傷ついた燕子京(えん・しけい)と、端午(たんご)の献身
物語は、端午(たんご)の節句の日に明鏡台(めいきょうだい)で傷を癒す燕子京(えん・しけい)のシーンから始まります。前の戦いでまた何人もの仲間を失ってしまった燕子京、その心痛は計り知れません。亡くなった兄弟たちを弔う彼に、康倨が「自分をあまり責めるな。犠牲は驪龍盗のせいだ。前を向かなければ」と励ますんですが、この康倨の言葉、重いですよね…。
そんな傷心の燕子京を、我らが端午が甲斐甲斐しく看病するんです。薬を煎じ、手ずから麺を打ち、卵スープ麺を作ってあげる姿は、もう健気で健気で…。燕子京も、厨房で忙しく立ち働く端午の姿を見つめながら、康倨以外にこんなに親身になってくれる女性はいなかったな、なんて思うわけです。毎日驪龍盗との戦いに明け暮れて心身ともに疲れ果てている彼にとって、この穏やかな時間はどれほど貴重だったことか。でも、燕子京は最近、毒の発作が頻繁に起こっていて、自分の命が長くないことも悟っているんですよね…切ない。
食卓に運ばれてきた湯気の立つ麺をすする燕子京に、端午は「もしあなたが杭州から姿を消したら、驪龍盗はどうなるかしら?」と問いかけます。もう真相を知った端午は、燕子京と共に戦う覚悟を決めているんですね。「盟友になりましょう」という端午の言葉、力強かったです!
それぞれの思惑と、新たな火種
一方、燕子京を殺し損ねた鄭知衡(てい ちこう)に対して、崔十九(さいじゅうきゅう) はもう以前のような可愛らしい態度は見せません。鄭知衡(てい ちこう)は、自分が崔十九(さいじゅうきゅう) に利用されていただけだと気づき、深く失望します。そんな中、白校書が弟を連れて鄭知衡の元を訪れ、再び花魁の地位に戻れるよう助けを求めますが、鄭知衡は全く相手にせず立ち去ってしまいます。この辺りの人間模様もドロドロしてきましたねぇ。
そして、明鏡台(めいきょうだい)にはさらなる試練が!以前出資していた歌姫たちが、返済期限が来たと言って出資金の返還を求めてきたんです。店には現金がなく、端午は一人ひとりに借用書を書き、毎月利息を支払うことを約束します。歌姫たちは、端午が本当に困窮している様子を見て、渋々借用書を受け取ります。
ところが!まさにその直後、桜桃と高手が大量の金石の原材料を持って帰ってくるんです!「これで新作がたくさん作れる!」と喜ぶ二人。いやー、このタイミング、ドラマチックすぎません?
端午の親友である馮五娘(ふうごじょう)は、端午の苦境を知り、一銭も要求せず、逆に端午を励ます手紙を送ってくれます。こういう友情、泣けますよね。
借用書を受け取った歌姫たちは、原材料が運び込まれるのを見て後悔しますが、時すでに遅し。あれだけ強硬に返金を迫った手前、今更「やっぱり出資したい」なんて言えるはずもなく…。端午は「商売には浮き沈みがありますから。今回は新たな出資は受け付けません」とキッパリ。この毅然とした態度、さすがです!
琉璃への道と、忍び寄る魔の手
端午は、かつて鄭家で琉璃を焼いていた老職人を探し出し、琉璃の製法を教えてほしいと高額で交渉します。最初は相手にしていなかった老職人も、端午が本物の金銀を目の前に積むと、態度を一変させます。この老職人、なかなかクセがありそうですが、端午の新たな挑戦が始まりそうでワクワクしますね!
しかし、そんな端午の努力を嘲笑うかのように、崔十九が動きます。「珍琅閣が偽物を売っている」という噂を流し、店の前には野次馬が群がり、せっかく築き上げた評判は地に落ちてしまいます。さらに鄭知衡と崔十九は、徐南英(じょなんえい)に助けを求め、崔十九は崔家の残りの宝石全てを徐南英(じょなんえい)に渡すと約束。金に目がくらんだ徐南英は、この申し出を受け入れてしまいます。あー、もう、この徐南英って人も大概ですよね!
夜になり、崔十九は珍琅閣の権利書を鄭知衡に渡します。かつて崔家のものだった店を取り戻し、一瞬喜ぶ崔十九ですが、すぐにこの取引があまりにもスムーズに進んだことに疑問を抱きます。燕子京はまるで人間蒸発したかのように姿を消し、生死も不明なまま。鄭知衡は「考えすぎだ。今の杭州で鄭家の地位を揺るがせる者などいない」と高を括っていますが、これがフラグにならないといいんですけど…。
そして、新たな靠山を求めていた白校書は、なんと徐南英に接近!この徐南英、手段を選ばない冷酷な男ですからね。白校書との間に、何やら不穏な空気が流れ始めます。
つづく