵に毒針を刺すよう命じます。愛する人を守るため、陌軽塵は自ら毒を受け入れ倒れてしまいました。勝利を確信した姫定岳でしたが、ここで予想外の事態が起きます。
林池が涙を流し、陌軽塵との感覚共有を通じて力を増幅させたのです。彼女は悲しみを力に変え、姫定岳を圧倒的な力でねじ伏せます。信じられないと驚愕する姫定岳。林池は家族と愛する人のために戦い、ついに彼を捕らえることに成功しました。
皇帝の真意
捕らえられた姫定岳に対し、皇帝は二人きりで語りかけます。
私が心から守りたかったのは、実はお前だったのだ
しかし、親しい人々を殺され、孤独に生きてきた姫定岳には、その言葉は届きません。
あまりのすれ違いに激怒した皇帝は、彼を天牢へと送るのでした。
第23話の感想
まさかの仮死作戦にはハラハラしましたね。
陌軽塵が毒針を刺した瞬間は絶望しましたが、そこからの林池の覚醒シーンは圧巻でした。
ただ、姫定岳があまりにも哀れでなりません。
復讐を達成しても虚しさしか残らず、父である皇帝の守りたかったという言葉も、今さら信じられるはずがありませんよね。
彼の孤独な背中が印象的な回でした。
つづく