新婦失踪事件の被害者、杜小婉(としょうえん)の証言から、事件の夜の恐ろしい出来事が明らかになる。顔幸(がんこう) は容疑者である許己則(きょきそく)を巧みな話術で追い詰めていく。ついに決定的な証拠が見つかり、許己則は重い口を開き始める。彼が語る事件の動機と、もう一人の共犯者の存在。事件の真相に迫る一方、顔幸は沈渡(ちんと)との過去を思い出し、彼の秘めた想いに気づいてしまう。事件の捜査と、登場人物たちの心が交錯するエピソード。
「長楽曲~白い愛、黒い罪~」あらすじネタバレ24話
事件の真相に一歩近づく
井戸の中の記憶
杜小婉(としょうえん)が、あの夜のことを話し始めた。新婚の部屋に入った途端、急にめまいがして意識を失ったらしい。気づいた時にはもう家の外。誰かが激しく言い争う声が聞こえたけど、パニックでよく分からなかったそうだ。その後、いきなり井戸に突き落とされた。冷たい水の中でめちゃくちゃ怖かったって。すぐ後に、もう一つ重いものが落ちてきた。誰か別の人も井戸に投げ込まれたんだ。莫謙之(ばくけんし)だったか?と聞く。でも、杜小婉は首を横に振るだけ。あの混乱と恐怖の中じゃ、誰かなんて分かるはずもないよな。
追い詰められる男
顔幸(がんこう) が許己則の服をじっと見てる。その服にある桃の花の刺繍が、すごく手が込んでるって褒め始めた。これ、どっかの女の子が縫ったんじゃないの?なんて、カマをかけるんだ。許己則は慌てて否定する。自分はまだ独身で、これはただの既製品だって。顔幸(がんこう) は話をそらさない。これ、上下セットみたいだけど、上着はどこ?って突っ込む。許己則は、うっかり着てこなかったのかも、なんてしどろもどろだ。顔幸(がんこう) はさらに服に付いた謎の粉についても質問する。許己則はもう、何が何だか分からないって顔をしてる。
そこへ景林(けいりん)がタイミングよく現れた。手には許己則が忘れたっていう上着を持ってる。上着と下着が細い糸で繋がってたことを見せた。しかも、上着のポケットからは曼陀羅(まんだら)の花粉が出てきたんだ。これで言い逃れはできない。莫謙之の厳しい尋問に、許己則はついに全部白状した。顔幸と景林は、うまくいったって顔で笑い合ってたよ。
歪んだ理想の果て
許己則は暗い顔で、自分がどうして道を踏み外したか語り始めた。もともとは本を読むのが好きな真面目な男だった。本の中にこそ理想の女性がいるなんて夢見てたらしい。でも、現実はそんなに甘くなかった。結婚式の付き添い人、傧相(ひんそう)をやってるうちに、薬で花嫁を自分のものにするっていう罪にハマっていった。犯行の後は、罪悪感と恐怖で誰にも言えなかったって。被害にあった花嫁たちも、恐怖で黙っているしかなかった。
顔幸が共犯者は誰なのか聞く。許己則は、その男の本名は知らないと答えた。みんなが二頼皮(にらいひ)って呼んでたことしか分からないらしい。事件の夜のことも話した。杜小婉を薬で眠らせた後、二頼皮に邪魔された。近くで物音がしたから少しその場を離れた。戻ってきたら、二頼皮がもう殺されていた。それで怖くなって逃げ出したんだって。ただ、これを裏付ける証拠は何もない。本当のことを言ってるのか、ちょっと怪しいよな。莫謙之は、許己則をとりあえず牢屋に入れることにした。
すれ違う心
眠れない夜と過去の記憶
夜になっても顔幸は眠れずにいた。それを見た沈渡(ちんと)が、心配して睡眠薬を渡すんだ。甘い丸薬で、彼女がぐっすり眠れるようにって。優しいよな。次の日、徐婉(じょえん)からの手紙が届いて、顔幸は気まずそうにしてる。沈渡(ちんと)はそんなの気にするなって慰める。顔幸は手紙なんて見ないって言ってたけど、沈渡(ちんと)の優しい目に見つめられて、いつの間にか眠ってしまった。
悪夢で飛び起きた顔幸のそばに、一羽の鳩がいた。びっくりして頭をぶつけちゃうんだ。その鳩を見て、顔幸は太皇太后からの密令を思い出す。都の中に内通者がいて、鳩が連絡手段だってこと。顔幸は薬を準備するために鹿茸(ろくじょう)を探してたけど、見つからない。仕方なく、効果は少し落ちるけど肉蓯蓉(にくじゅよう)で代用することにした。
明らかになる想い人
顔幸は気になって、莫謙之が持ってる誰も知らない隠れ家を訪ねてみる。同じ頃、沈渡も莫謙之を訪ねて、昔の話をしていた。莫謙之は、昔、沈渡の家族のために助命を願ったことを後悔してないって言った。沈渡の父親には命を救われた恩がある。深い友情があったから、沈渡のことも自分の子供みたいに思ってる。だから、助けようとしたのは当然だって。
話は莫繡繡(ばくしゅうしゅう)のことに移る。その名前を聞いて、顔幸の記憶が蘇った。昔、学校で沈渡や莫繡繡と一緒にいた時のことだ。顔幸は藤の蔓で小さな豚を編んだ。それを莫繡繡が、自分のものと交換して別の人にあげちゃったんだ。その瞬間、顔幸は全てを理解した。沈渡の気持ちが、ずっと莫繡繡に向いていたことに、やっと気づいたんだ。
第24話の感想
いやー、今回は事件が大きく動いたな。許己則っていう、いかにも真面目そうな男が捕まった。でも、動機が本の中の理想と現実が違ったって、ちょっとこじらせすぎだろ。共犯者だっていう二頼皮も死んでるし、許己則の話がどこまで本当か分からないのがモヤモヤする。一方で、顔幸と沈渡の関係も複雑になってきた。沈渡はずっと顔幸を気遣ってて、いい雰囲気だと思ってたのに。最後の最後で、顔幸が沈渡の好きな人は莫繡繡だったんだって気づくシーンは切なかったな。昔の何気ない思い出が、今になって胸に突き刺さるってやつだ。事件の謎と恋の行方、両方から目が離せない回だったよ。
つづく