梅長蘇は宮廷を出るとすぐに倒れ、甄平に支えられて馬車に乗せられました。
景琰は靜妃を訪ね、梅長蘇の正体について、母と蒙摯、霓凰たちが既に知っていたのかと問いただします。靜妃は黙って認め、景琰は悲しみと自責の念に駆られます。靜妃は、小殊が真実を告げなかったのは景琰への期待が特別だったからだと慰め、今は立ち止まることなく、小殊、そして皆の願いを葉えるために未竟の事業を成し遂げなければならないと諭します。小殊の体がもう失敗に耐えられないことを強調し、慎重に行動するよう繰り返し忠告します。
梁帝は夏江の言葉に囚われ、高湛に梅長蘇が梅長蘇なのかどうかを尋ねます。高湛は、もし梅長蘇が梅長蘇なら、太子である景琰は決して彼を命懸けの懸鏡司には送らないだろうと否定し、梁帝も納得します。高湛は、太子は寛大だからわだかまりは生じないだろうと慰めますが、梁帝は赤焰軍の冤罪事件が父子間のわだかまりとなっていることを自覚しています。
梅長蘇は屋敷に戻るとすぐに倒れ、容態は深刻です。藺晨は危険な賭けに出る決意をし、特別な解毒方法を試みます。しかし、確信が持てないため、飛流をからかって緊張を隠そうとします。
蔡荃は密告を受け、夏冬 が入れ替わっていることに気づき、牢獄へ行き宮羽の正体を暴きます。蒙摯と夏冬 は知らせを受け、天牢へ宮羽を救出しに行こうとしますが、藺晨は二人の無謀さに呆れ、梅長蘇の療養を妨げないよう、蔡尚書を相手に流血を伴わない妙案を授けます。宮羽は救出され、蔡荃もそれ以上追及しなくなります。蒙摯は喜びますが、藺晨は水を差すように、護衛の新しい妻が情報を漏らしたのだと指摘します。
意識を取り戻した梅長蘇は、藺晨に璇璣公主が残した配下を調査するよう指示します。誉王の最期の言葉を思い出し、秦般若と夏江が誉王を支援した動機を考え、誉王と滑族との関係を疑います。梅長蘇は滑族の宮羽に尋ね、玲瓏公主に子供がいたこと、そして玲瓏公主の死後、その子供の行方が分からなくなったことを知ります。
言侯の誕生祝いの日、屋敷の前は賓客で溢れかえっていました。寒氏という女性が息子の寒濯を連れて祝いに訪れ、言侯の旧友だと名乗ります。言侯は二人と個別に面会します。実は寒氏はかつて夏江と恋仲にあり、寒濯は夏江の息子でした。今回、寒氏は夏江と決著をつけ、息子に父の遺体を引き取らせるために都に来たのでした。寒氏は夏江の残党の名单を言侯に渡します。景琰は様々なルートから得た情報に基づき、宮廷内外で大規模な粛清を行います。
梅長蘇は天牢を訪れ、全ての出来事を夏江に告げます。全ての切り札を失った夏江はついに絶望に陥り、彼を待つのは更なる波瀾です。
第50話の感想
第50話は、様々な感情が交錯する、息詰まる展開でした。梅長蘇の体は限界に達し、倒れるシーンは見ているこちらも胸が締め付けられました。彼の命を繋ぐ藺晨の懸命な姿、そして真実を知り、深い悲しみと責任感に苛まれる景琰の姿も印象的です。靜妃の言葉は、景琰だけでなく、視聴者である私たちにも、梅長蘇の誌を継ぎ、前へ進むべきだという力強いメッセージを与えてくれました。
一方、梁帝は未だ夏江の言葉に惑わされ、疑心闇鬼に陥っています。高湛の言葉で一時的に安心するものの、根本的な解決には至らず、父子間の溝の深さを感じさせます。
夏冬 と蒙摯の宮羽救出劇は、藺晨の機転によって見事に成功しますが、護衛の裏切りという新たな問題も浮き彫りになりました。常に周到な梅長蘇ですら、全てを掌握しきれない状況に、彼の抱える重圧と苦悩が改めて伝わってきます。
つづく