阿紅あこうは門口で張敏娘ちょうびんじょうに会い、彼女は贈り物を持ってきたと偽り、お茶を所望した。会話の中で、張敏娘ちょうびんじょう阿紅あこうが北部の出身だと突き止め、唐が北部と交戦中であることから、彼女をスパイではないかと疑い、麴都護とごに報告した。麴崇裕きく・すうゆうには直接伝えなかった。

琉璃るりが目を覚ますと、裴行倹はい・こうけんはすぐに韓四かんしに彼女の容態を確認させた。大事に至らなかったと分かると、裴行倹はい・こうけん阿紅あこう麴崇裕きく・すうゆうへの報告を頼んだ。阿紅あこう張敏娘ちょうびんじょうに情報を漏らしてしまったのではないかと不安だったが、回復したばかりの琉璃るりを邪魔したくなかった。

張敏娘ちょうびんじょうは麴都護とご阿紅あこうのことを報告し、彼女への対応を促したが、麴都護とごは明確な指示を出さなかった。その後、麴都護とご麴崇裕きく・すうゆう阿紅あこうと親しくなりすぎないように忠告し、私情で公務を疎かにするなと釘を刺した。麴崇裕きく・すうゆうは既に阿紅あこうの身元を調査済みで、スパイではないと確信していると説明したが、北部の首領の娘であることは認めた。そして、感情に流されて職務を怠ることはないと断言した。

阿紅あこう柳如月りゅうじょげつに身バレしたことを打ち明け、二人で裴行倹はい・こうけんに相談しようと考えた。しかし、阿紅あこうは自ら麴崇裕きく・すうゆうの元へ行き、真実を話した。麴崇裕きく・すうゆうは彼女の安全を守ると約束し、帰る際には彼女に外套をかけてやり、送って行こうと申し出た。外に出た阿紅あこう柳如月りゅうじょげつと会い、琉璃るりが目を覚ましたことを伝えながら、彼女を連れて立ち去った。

蘇定方そ・ていほう琉璃るりを見舞いに訪れ、彼女の病状の深刻さを目の当たりにし、裴行倹はい・こうけんと家庭と責任について話し合った。裴行倹はい・こうけんは側室を迎えることを拒否し、琉璃るりの無事を願った。琉璃るりが回復すると、韓四かんしは薬の処方を調整し、阿霓あげいに鍼灸を教えることを約束した。琉璃るり阿霓あげい小檀しょうたんの良籍を改善し、去就の自由を与えた。裴行倹はい・こうけんも万が一に備えて鍼灸を学び始めた。

春になり、琉璃るりの体調が回復し、外出を望んだ。裴行倹はい・こうけん琉璃るりを宥めながら物語を聞かせた。その中で、琉璃るりは安三娘さんじょうが軍営に入るための通行証を描いたことを話し、裴行倹はい・こうけんはそれを心配した。琉璃るりは偽の通行符を作るつもりはないと約束したが、麴崇裕きく・すうゆうなら手伝ってくれるかもしれないと思い、試してみたい気持ちもあった。

麴崇裕きく・すうゆうは故郷から酒を取り寄せ、王君孟おう・くんもう裴行倹はい・こうけんへの贈り物を頼んだ。王君孟おう・くんもうは途中で張敏娘ちょうびんじょうに会ったが、足を止めずに任務を遂行した。

第28話の感想

第28話は、阿紅あこうのスパイ疑惑を中心に、様々な人間関係とそれぞれの思惑が交錯する展開でした。張敏娘ちょうびんじょうの鋭い観察眼と疑念は、物語に緊張感を与えています。唐と北部の緊張関係を背景に、阿紅あこうの置かれた立場は非常にデリケートで、彼女の不安や葛藤が伝わってきました。麴崇裕きく・すうゆう阿紅あこうへの想いを貫き、彼女を守ろうとする姿勢が印象的です。しかし、この二人の関係が今後どのような影響を及ぼすのか、不安も残ります。

一方、琉璃るり裴行倹はい・こうけんの関係は、深い愛情と信頼で結ばれています。裴行倹はい・こうけん琉璃るりへの献身的な姿は、感動的ですらあります。琉璃るりの回復と共に、二人の穏やかな時間が戻ってきたことは喜ばしいですが、琉璃るりの行動には少し軽率な部分も見られ、今後の展開が気になります。特に、通行証の件は、大きな波乱を巻き起こす可能性も秘めているように感じます。

また、蘇定方そ・ていほう裴行倹はい・こうけんの会話は、家族や責任について考えさせられるものでした。裴行倹はい・こうけんの揺るぎない信念は、彼の誠実さを表しています。そして、韓四かんし阿霓あげい小檀しょうたんといった周りの人々も、それぞれの立場で物語に彩りを添えています。

つづく