骨が語る母の最期と、迫り来る許如帰の罠

開棺検視によって他殺と判明した実母・許氏の遺骨。楚楚(ソ・ソ)は検視官としての技術を尽くし、母の最期の抵抗を再現します。

さらに、楚楚(ソ・ソ)が指摘した「蕭家の双子の容姿の違和感」が、皇室をも揺るがす出生の秘密を示唆。

一方、長安では大太監・秦欒が不気味な玉佩を手に入れ、黔州では逃亡中の許如帰が楚楚を誘拐するという絶体絶命の危機が訪れる、謎解きと緊迫感が最高潮に達する第15話です。

第15話 詳細解説:泥土の足跡と楚楚誘拐の巧妙な二択

母の骨相復元への決意と、樹背に潜む景翊(ケイ・ヨク)の足跡

楚楚は実母・許氏の遺骨から、当時の凄惨な状況を完全に再現しました。

許氏の手骨は骨折していました。それは、お腹の中にいる楚楚(ソ・ソ)を守るために、死に物狂いで犯人に抵抗した証拠でした。そして抵抗も虚しく、後頭部を鈍器で強打されて命を奪われたのです。

母の無念に悲痛な涙を流す楚楚。彼女は母の頭蓋骨の形状と自身の顔立ちを掛け合わせ、陶土(粘土)を使って母の生前の容貌を復元することを決意します。顔さえ分かれば、実の父親を探し出せるかもしれないという切実な願いからでした。

蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)は彼女の願いを快く聞き入れますが、その時、墓地の樹の背後に潜んでいた覆面の不審者が物音を立て、侍衛に気づかれて逃走します。

その夜、大理寺少卿の景翊(ケイ・ヨク)は密かに父・景閣老へ手紙を送っていました。「蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)が宦官の遺体を発見し、蕭恒の生存を疑い始めている」という警戒の報告です。

蕭瑾瑜は、部屋に戻ってきた景翊の靴底に真新しい泥土が大量に付着しているのを見逃しませんでした。先ほど墓地で自分たちを覗き見していたのは、他ならぬ景翊ではないかという疑念が彼の脳裏をよぎります。景翊は適当な言い訳でその場を誤魔化しますが、蕭瑾瑜は追及を止め、代わりに許氏の遺品を彼に見せて揺さぶりをかけました。

双子なのに似ていない?医学的視点が暴く蕭家の違和感

蕭瑾瑜の密命を受け、冷月(レイ・ゲツ)(レイ・ゲツ)が楚楚の部屋を訪れて彼女に寄り添います。

冷月(レイ・ゲツ)は母の顔を復元しようとする楚楚の姿を見て、幼い頃に両親を亡くし、表叔母である西平公主に育てられた自身の身の上を思い出していました。冷月自身も、実の親の顔をほとんど覚えていなかったのです。

ここで、楚楚は長年温めていた疑問を冷月にぶつけます。

「安郡王(蕭瑾瑜)と都虞候(蕭瑾璃(しょう・きんり))のご兄弟は、なぜあそこまで顔立ちが違うのですか?」

長年の医学の経験から、楚楚は子供の容姿は両親の遺伝によって決まることを熟知していました。どれほど顔の組み合わせが変わろうとも、同じ母の腹から同じ日に生まれた「一卵性/二卵性の双子」にしては、蕭瑾瑜と蕭瑾璃(しょう・きんり)の骨格や体格の差があまりにも大きすぎる。この純粋な法医学的視点が、蕭家の血脈に隠された巨大な矛盾を突きつけます。

蕭瑾瑜自身もまた、兄の蕭瑾璃に「兄上と景翊、どちらの軽功(身のこなし)が勝っているか」と尋ねていました。蕭瑾璃の武芸は一流ですが、軽功の速さは景翊に及びません。墓地で聞いた盗聴者の足音の軽さは、間違いなく景翊のものでした。親友が自分に隠れて単独行動を起こしている事実に、蕭瑾瑜の警戒心は深まります。

長安の毒殺事件と、西平公主が仕掛ける婚約の引き延ばし

長安の公主府では、西平公主が薛汝成(せつじょせい)の元へ赴き、景閣老が提唱した「蕭瑾璃と冷月の政略結婚」を阻止してほしいと懇願していました。景閣老の狙いは、冷氏の軍権を蕭瑾璃に握らせ、公主府を実質的な籠の鳥にすること。西平公主は息子の八字(占いによる相性)が合わないという口実で時間を稼ぎますが、事態の深刻さを察した薛汝成は、自ら西南(黔州)へ向かうことを決意します。

一方、皇宮の奥深くでは、大太監・秦欒の身辺を調査していた小太監が、口の中に仕込んでいた西域の毒薬「草烏頭」を噛み砕いてその場で服毒自尽を遂げます。

孫明徳がその遺品を調べると、骨董店「博古齋」の預かり証を発見。秦欒が店へ赴いて引き取ったのは、かつて修理に出されていた非常に上質な「玉佩」でした。過去の陰謀に直結するその品を手に、秦欒の目が怪しく光ります。

楚楚誘拐!許如帰が仕掛けた調虎離山の罠

翌朝、冷月と楚楚は連れ立って実家へ戻る途中、地元の名物である粉(麺料理)を食べに行こうと約束します。しかし一瞬の隙を突き、楚楚が何者かによって路地裏へと連れ去られてしまいました。

冷月からの悲報を受け、蕭瑾瑜は即座に兵を率いて現場へ急行します。

現場の痕跡を鋭く観察した蕭瑾瑜は、楚楚を拐った犯人が秦欒の放った刺客・許如帰(きょじょき)であると断定。犯人はあえて楚楚の竹籠の下に、母の遺品である「宝石の簪」を置いて残していました。これは蕭瑾瑜を挑発し、特定の場所へおびき出すための明らかな罠です。

さらに、地面には左右に分かれる「二条の馬車の轍(車輪の跡)」が残されていました。

蕭瑾瑜は、許如帰が自分たちの戦力を分散させるために「調虎離山(おとり作戦)」を仕掛けたことを見抜きます。一刻の猶予も許されない状況の中、蕭瑾瑜は兵を二手に分け、楚楚の命を救うため決死の追跡を開始しました。

考察と解説:双子の謎と、博古齋の玉佩が示すもの

今回、楚楚が何気なく口にした「双子なのに全く似ていない」という疑問は、本作のストーリー構造における極めて重要な伏線です。

第10話で蕭瑾璃が「弟を池から救って以来、罪悪感を抱いている」と語られましたが、もし二人が本当の双子ではないとしたらどうでしょうか。

第14話で薛汝成が「武宗の嫡出子」であることが明かされましたが、これまでのタイムラインを鑑みると、蕭瑾瑜と蕭瑾璃のどちらかが皇室の血を引く別の子供(例えば、甘露の変で生き残った昌王の遺児、あるいは武宗の隠し子)であり、西平公主が双子と偽って同時に育ててきた可能性が急浮上します。

また、秦欒が博古齋で回収した「修理中だった玉佩」。

第2話で楚楚の玉佩を見た秦欒が「西平公主と蕭恒の定情信物だ」と激しく動揺していましたが、今回発見されたもう一つの玉佩は、その対となるもの、あるいは当時の谋反事件で処刑された他の重臣(剣南節度使・陳瓔など)の遺物であると考えられます。長安の毒殺事件の口封じの早さからも、秦欒が絶対に表に出したくない秘密がこの玉佩に隠されているのは確実です。

感想と次回の見どころ:楚楚の危機に冷徹な安郡王が動く!

母の最期の抵抗を知り、その顔を粘土で復元しようとする楚楚の涙が本当に切ない一方で、冷月を「兄弟のようだ」とバッサリ切り捨てる蕭瑾瑜の恋愛的な不器用さには少しクスリとさせられます。

しかし、そんな穏やかな日常を切り裂く許如帰の容赦ない誘拐劇。楚楚を人質に取り、わざわざ簪を残して蕭瑾瑜の知略に挑戦するかのような歪んだ犯行手口に怒りが湧きます。

景翊がなぜ蕭瑾瑜を裏切るかのような密告を父親に続けているのか、その真意も気になるところです。

次回、二手に分かれた追跡ルートのどちらに楚楚が囚われているのか。蕭瑾瑜の圧倒的なプロファイリング技術は、許如帰の罠を見破り、最愛の仵作を無事に救い出すことができるのか。一秒も目が離せない誘拐監禁編の幕開けです!

つづく