老太師の墓から盗まれた呪いの絵画をめぐり、所有者が次々と自焚する事件を追う清秋と南一。絵師・葉青山(ようせいざん)のかつての弟子、洛寒水(らくかんすい)を訪ねると、彼は聞若夕(ぶんじゃくせき)の肖像画を隠し持っていた。南一は洛寒水の挙動から、事件に情愛のもつれが絡んでいると推測する。二人は屋台の店主との再会で、自分たちの過去に秘密があることを暗示される中、清秋は一計を案じ、裕福な商人の屋敷で毒を飲んで倒れる芝居を打つ。駆けつけた“俞神医(ゆしんい)”は、絵画に魂が乗り移ったと診断するが、これは清秋が仕掛けた罠だった。夜、解毒剤を届けに来た黒装束の男の正体は洛寒水。清秋は兵を率いて彼を捕らえ、事件の真相に迫る。
「鹿苑記~僕の生意気な彼女~」あらすじネタバレ13話
古画にまつわる怪事件を追う林清秋(りんせいしゅう)と鹿南一(ろくなんいつ)。画商の怯える様子から、その絵がかつて老太師の墓から盗掘された曰く付きのもので、所有者を次々と自焚に追い込んでいることを知る。手がかりは、絵師・葉青山(ようせいざん)の弟子、洛寒水(らくかんすい)。郊外の書院に彼を訪ねると、高慢な態度で二人を出迎えた洛寒水は、鑑定を頼まれた師の絵を前に、なぜか顔を背ける。そこで清秋は、彼の実力を試すため絵を描いてもらうことを提案するが、提示されたのは法外な金額だった。
その時、南一は洛寒水の机の上にある女性の肖像画に目を留める。描かれていたのは、なんと聞若夕(ぶんじゃくせき)!南一の表情は凍りつき、清秋が何か言おうとした瞬間、彼は書院を飛び出してしまう。「聞姑娘との話は、街で噂になってるぞ」と吐き捨てる南一。さらに、絵の中の若夕が武芸の心得があることを見抜き、清秋を驚かせる。
二人は行きつけの屋台で馄饨をすすっていた。店主は二人の顔を見て驚き、「まるで昔のままだ!」と呟く。一体どういうことなのか?謎が深まる中、雷羽(らいう)から新たな情報が届く。清秋は匙を置き、冷たく微笑む。「網を上げる時が来た」
裕福な商人の邸宅では、南一が手配した“俞神医(ゆしんい)”が清秋の診察をしていた。苦しむ清秋を診た神医は、「これは画中仙の仕業ですな。魂が絵に乗り移って…」と告げる。すると、清秋は激しく痙攣し始め、幻覚の中で赤い婚礼衣装を身につけた南一と結婚の儀式を挙げている光景を見る。異変に気付いた南一に、神医は薬を差し出し「早く解毒剤を!」と叫ぶ。
夜更け、屋敷に黒装束の人物が忍び込み、「解毒剤だ」と囁く。しかし、布団から飛び起きたのは清秋だった。雷羽が素早く男を取り押さえ、その顔から面紗が剥がれ落ちる。そこに現れたのは、洛寒水だった。兵士たちが部屋を取り囲み、屏風の陰から清秋が現れる。「洛公子、“画中仙の祟り”という芝居は、もうおしまいだ」と、清秋は手にした絵巻物を軽く叩いた。
鹿苑記~僕の生意気な彼女~ 第13話 感想:策略と謎が交錯する緊迫の展開
第13話は、妖画の謎に迫る清秋と南一の捜査が大きく進展する、見応えのあるエピソードでした。特に印象的だったのは、洛寒水の登場です。初登場時から漂う怪しげな雰囲気、そして聞若夕の肖像画を大切に保管しているという事実。南一の鋭い洞察力によって、彼の秘めた想いが事件の鍵を握っていることが示唆され、一気に物語の緊張感が高まりました。
清秋が仕掛けた罠は見事でしたが、同時に彼女の覚悟と冷徹さも垣間見え、複雑な心境になりました。洛寒水が黒幕であることは予想できましたが、彼の動機や背景にはまだ謎が多く残されており、今後の展開が非常に気になります。また、馄饨屋の店主との再会は、清秋と南一に隠された過去を示唆しているようで、今後の伏線となる可能性も感じさせます。
つづく