あらすじ

第三十八話は、沈玉容(しんぎょくよう)、成王(せいおう)、そして他の主要人物たちの間の権力闘争を中心に展開します。

沈玉容(しんぎょくよう)は、迫り来る京の動乱を避けるため、家族を故郷へ帰らせます。そして、成王(せいおう)には洪孝帝(こうこうてい)に罪を着せて挙兵する計略として偽装死を提案し、その交換条件として蕭蘅(しょうこう)の持つ兵符を求めます。成王(せいおう)は京に戻り先祖の祭祀を行い、洪孝帝(こうこうてい)からの褒美を受けますが、祭典後には北境へ戻る計画を立てています。兄妹は亡き母の遺志を思い出し、皇位を争う決意を固めます。

各勢力は状況に対応するため積極的に準備を進めます。李仲南(りちゅうなん)は成王(せいおう)の進攻計画を支援し、蕭蘅(しょうこう)は防衛策を講じます。姜云柏は一族の名誉を守るため、洪孝帝(こうこうてい)を支持することを決めます。

一方、楊氏(ようし)は姜云興に情報を漏らし、麗妃(れいひ)は京から追放されたにも関わらず、洪孝帝(こうこうてい)を守るため戻ってくることを決意します。

祭祀の当日、緊張は最高潮に達します。婉寧(えんねい)は先帝への復讐を明らかにし、薛芳菲(せつほうひ)は趙柯(ちょうか)が偽物であることを見破ります。事態はさらに複雑に絡み合い、今後の展開への伏線を張ります。

ネタバレ

沈玉容(しんぎょくよう)は母と妹の如雲に荷造りをさせ、故郷へ帰るよう促した。面倒を避けるため、外界との接触を禁じたが、母は息子に追い出されると思い不満を抱く。玉容は京で大きな変事が起きると説明し、母はやむなく受け入れた。

一方、成王(せいおう)は祭祖のため帰京を計画し、洪孝帝(こうこうてい)に捕虜を献上する旨の奏上書を送った。姜雲柏(きょううんぱく)は謀仮の兆候だと捉え、先手を打つべきだと進言するが、蕭蘅(しょうこう)は成王(せいおう)の行動は正当であり、帝が動けば逆に忠臣を迫害した悪名を著せられ、成王(せいおう)軍に攻撃の口実を与えると仮論した。こんな計略を成王(せいおう)が立てるはずがない、と。

祭祀大典の責任者となった葉世傑(ようせいけつ)は重圧を感じながらも、同僚の助けを得て準備を進める。成王(せいおう)軍が京へ向かっていることを知り、玉容は深夜、密かに成王(せいおう)と会見した。成王(せいおう)は玉容のこれまでの働きを高く評価し、婉寧(えんねい)が見込んだのも頷けると言った。玉容は婉寧(えんねい)を殺害し、洪孝帝(こうこうてい)に罪を著せることで成王(せいおう)挙兵の口実とする計画を提案する。成王(せいおう)は激怒するも、玉容の説得により、婉寧(えんねい)に偽死の薬を使わせることで目的を達成することに同意し、交換条件として蕭蘅(しょうこう)の持つ兵符を要求する。成王(せいおう)はそれを承諾した。

成王(せいおう)が帰京すると、洪孝帝(こうこうてい)は北境防衛の功績を称え、褒美を与え、祭祀後も京に留まるよう暗に示した。成王(せいおう)は褒美には目もくれず、北境へ戻ると答えた。

兄妹で再会した成王(せいおう)は、婉寧(えんねい)が李仲南(りちゅうなん)と仲違いしたことを叱責し、偽妊娠騒動で我を失っていたと非難した。二人は亡き母、劉貴妃の墓参りに行き、生前の思い出や、互いに支え合い皇位を狙うよう言い残したことなどを語り合った。

事態は緊迫し、各勢力が動き出す。李仲南(りちゅうなん)は成王(せいおう)の進軍計画を支援し、蕭蘅(しょうこう)とその仲間たちは防衛策を練る。薛芳菲(せつほうひ)はどんなことがあっても蕭蘅(しょうこう)を決して見捨てないと誓い、姜雲柏(きょううんぱく)は家名を守るため洪孝帝(こうこうてい)を支持することを決意する。楊氏(ようし)は姜雲柏(きょううんぱく)と姜老夫人(きょう ろうふじん)の会話を盗み聞きし、姜雲興(きょううんこう)に密告する。身の危険を感じた雲興は逃亡を企てる。麗妃(れいひ)は洪孝帝(こうこうてい)の身を案じ、京から追放された身でありながら宮殿に戻り、死を覚悟で留まることを訴えた。

祭祀当日、洪孝帝(こうこうてい)は誰にも皇位を奪わせまいと決意を固め、成王(せいおう)は権力奪取の機会を窺う。婉寧(えんねい)はかつて、先帝に代国の人質として送られたことに不満を抱き、枕で先帝を殺害した過去を思い出した。

最後に、薛芳菲(せつほうひ)は趙柯(ちょうか)に準備を指示するが、趙柯(ちょうか)は偽物であり、彼女を気絶させ婉寧(えんねい)の秘密牢獄に送ってしまう。婉寧(えんねい)は偽妊娠の陰謀に巻き込んだ蕭蘅(しょうこう)と薛芳菲(せつほうひ)に共に苦しみを与えようとしていたのだ。

第38話の感想

第38話は、嵐の前の静けさといった様相で、今後の波乱を予感させる緊迫した展開でした。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、誰が味方で誰が敵か、もはや判別がつかない状況です。

特に印象的だったのは、沈玉容(しんぎょくよう)の冷酷なまでの策略です。愛する婉寧(えんねい)を偽死させるという大胆な計画を成王(せいおう)に提案する場面は、彼の復讐心がどれほど強いのかを改めて見せつけられました。成王(せいおう)もまた、妹の命を危険に晒すことに葛藤しながらも、最終的には玉容の計画を受け入れるところに、彼の野心の大きさが窺えます。

一方、洪孝帝(こうこうてい)は成王(せいおう)の帰京に警戒心を抱きながらも、表面上は平静を装っています。しかし、祭祀の場で彼が皇位への執著を露わにするシーンは、今後の権力争いが激化することを暗示しており、目が離せません。

また、婉寧(えんねい)が過去の罪を思い出すシーンも印象的でした。かつて先帝を殺害したという事実は、彼女がただの被害者ではなく、自らも陰謀渦巻く宮廷で生き抜いてきた冷酷な一面を持っていることを示しています。薛芳菲(せつほうひ)と趙柯(ちょうか)の件も、婉寧(えんねい)の闇の深さを改めて感じさせ、今後の展開に不安を掻き立てます。

つづく