幽霊屋敷の検視結果と明かされる「棺材子」の真実

第11話で深夜の壁の中から発見された宦官の遺体。

楚楚(ソ・ソ)の精緻な検視が、長年行方不明となっている巫医の姿を鮮明に浮かび上がらせます。

さらに景翊(ケイ・ヨク)の調査によって、楚家がひた隠しにしてきた楚楚(ソ・ソ)の凄惨な出生の秘密が露呈しました。

長安から黔州へ至るまでの蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)の真意がすれ違い、血を吐くほどの悲劇を生む激動の第12話です。

巫医の足跡とすれ違う二人の不器用な想い

下から突き上げる致命傷と両足の不自由な殺人者

楚楚は発見された遺体の致命傷を詳細に観察しました。

傷口は下から上へと向かって深く刺されています。

被害者と犯人の武力が同等であると仮定すれば、犯人は子供ほどの背丈でなければなりません。

しかし子供に大人の骨を砕くような力はない。

すなわち、犯人は「両足が不自由で座ったまま強い腕力を振るえる者」であると楚楚は推断します。

それは楚家が出入りしていた車椅子の巫医と完全に一致する特徴でした。

幽霊屋敷の壁の中から音が鳴り始めた時期も一致。

蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)は、巫医が朝廷の宦官を返り討ちにし、将来の証拠として遺体をあえて壁に保存したと確信します。

仵作試験の嘘と駒にされたと絶望する楚楚

楚家の父・楚平と兄・楚河は、蕭瑾瑜の真の目的が分からず警戒を強めていました。

一方、蕭瑾瑜は楚楚の部屋を訪れ、黔州へ来た本当の理由を打ち明けます。

第1話から楚楚が肌身離さず持っていた石のペンダント(玉佩)の由来。

そして、彼女が慕う巫医の正体を隠さず教えてほしいという切実な願いでした。

しかし、楚楚の受け取り方は全く違いました。

長安から黔州へ向かう道中での「特別仵作試験」が、単なる口実であったと悟った楚楚。

自分がただの「案内役の駒」として利用されたのだと思い込みます。

尊敬する安郡王に騙されていたという失望と悲しみから、彼女は蕭瑾瑜を突き飛ばして部屋を飛び出しました。

忌み嫌われる「棺材子」と楚家の深き無償の愛

大理寺少卿の景翊(ケイ・ヨク)は徹夜で巻宗(記録文書)を調べ続けていました。

冷月(レイ・ゲツ)が差し入れた朝食の手を止め、ある重大な手がかりを発見します。

景翊はすぐに蕭瑾瑜の元へ駆けつけ、楚楚の本当の身分を報告しました。

彼女は楚平の実の娘ではなく、「棺材子(死後分娩で生まれた子)」だったのです。

かつて妊娠8ヶ月で兄と口論になり自殺した許氏という女性。

楚平が仵作として彼女の納棺の儀式を行う際、奇跡的に産み落とされた赤ん坊が楚楚でした。

民間において、死体から生まれた棺材子は不吉の象徴として激しく忌み嫌われます。

楚家の人々は楚楚を世間の目から守るため、出自を完全に隠し、血の繋がらない彼女へ実の子以上の愛情を注いできたのです。

第11話で楚河が蕭瑾瑜の身辺調査を異常なまでに恐れていた理由は、この残酷な真実を守るためでした。

涙の土下座と蕭瑾瑜を襲う心労の限界による吐血

真実を知った蕭瑾瑜の前に、楚家の人々が泣きながらひざまずきます。

楚楚をどうか罪に問わないでほしいという悲痛な懇願。

家族の姿を見た楚楚も慌てて土下座し、玉佩と巫医の秘密をすべて話すから家族を許してほしいと泣き崩れます。

蕭瑾瑜はただ楚楚を仵作として重用し、真実を共に探求したかっただけでした。

しかし、これほどの時間を共に過ごしてもなお、自分が全く楚楚から信用されていなかったという残酷な事実。

極度の心労と絶望が限界を超えました。

蕭瑾瑜はその場で鮮血を吐き出し、力なく崩れ落ちます。

大太監・秦欒の焦燥と西平公主の徹底抗戦

舞台は変わり、長安の駙馬府。

大太監の秦欒が唐宣宗の勅命を盾に、蕭恒の衣冠塚へ祭祀を行いにやって来ます。

西平公主は容赦なく鞭を振り下ろし、秦欒の行く手を阻みました。

息子の蕭瑾瑜に手を出せば決して生かしてはおかないという母の凄まじい覚悟。

そこへ、兵部尚書の薛汝成も皇帝の勅命を受けて墓参りに到着します。

一つの祭祀に二人の役人を派遣する唐宣宗の底知れぬ意図。

宦官の力を削ごうとする皇帝の政治的な牽制に、秦欒は困惑と苛立ちを隠せません。

皇宮へ戻った秦欒は、第10話での許如帰の暗殺失敗の報告を受け、さらなる怒りを爆発させます。

側近の孫明徳は、既に次なる罠を仕掛けていると不敵に笑いました。

隠蔽された死因と「棺材子」が背負う数奇な運命を考察

楚楚の出生の秘密「棺材子」は、法医学ドラマとして非常に衝撃的かつ説得力のある設定でした。

死者の世界から生を受け、死者の無念を晴らす仵作という職業を天職とする楚楚。

彼女が死体に対して全く恐怖を抱かず、純粋な敬意を持って接する理由が、この凄絶な生い立ちに集約されています。

また、許氏が妊娠8ヶ月で自殺したという過去の事件そのものにも、まだ多くの謎が残されています。

なぜ彼女は自ら命を絶たねばならなかったのか。

楚楚の本当の父親は誰なのか。

巫医(蕭恒)が楚楚に検視の技術を教え込んだのは、単なる偶然ではなく、この許氏の死に甘露の変や西南の謀反事件が絡んでいるからではないでしょうか。

感想と次回の見どころ

楚楚の出生の真実に涙が止まりません。

血が繋がっていなくても、楚家の人々が彼女をどれほど愛し、守り抜こうとしてきたかが痛いほど伝わってきました。

そして何より、すれ違う想いに耐えきれず血を吐いて倒れる蕭瑾瑜の姿が辛すぎます。

不器用な二人の心が、いつか本当の意味で通じ合う日が来ることを祈るばかりです。

次回、倒れた蕭瑾瑜の命は助かるのか。

そして孫明徳が用意した新たな暗殺の罠が、傷ついた彼らに容赦なく襲い掛かります。

巫医の行方と西南の偽金事件が急展開を迎える、緊迫の頭脳戦から目が離せません。

つづく