運命を握る炎の脱出劇と暴かれる陰謀の端緒
大理寺の検屍房が激しい炎に包まれる中、夢西洲は自身の無実を証明するため決死の突入を試みます。南風意(なんふうい)との間に生じる奇妙な霊力の共鳴や、裴巡の遺体から摘出された蠱虫の恐怖。朝廷を揺るがす司徒寒山(しとかんざん)の壮大な陰謀が狂気と共に動き出す、緊迫の第2話です。
宿命の引力と炎の嵐の中で交差する二人の秘密
炎上する大理寺の検屍房と命懸けの遺体死守
大理寺の地下牢に、突如としてどす黒い煙が立ち込めました。夢西洲(モン・シーヂョウ)は検屍房が火事になったと知り、激しく動揺します。
第1話で殺害された裴巡の遺体が焼失すれば、自身の無実を証明する術が完全に失われてしまうからです。
彼女は監禁されていた牢を破り、激しい炎が渦巻く現場へと迷わず突き進みました。
崩落が始まる部屋の片隅で、彼女は法術により四肢を拘束された大理寺の仵作・茴放(カイ・ホウ)を発見します。
夢西洲の法力はあまりに微弱で、彼の呪縛をその場で解くことはできません。
それでも彼女は必死に手を伸ばし、茴放の身体を外の安全な場所へと引きずり出しました。
親友の家族を救った彼女は、再び裴巡の遺体を搬出するため、激しく燃え盛る火の海へと戻ろうとします。
自分がもし生還できなかった時は、代わりに私の潔白を証明してほしいと茴放へ冷徹に言い残しました。
謎の引力現象と裴巡の肉体に隠された弱点
一方、大理寺の敷地内では、南風意(なんふうい)(なんふうい)が放火を終えて逃走する黒衣の刺客を猛烈に追跡していました。
刃を交えた瞬間、南風意は敵が放った武器の特殊な形状に強い既視感を覚えます。
それは第1話で夢西洲が主張していた、裴巡を狂暴化させた氷の暗矢の形状と完全に一致していました。
地面に落ちると即座に水へと還り、一切の証拠を残さない巧妙な暗殺手口。
夢西洲の供述が真実であったと確信した瞬間、南風意の肉体を不可解な謎の引力が襲います。
彼の意思を無視した強力な霊力の渦は、彼を検屍房の内部へと強引に瞬間移動させました。
驚く夢西洲に対し、南風意は危険だから即座に脱出するよう厳しく命じます。
しかし嫌疑の晴れぬ恐怖に震える彼女は、裴巡の遺体の確保を頑なに譲りません。
南風意は焦りつつも遺体を抱え上げ、崩落する梁を自身の内に眠る巨大な力で木端微塵に粉砕しました。
第1話で南思勖が語っていた、命を縮めかねない禁忌の霊力が彼を救った瞬間です。
南風意はこの驚異的な怪力の秘密を他言せぬよう厳命し、二人は炎の中から生還を果たしました。
猫妖阿花の託宣と司徒府へ放たれた百匹の蠱虫
天師府の杜月怜(とげつれん)(とげつれん)と太子の北宮朔(ほくきゅうさく)が、不穏な妖気を察知して現場の周囲を包囲します。
しかし、大理寺の内部では、救出された茴放が裴巡の遺体に関する凄惨な秘密を報告していました。
遺体は異様な金属の硬度を誇り、いかなるメスを以てしても切開できなかったという驚愕の事実です。
一晩中解剖を試みたものの失敗し、突如侵入した黒衣人によって法術で監禁されたと茴放は語りました。
夢西洲は、これこそが肉体を鋼鉄化させる宿主型の蠱虫(こちゅう)の仕業であると見抜きます。
南風意は彼女が隠し持つ辨妖瞳の能力を頼りに、遺体の破綻を見つけるよう促しました。
死への恐怖を押し殺し、夢西洲は的確な観察眼で遺体の死角を見つけ出します。
彼女の指示の元で茴放が刃を突き立てると、肉体の奥底から邪悪な蠱虫が摘出されました。
夢西洲はその虫を捕獲し、自身の無実を証明する決定的な証拠を手に入れます。
天師府に戻った杜月怜(とげつれん)は、府尊である杜風雷からこの事件に関わるなと叱責を受けました。
しかし独自の執念を燃やす彼女は、背後で蠱虫を密造する趙清白(チョウ・セイハク)の動向を追い始めます。
南風意は自身の法術が夢西洲に吸い寄せられる現象を再現し、二人の霊的共鳴を確信しました。
彼が近くにいることで夢西洲の霊力も増幅し、辨妖瞳(べんようとう)の完全発動が可能となります。
夢西洲はこの強力な天才に師事し、本格的な法術の修行をさせてほしいと懇願しました。
その後、彼女は牢獄に囚われている元高官の司空涉(シクウ・ショウ)の元へと足を運びます。
第1話の事件現場の持ち主である司空涉は、現れた黒猫が自身の愛猫である阿花だと白状。
世話の代償として隠し邸宅の存在を提示し、二人は辨妖瞳を用いて猫妖となった阿花との精神対話に成功しました。
阿花は裴巡の殺害現場を目撃しており、背後にいる趙清白の凶行を暴露。
すでに100匹以上の不気味な蠱虫が司徒府へと送り込まれているという、司徒寒山(しとかんざん)(しとかんざん)の陰謀を告げます。
南風意は狂暴化した阿花を処分し、夢西洲が発見した貴重な房契(権利書)を自身の管理下へと没収しました。
霊力の相互引力現象と長楽城を侵食する蠱虫の術理
第2話で描写された南風意と夢西洲の「接近時の法術引力」は、二人の血脈の宿命的な共鳴を示しています。
南風意が法術を発動すると夢西洲の元へ引き寄せられ、同時に彼女の体内に霊力が満ちて辨妖瞳が覚醒する現象。
これは第1話で言及された、白澤一族が守護する法器《山海図》の波長と、李拾遺の血を引く彼女の魂が、互いを補完し合う関係にあるためです。
また、裴巡の遺体を鋼鉄化させた寄生型の蠱虫は、宿主の生命力を燃料として肉体を再構成する禁忌の呪詛。
趙清白が司徒府へ100匹以上も集めている事実は、長楽城の大規模な傀儡化計画の明白な布石です。
遺体の弱点を見抜いて蠱虫を捕獲した夢西洲の辨妖瞳は、この軍勢に対抗する唯一の切り札となります。
深まる秘密の共有と傘坊で始まる波乱の修行
炎の検屍房でのスピーディーな救出劇から、二人の間に生じる霊力的共鳴の発見に至るまで、極上のサスペンスを堪能できました。口では冷たい態度を取りながらも、権利書を没収して自身の監視下に夢西洲を置く南風意のツンデレな挙動に胸が熱くなります。
次回の第3話では、無実を証明した夢西洲が南家の傘坊に身を寄せ、本格的な師弟関係としての修練が幕を開けます。長楽城の夜を襲う蠱虫の恐怖に対し、新府尊の杜月怜がどのような独自の包囲網を敷くのか、一瞬たりとも目が離せません。
つづく

