皇帝の刃が太監を脅かす!波乱に満ちた西南・黔州への旅立ち

長安で起きた三京官暗殺事件の謎が、ついに楚楚(ソ・ソ)の故郷である西南の黔州へと繋がります。

大太監・秦欒が放つ死刑囚の暗殺部隊が蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)に襲い掛かる緊迫の夜。

唐宣宗の不可解な威圧と、景閣老が恐れる西南節度使・冷沛山の不穏な動向が交差します。

蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)と楚楚(ソ・ソ)が長安を脱出し、全ての因縁が眠る地へ足を踏み入れる激動の第9話です。

狙われた安郡王と黔州へ続く血塗られた道標

三京官暗殺の共通点と景閣老が授ける密命

大理寺少卿の景翊は、蕭瑾瑜が黔州へ向かう真の目的に気づいていました。

失踪した父・蕭恒の足跡を追うだけでなく、長安で殺された三人の京官がすべて黔州関連の公務を担当していた事実。

さらに、第7話で捕らえられた殺し屋が服毒した毒薬「草頭烏」も、黔州特有の製法で作られたものです。

景翊の父である景閣老もこの異常事態を重く見ています。

皇帝の勅命で息子の景翊が蕭瑾瑜に同行すると知った景閣老。

彼は出発前の景翊を密かに呼び止め、蕭瑾瑜の補佐とは別の重大な密命を言い渡しました。

死刑囚の暗殺部隊と閉所恐怖症を気遣う手鏡

その夜、提灯を持つ侍衛と共に暗い通路を歩く蕭瑾瑜の背後に、武装した刺客の集団が迫ります。

気配を察知した蕭瑾瑜は平静を装い、刺客が刃を振り下ろした瞬間に反撃の罠を発動。

暗闇から無数の矢が放たれ、刺客たちは一網打尽にされました。

駆けつけた侍衛長の呉江の調べにより、彼らが大太監・秦欒によって放たれた死刑囚だと判明します。

蕭瑾瑜は第8話で神策軍営を封鎖させたことで、秦欒を心理的に大きく追い詰める作戦に出ていました。

留守中の長安を呉江に託し、機密事項を暗記させた上で紙を燃やして証拠を隠滅します。

蕭瑾瑜が客室の楚楚を訪ねると、彼女は鏡の前で派手な化粧をしていました。

あまりの厚化粧に、蕭瑾瑜は彼女が死者のための死化粧の練習をしていると勘違いして呆れます。

楚楚は第5話の地下密室で発覚した蕭瑾瑜の極度な閉所恐怖症を案じていました。

窓のない場所でも室内を確認できるよう、手作りの銅鏡をプレゼントします。

秘密を漏らさない誓いとして、二人は可愛らしく指切りを交わしました。

皇帝の刃と冷沛山の謀反疑惑を恐れる景家

西平公主の頼みで、江湖の冷月も蕭瑾瑜の黔州行きに同行します。

しかし秦欒も黙ってはいません。

黔州の地理に明るい逃亡中の徐如帰を道中に潜伏させ、安郡王暗殺の伏兵として配置しました。

皇宮では、唐宣宗が不気味な行動に出ます。

秦欒と孫明徳に武器を探させ、開国の名将・李靖の宝刀を鞘から抜きました。

宣宗は突然その刃を孫明徳の顔面に突きつけます。

冗談めかしてはいるものの、冷酷な皇帝の眼差しに秦欒も冷や汗を流しました。

一方、景家では景夫人が西平公主へ、蕭瑾瑜と冷月の縁談を持ちかけて玉砕していました。

景閣老が妻に命じてこの縁談を強引に進めようとしたのには深い理由があります。

西南節度使である冷月の祖父・冷沛山が、重病を朝廷に隠し、私兵を猛特訓しているという謀反の兆候。

息子である景翊が冷月とこれ以上親しくなれば、景家が反逆の巻き添えを食うと景閣老は恐れていたのです。

秦欒の暗殺ネットワークと皇帝の無言の圧力

秦欒が死刑囚を暗殺部隊として利用した手口は、彼の権力掌握の深さを示しています。

名簿上は処刑されたはずの囚人を裏で生かし、使い捨ての駒として密かに運用する。

これは刑部や牢獄の管理体系すらも、宦官の息がかかっている絶対的な証拠です。

第1話から続く法医学ミステリーが、国家規模の腐敗構造と完全にリンクしてきました。

そして唐宣宗が李靖の宝刀を使った威嚇行為。

単なる気まぐれではなく、皇帝が秦欒たちの越権行為に気づいており「いつでもお前たちの首を刎ねられる」という無言の警告です。

皇帝は決して宦官の完全な操り人形ではないという、水面下の張り詰めた緊張感が伝わります。

さらに景閣老の動きにより、西南の勢力図が複雑化しました。

冷月の祖父・冷沛山の謀反疑惑。

偽金である私鋳銭の流通と、蕭恒の長年にわたる失踪。

黔州という一つの土地に、国家を揺るがす全ての爆弾が集約されようとしています。

楚楚の奇抜な化粧と深まる謎の舞台・黔州へ!

シリアスな暗殺の夜に挟まれる、楚楚のすさまじい厚化粧に思わず笑ってしまいました。

死化粧と勘違いする蕭瑾瑜の突っ込みの鋭さも最高です。

閉所恐怖症の彼のために銅鏡を磨き上げる楚楚の優しさと、指切りで約束を交わす二人の初々しい距離感に胸が温かくなります。

長安での息詰まる権力闘争から一転し、一行はついに事件の核心である黔州への過酷な旅に出発します。

次回、徐如帰が待ち受ける道中でどのような罠が仕掛けられているのか。

そして景閣老が景翊に与えた別の密命とは何なのか。

舞台を西南に移し、さらにスケールアップする謎解きとアクションに期待が高まります。

つづく