天才検視官・楚楚(ソ・ソ)の長安入りと波乱の幕開け
唐代中晩期の長安を舞台に、検視官の家系に生まれた楚楚(ソ・ソ)が安郡王・蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)の主催する検視試験に挑む第1話。詐欺の看破から宦官との対立、そして未解決事件を用いた異例の試験まで、息つく暇もない展開が続きます。天才的な検視スキルを披露する楚楚と、彼女の正体に疑念を抱く冷徹な蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)の出会いが見どころです。
偽装を見破る観察眼と三法司への道程
長安の街角で交差する景翊と蕭瑾瑜との縁
南西部の検視官一家の娘である楚楚は、男装して長安城に到着します。
街中で馬車と老人の接触事故に遭遇。
老人は治療費を要求しますが、楚楚は脚の傷が偽造された詐欺であると即座に見抜きます。
騒動を目撃していた大理寺少卿の景翊は楚楚の才能に興味を持ち、偽装犯を制圧しました。
直後、御前太監の孫明徳が馬で暴走し、楚楚に迫ります。
景翊が楚楚を庇い、護衛長の呉江が孫明徳を馬から蹴り落としました。
孫明徳は代太監総管・秦欒の名前を盾に取って反抗します。
しかし安郡王の蕭瑾瑜は一切動じず、律令に従い呉江に杖刑を命じました。
公平無私な蕭瑾瑜の姿に楚楚は深く感銘を受けます。
受験資格を持たない楚楚に対し、景翊は自らの通行牌を渡し、彼女は無事に三法司への入場を果たしました。
蒸し酢法で未解決事件の謎に挑む検視試験
三法司を統括する蕭瑾瑜は、刑部尚書や戸部尚書からの反発をよそに、前代未聞の試験を実施します。
考題として用意されたのは、秘書郎・厳明の殺害事件を含む長安の未解決事件の遺体でした。
楚楚は落雷で死亡した木こりの遺体を担当します。
彼女は蒸し酢で匂いを消す独自の検視法を駆使し、死亡時の状況を寸分違わず推断します。
周囲の試験官を驚嘆させ、蕭瑾瑜も楚楚の実力を高く評価しました。
一方で、杖刑を受けた孫明徳は唐宣宗に泣きつきます。
宣宗は蕭瑾瑜の師匠である薛汝成を呼び出し、弟子の行き過ぎた行動を牽制するよう命じました。
生体検視と玉佩が繋ぐ過去の因縁
生体検視の試験に進んだ楚楚は、横たわる蕭瑾瑜を本物の遺体と勘違いします。
蕭瑾瑜が身分を明かすと、楚楚は慌てて平伏しました。
蕭瑾瑜は彼女の匂いや検視の手法から、書香の家柄ではなく検視官一家の出身であると見破ります。
身分詐称を追及する代わりに、蕭瑾瑜は楚楚を事件現場へ連れ出しました。
その矢先、宿屋の主人が楚楚の宿泊費未払いを激怒して怒鳴り込んできます。
主人の手には、楚楚が担保として預けた玉佩が握られていました。
その玉佩を見た蕭瑾瑜の目の色が鋭く変貌します。
彼は楚楚の素性に強い疑念を抱き、景翊に代金を立て替えさせました。
さらに楚楚が滞在していた部屋を借り切り、密かに調査を開始します。
宦官・秦欒の暗躍と玉佩に隠された謀略の影
第1話から唐代中晩期特有の政治背景が色濃く描かれています。
皇帝を擁立し、禁軍を握る宦官の権力は絶大です。
特に代太監総管の秦欒は、過去に蕭瑾瑜の父・蕭恒を罠に嵌めた張本人でした。
かつて蕭恒が南西部の反乱分子を調査した際、悲劇が起こります。
秦欒は剣南節度使の陳瓔と蕭恒が結託して謀反を企てたと捏造しました。
しかし蕭恒の遺体は発見されず、秦欒は十数年もの間、蕭恒の生存に怯え続けています。
蕭瑾瑜が安郡王として権力を握った現在、秦欒は配下の周翰を使って執拗に探りを入れています。
ラストで蕭瑾瑜が反応した楚楚の玉佩こそ、失踪した蕭恒、あるいは南西部の因縁と深く結びつく最重要アイテム。
ただの身分証ではなく、朝廷を揺るがす巨大な事件の鍵となることは間違いありません。
初回から全開の謎解きと蕭瑾瑜の冷徹な魅力
一瞬の無駄もない見事な第1話の構成に圧倒されます。
楚楚の素朴ながらも天才的な検視技術と、蕭瑾瑜の法と論理を重んじる冷徹なキャラクター性が、テンポ良く描かれました。
当たり屋事件や暴走馬の処理を通じて、景翊や呉江の能力も的確に提示されています。
特に玉佩を見た瞬間の蕭瑾瑜の表情変化は見逃せません。
楚楚の出自と長安での連続殺人がどう絡み合っていくのか。
次回、蕭瑾瑜が楚楚の部屋で何を発見し、彼女の隠された秘密にどう迫っていくのか期待が高まります。
つづく